終身がん保険を選ぶときのポイント

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終身がん保険を選ぶときのポイント

がんの保障はいつまで備えたいですか?がん保険で一生涯の保障を持ちたいという場合には、終身がん保険があります。この終身がん保険は人気がありますが、一度加入すると安易な見直しは避けた方がよい仕組みです。選択にあたっては、特にがん保険は商品ごとに保障や給付金の支払条件等に違いがありますので、単に保険料の安さだけでなく保障内容をしっかりと理解することが重要です。

2017年3月23日掲載

このページの要点をまとめると・・・

がん保険には保険期間の違う「定期型」と「終身型」がある

終身がん保険は、中途解約せずに生涯継続する前提で加入が良い

がんにかかる確率は80歳以降もさらに上昇する

給付金でも、商品によって保障の支払対象や支払要件が違う

以下、記事の詳細

終身がん保険とは

がん保険には保険期間、つまり保障が続く期間の違いで「定期型」と「終身型」があります。(関連ページ:保険期間と払込期間
「定期型」とは10年などの一定期間を保険期間としたもので、「終身型」とは保険期間を一生涯としたものです。この「終身型」のがん保険を「終身がん保険」といいます。
終身がん保険の保険料の支払い方は2通りあります。保険料を生きている限り支払い続ける「終身払い」と、例えば60歳などのある年齢までなど一定期間で保険料の払込を終えてしまう「短期払い」です。

終身がん保険のメリット・デメリット

終身がん保険のメリット

終身がん保険のメリットの1つ目は、払込期間中の保険料がずっと変わらないため、保険料を計画的に支払いやすい点が挙げられます。老後の保険料負担が心配であれば、短期払いを選択して現役時代に保険料を全て支払ってしまうこともできます。

終身がん保険のメリット

それに対して定期型では、保険期間が満了するたびに自動更新して継続していきます。更新後の保険料は、更新の時の年齢に応じた保険料率で再計算されるため上昇していきます。そのため、加入後にがんになり保障を続けたいけれども、更新後の保険料の負担が大きすぎて続けられないといった事態が生じる恐れがあります。

2つ目のメリットは、一生涯にわたってがんの保障があるため、長生きに安心して備えられることです。
定期型の場合は更新を続けたくても、例えば80歳など所定の最長保険期間が定められています。そのため、一生涯の保障を得られない可能性があります。更新型の最長保険期間満了後に終身型へ見直すことは、高齢ゆえの高額な保険料と、過去にがんにかかったことがあると新たに加入できないのが一般的ですので難しいでしょう。

終身がん保険のデメリット

終身がん保険のデメリットの1つ目は、契約から一定期間の保険料は定期型に比べて割高という点です【図表1】。そのため、子どもの教育費がかかる時期や、住宅ローンの返済が残っている時期のみ保障を手厚くしたいなどの場合には、定期型の方が適しています。

【図表1】定期型と終身型の保険料の推移(イメージ)

終身がん保険のメリット

2つ目のデメリットは、終身がん保険の加入後にもしも解約することになれば、保険料が無駄になる恐れがあることです。
終身がん保険の契約当初の保険料が割高なのは、人生後半の保険料の一部を前払いする仕組みだからです。そして近年は保険料を抑えるために解約返戻金のない商品が主流です。そのため、例えば新しいタイプのがん保険に見直そうと、契約中の終身ガン保険を解約することになれば、既に支払った保険料の一部を無駄にしかねません。
そのため終身がん保険は、将来も含めて無理のない保険料で、がん治療の変化などもなるべく想像し、一生涯継続する前提で加入しましょう。

がん保険はいつまで必要?

