がん保険とは
医療保険が幅広い傷病を保障するのに対し、がん保険は対象をがんに絞り込むことで、高額な治療費がかかると言われるがんに割安な保険料で備えることができます。最大の特徴は、がんと診断されたときにまとまった額の一時金が支払われること。また、医療保険は入院1回につき60日などの支払限度が設けられているのに対し、がん保険では支払日数の制限がないことも魅力です。ただし、一般的に保障が始まるまで3ヶ月の待ち期間が設けられているので注意しましょう。
選択のポイントは?
がん保険は、「診断」「入院」「手術」の保障を基本に、「通院」や「先進医療」などの保障をプラスする形で、豊富なバリエーションを作り出しています。最近は各社さまざまな概念で商品設計しているため、同一の条件で単純に保険料だけを比較することが難しくなってきました。そこで、これからの保険選びは、それぞれの商品の違いをきちんと把握し、社会の動向や自分のニーズとマッチングさせることがますます重要となっています。
がん保険選択のフロー
上図は、選択のフローをまとめたものです。このうち、STEP3の保障内容の比較について、主なポイントを見ていきましょう。
ポイント1.診断給付金の支払い回数とその条件
診断給付金には保険期間を通じて支払いが1回だけのタイプと、複数回支払われるタイプがあります。再発や転移などの可能性を考えれば、複数回出るほうが安心です。しかし、当然ながら、保障が手厚いぶん保険料は割高になります。また、2回目以降の診断給付金については、前回の診断給付金の支払日から2年以上経過しているなどの条件があるので注意が必要です。また、比較的初期のがんである上皮内新生物の場合、保障額が異なる商品もあります。
ポイント2.通院給付金の有無
高齢化などによる医療費の増大を背景に、国は「入院の短期化」の方向性を打ち出しています。実際、退院患者の平均在院日数は、全体で平成8年の40.8日から平成20年の35.6日に、新生物の場合で35.8日から22.4日に短期化しています(厚生労働省「患者調査」)。最近は入院を伴わない手術も増えていますし、術後に自宅療養しながら数年にわたる通院治療を続けるケースも多くなっています。こうした状況を考慮すると、がん保険は入院による給付以上に、通院や継続的な治療に対する給付の重みが増していると言えるかもしれません。
退院患者の平均在院日数(全体・新生物 - 平成8年〜平成20年)
- 〔参考データ〕厚生労働省 患者調査(H8年〜H20年)
ポイント3.先進医療の有無
医療技術の進歩により、以前であれば手の施しようがないとされていた病も治すことができるようになっています。しかしそのぶん治療費は高額に。特に一般の医療と比べ治療効果が高いとされる先進医療を選択した場合、技術料が高いだけでなく、健康保険が効かずに全額自己負担となります。そのため、最近は先進医療にかかる費用も一定限度まで保障する保険が登場しています。治せる可能性があるのにお金のためにあきらめたくない、経済的なことは気にせずどんな治療にもチャレンジしたいという人には安心でしょう。
金銭的な保障から総合的なバックアップへ
ここ数年、金銭面の保障だけでなく、QOL(クオリティオブライフ)の向上のため、本人・家族への情報提供やメンタル面でのサポートを充実させている商品も増えています。「不治の病」から「治る病」となったがんとの闘いをトータルにバックアップするパートナーとして、がん保険の概念も変わってきたと言えるでしょう。世の中の動向と自分のニーズ、保険料を考慮して、ぴったりの保険を選びましょう。



