【平成29年改正】確定申告 医療費控除の申請方法とくわしい書き方

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【平成29年改正】確定申告 医療費控除の申請方法とくわしい書き方

年間に支払った医療費が多い場合、医療費控除の確定申告をすると還付金を受け取ることができます。医療費控除の申請方法がよくわからない、書類の書き方を知りたい人は要チェックです。

2018年1月17日掲載

このページの要点をまとめると・・・

医療費控除の申請は、年末調整ではなく確定申告

平成29年分から、医療費控除の明細書の記入を医療費通知の添付で代替できる

平成29年から5年間、医療費控除とセルフメディケーション税制のどちらかを選択できる

以下、記事の詳細

医療費控除の申請方法と流れ

会社員の人の給与は、毎月の支給額から所得税を差し引いて支払われています。
しかし、毎月の源泉所得税の計算には各種の控除等が含まれていないため、年末調整をすることで税額の見直しが行われます。

その中でも「医療費控除」は年末調整の対象外とされています。医療費控除を受けるためには、別で確定申告を行わなくてはなりません。

確定申告が必要なものと年末調整でできるもの

確定申告が必要なものと年末調整でできるもの

医療費控除の申告の流れは次のようになっています。

1. 医療費控除の対象かどうか確認する

医療費控除は、1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%)を超えた場合に受けられます。
そこで、まずは生計を一にする家族全体の医療費がこの額を超えているか確認が必要です。

ほとんどの健康保険組合は、「医療費通知」「医療費のお知らせ」などの書類を送ってくれるので、この書類で今年支払った医療費の額をおおむね確認できます

「医療費通知」の内容以外でも、通院にかかった交通費なども医療費控除の請求ができることがあります。これらの金額も加えて、10万円を超えていれば医療費控除の申請が可能です。
医療費控除についてくわしくは「確定申告 医療費控除の対象と還付金の計算方法」ページをご覧ください。

2. 必要な書類を準備する

「確定申告書」や「医療費控除の明細書」を税務署の窓口、もしくは国税庁のホームページから入手し、これらに必要事項を記入します。
そのほかに源泉徴収票などが必要な場合があります。くわしくは次の見出しをご確認ください。

3. 必要な書類を税務署に提出する

通常の確定申告では、2月16日から3月15日のあいだに確定申告書を提出します。

医療費控除等の還付を受けるだけの確定申告であれば、2月16日より前でも税務署に提出できます

4. 還付金を確認する

還付金はおおむね1か月から1か月半程度の後に、指定した振り込み口座に振り込まれるか、最寄りのゆうちょ銀行または郵便局に出向いて受け取ることになります。

平成29年分から医療費控除が改正! 必要書類が変更に

医療費控除の確定申告に必要な書類は、次の4つの書類です。

平成29年分から、申告のときに医療費通知を添付することで、「医療費控除の明細書」の記入を大幅に省略できるようになりました

1. 医療費控除の明細書

医療費控除の明細書の書式は、税務署で入手するか、下記のサイトからダウンロードできます。

2. 確定申告書Aまたは確定申告書B

確定申告書には、AとBの書式があります。
確定申告書Aは、申告する所得が給与所得や公的年金等・その他の雑所得・配当所得・一時所得のみで、予定納税額のない人が利用できます。会社員の人はこちらを使えます。
確定申告書Bは誰でも使用できるもので、自営業の人などが利用できます。

確定申告書の書式は税務署で入手するか、下記のサイトからダウンロードします。

3. 源泉徴収票(会社員の場合)

確定申告書の項目には、源泉徴収票から転記する内容が含まれています。確定申告書提出のときには、源泉徴収票(原本)の提出が必要とされています。

4. 医療費通知【平成29年分から】

医療費通知は、ご自分の加入している健康保険組合等から送られてくる書類です。医療費控除申請のために提出する場合、下記の事項が記載されている必要があります。

  • 健康保険の加入者等の氏名
  • 療養を受けた年月
  • 療養を受けた人の名前
  • 療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称
  • 健康保険の加入者等が支払った医療費の額
  • 健康保険組合等の名称

平成29年の医療費控除の申請から、この医療費通知を添付すると「医療費控除の明細書」の記入を簡略化できるようになりました。
ただし、平成31年分までは医療費通知を使用する方法ではなく、従来の領収書の内容を医療費控除の明細書に転記する方法でも申請できます。