がんにかかる(罹患(りかん)する)確率は、年齢と共に上昇していきます。現在の0歳が80年後、つまり80歳までにがんにかかる確率は男性42%、女性29%ですが、一生涯でみると63%、47%です【図表2】。このことから、がんの保障は基本的に一生涯必要といえるでしょう。がんで特に心配な再発・転移への備えという点からも長期で備えたいところです。なお、生涯でがんに罹患する確率の63%と47%は、男女ともに2人に1人が、がんにかかることを意味しています。

【図表2】現在の0歳が、ある年までに「がんに罹患する確率」

【図表2】現在の0歳が、ある年までに「がんに罹患する確率」

医療保険のがん特約について

がんへの保障が欲しいときには、医療保険にがんの保障を「特約」で上乗せする方法もあります。
ただし、医療保険を解約することになると、特約だけ残すことはできませんので、がんの保障もなくなってしまいます。
がんへの保障の種類・内容・期間・給付額等が、がん保険よりも劣っている場合も少なくありません。最近のがん保険で増えてきた、放射線治療やホルモン剤治療等を受けても、通院で治療する場合に通院特約で若干保障される程度といえます。(関連ページ:医療保険の通院保障
また、がんの保障のみ付加したくても、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)の保障しかない商品もあり、その場合はがんのみの保障よりも特約保険料水準が割高といえます。

ちなみに、がん保険と医療保険を組み合わせて加入することは、保障の充実という面では有効といえます。ただし、過剰な保障は保険料の無駄に繋がりますので、無用な保障の重複には注意しましょう。

終身がん保険を選ぶときの3つのポイント

近年の終身がん保険は、保障内容が多様化し、単に保険料の比較だけでは判断が難しくなっています。
そこで、選ぶ際のポイントを3つお伝えします。

①保障の支払対象の確認をしましょう
例えば、現在がん保険の保障の主流は、がんと診断された場合に一時金で支払われる「診断給付金」です。(関連ページ:がん保険の診断給付金
この診断給付金も、初回1回限りのものから、「所定の要件」を満たせば、例えば2年ごとに1回が何度でも支払われるものなどもあります。「所定の要件」も、再発や転移等が必要なものもあれば、がん治療のための入院があれば良いものなどもあります。 診断給付金の対象に上皮内がんが含まれるかも商品によって異なります。対象であっても給付金が10%に減額されるものや、対象であっても上皮内がんへの給付は1回限りとしているものなどもあります。(関連ページ:上皮内がんとは
通院給付金もまた、商品によって支給要件が異なります。治療を目的とした通院であれば支払われるものだけでなく、それに加えて通院前の「入院」が要件となっているものなどもあります。支給日数の上限や保障される期間も異なります。

②必要な保障と保険料とのバランスを考えて選びましょう
商品によって、シンプルな主契約に自分で選んだ特約を付加できるものや、もともと各種の特約がセットされているものもあります。
保障が充実するほど保険料も上昇していきます。【図表2】から分かるように、がんの保障が必要になる可能性が高いのは概ね人生の後半です。将来的に保険料の支払いが苦しくなることのないように、保障と保険料のバランスを考えて商品と特約を選択しましょう。

③がん保障の免責期間を考慮しましょう
がんの保障の開始は、一般的に「申込み」「告知・診査」「第1回保険料の払込み」の3つが揃った責任開始日から90日または3カ月の免責期間の翌日からとなります。免責期間とは、がんと診断されても保障されない期間です。最近の商品の中には、「申込み」「告知」さえ揃えば責任開始日や免責期間に入る特約のある商品もありますので、いつからがんの保障が開始されるか確認しましょう。いずれにしても免責期間がありますので、例えば健康診断直前などに急いで加入するのではなく、余裕を持った加入を心がけると安心です。
詳しくは「がん保険の猶予期間」ページをご覧ください。

近年、終身がん保険の保障は多様化しています。まずは、がんにかかった場合の治療および生活をイメージし、自分に必要な保障を考えることから始めてはいかがでしょうか。そして、今回お伝えした内容を、商品を選択するにあたっての絞り込むポイントとして意識してみてください。

執筆者プロフィール
中里 邦宏(なかざと くにひろ)
中里 邦宏(なかざと くにひろ) ファイナンシャル・プランナー(CFP) CFP(R)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/日本証券アナリスト協会検定会員補/FP提案書工房/マネーディアセオリー株式会社代表取締役副社長

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