いずれの場合でも、医療費の領収書は5年間保管することが必要とされています(後日、明細書の記入内容確認のために提出を求められる可能性があるため)

医療費控除 医療費の明細書の書き方

平成29年分から、医療費通知を添付する場合、下記3項目を記入すれば病院ごとの支払い額を個別に記入する必要はなくなりました。

  • (1) 医療費通知に記載された医療費の総額
  • (2) (1)に記載された医療費の額のうち、その年のうちに実際に支払った総額
  • (3) (2)の医療費のうち、生命保険社会保険などで補填される総額

医療費控除の対象は、治療等を受けたときに請求された金額ではなく、年内に実際に支払った額です。年内に治療を受けていても、その代金を年明け以降に支払った場合は、その金額をその年の医療費控除の金額にはできません。
このため、医療費通知に記載された医療費の額と医療費控除の申請額は同じにならないことがあります。

また、受けた治療等の費用に対し、生命保険から保険金が支払われたり、高額療養費で支払いが免除された場合には、その額を差し引いた額が医療費控除の対象になります。

平成31年分までは、従来のとおり、領収書の内容を医療費控除の明細書に転記する方法をとることもできます。

従来の領収書と明細書による方法

従来の領収書と明細書による方法

また、医療費通知を添付する場合でも、医療費通知に記載されていない費用(受診のために利用した交通費など)もあり、これらの費用については、医療費控除の明細書へ別途記入する必要があります。
医療費控除の明細書に記入するときには、医療費控除の対象となる医療費等の内容を確認しておく必要があります。

医療費控除の対象となる費用についてくわしくは「確定申告 医療費控除の対象と還付金の計算方法」ページをご覧ください。
そのほか、国税庁のホームページにも例示がありますので参照してください。

医療費控除の明細書の書き方

医療費控除の明細書の書き方

上の図は、先に記載したサイトからダウンロードした医療費控除の明細書の書式です。図中の@〜Dの欄に、必要事項を記入します。

  • 【書き方】
  • (1)@に健康保険組合などから送られてくる医療費通知に記載された「自己負担の合計額」を記入する
  • (2)Aに自己負担の合計額のうち、実際に年内に支払いを終えた額を記入する
  • (3)BにAの対象となる治療などにおいて、保険金や高額療養費などの給付を受けた場合は、その合計額を記入する
  • (4)医療費通知に記載されていない医療費控除対象の費用があれば、C-1 〜C-5の欄に記入する(通院するときの公共交通費など)
  • (5)D-1にC-3の合計を、D-2にC-4の合計を計算する
    D-3にAとD-1の合計を、D-4にBとD-2の合計を記入する
  • (6)「控除額の計算」のA,Bの欄に、D-3、D-4を転記する
    D-5は確定申告書A第一表の所得金額の合計(※次項、第一表のE)から転記する
    D-6はEと10万円を比較していずれか少ないほうを記入し、C−FからGを算出する

医療費控除 確定申告書Aの書き方

会社員の人は確定申告書Aを、自営業等の人は確定申告書Bを使用します。
ここでは、確定申告書Aの記入方法を説明します。確定申告書A,Bには大きな違いはありません。自営業の人も、以下を参考に確定申告書を作成していただけます。

確定申告書A第一表の書き方

確定申告書A第一表の書き方

上の図は、先に掲載したサイトからダウンロードした確定申告書Aの第一表です。

  • 【書き方】
  • (1)@、Aに提出年月日、住所、氏名等を記入する
  • (2)Bはマイナンバーカードの番号を記入する
  • (3)Cに源泉徴収票の「支払い金額」を転記する
  • (4)Dに源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を転記し、Eにはその他の所得があれば、それらを合計して記入する
  • (5)Fに源泉徴収票の社会保険料等の金額を転記し、そのほかの控除額を記入したうえでGに控除額の合計を計算する(Gは源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」と一致する予定)
  • (6)Hに「医療費控除の明細書」の最下段Gの額を転記し、Iの合計額を計算する
  • (7)以下、確定申告書Aの各欄の計算指示に従って、J〜Qを計算する
    Rの還付される税金の受け取り場所を記入し、第一表を完了

確定申告書A第二表の書き方

確定申告書A第二表の書き方

上の図は、先に掲載したサイトからダウンロードした確定申告書Aの第二表です。

  • 【書き方】
  • (1)会社員の場合、Aの所得の種類欄に給与と記入し、支払者の氏名・名称は会社名等を記入する
    B支払い金額は、源泉徴収票の「支払金額」、Cは源泉徴収票の「源泉徴収税額」を転記する
    ほかの所得がなければC=Dになる
  • (2)Fは源泉徴収票から社会保険料等の額を転記し、Gはその合計額を記入する(Gは第一表のFと同額)
  • (3)Iに配偶者名と配偶者控除の有無をチェックし、マイナンバーを記入する
  • (4)Jの支払い医療費には、医療費控除明細書の「医療費の合計」Aを、K保険金などで補填される金額には、同Bの額を記入する

医療費控除の3つの注意ポイント!

1.平成29年から、セルフメディケーション税制がスタート

セルフメディケーション税制とは、健康の維持増進や病気の予防に取り組む人が、医療用から転用された医薬品(スイッチOTC医薬品)を購入したときに、その購入費用について所得控除を受けられる制度です。
この制度を使う場合は、通常の医療費控除は申請できなくなります。

スイッチOTC医薬品とは、医療用医薬品として使われていた成分の有効性や安全性などが、一般用医薬品として薬局で店頭販売することに問題がないと判断されたものです
OTCは、Over the Counterの略でカウンター越しにという意味です

セルフメディケーション税制によれば、平成29年1月1日から平成33年12月31日までのあいだに、生計を一にする家族のために、スイッチOTC医薬品を購入し、その年間の合計額が1万2000円を超えるときは、8万8000円を限度に所得控除することができます。

セルフメディケーション税制は、病院にはあまりかかっていないが、健康維持増進のための薬をたくさん買っている人が、所得控除を受けられる機会となります。

医療費控除とセルフメディケーション税制

2.平成28年分から、確定申告にマイナンバーが必要

マイナンバー制度の導入により、平成28年分以降の確定申告書の提出のときには、マイナンバーの記入と、本人確認書類の提示または写しの添付が必要になりました。
マイナンバーカードをもっていない人は、@通知カード、住民票の写し、住民票記載事項証明書のいずれか1つと、A運転免許証、パスポート、在留カード、公的医療保険の被保険者証、身体障害者手帳のいずれか1つ、の2種類の提示が必要です。

3.民間の医療保険等から保険金を受け取ったときは差し引く

医療費控除額は次の式で計算されます。保険金などを受け取った場合は、その金額を差し引くことを忘れないようにする必要があります。

  • 〔その年中に支払った医療費〕−〔保険金などで補填される金額〕−〔10万円 or 所得金額×5%(どちらか少ない額)〕

保険金などで補填される金額とは次のようなものをいいます。

  • 生命保険契約や損害保険契約に基づき医療費の補填を目的として支払いを受ける保険金
  • 社会保険や共済などの給付金で、療養費、出産育児一時金、家族出産育児一時金、家族療養費、高額療養費、高額介護合算療養費など
  • 医療費の補填を目的として支払いを受ける損害賠償金
  • 互助組織などから医療費の補填を目的として支払いを受ける給付金(※)
  • ただし、その給付の目的となった医療費の金額を限度とし、引ききれない金額はほかの治療のために支払った医療費から差し引く必要はありません

ここまで医療費控除を受けるために必要な手続きを中心に説明してきました。
医療費控除の明細書に、領収書を基にしたリストを作成する代わりに、医療費通知の添付で代用できるようになったことは朗報です。

それでも、確定申告書の書き方を理解するのには少し苦労がいるようです。仕事で忙しい中、確定申告まで手が回らないとお考えの人もいるかもしれませんが、税金の仕組みを理解するうえでも、一度、挑戦してみてはいかがでしょうか。

執筆者プロフィール
川上 壮太(かわかみ そうた)
川上 壮太(かわかみ そうた) ファイナンシャル・プランナー(CFP) CFP(R)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/サニーサイド・ファイナンシャルプランニング代表

当記事で提供する情報はあくまでも個人による一般的な意見です。当情報の利用およびその情報に基づく判断は読者の皆様の責任によって行ってください。個別の商品・サービスの詳細はそれぞれの規約・約款等をご確認ください。

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