老後資金3000万円と言われるけれど・・
よく、「老後資金は3000万円必要」といわれます。しかし、実際に用意すべき資金は人によってさまざまです。どこでどんな暮らしをしたいか、加入している公的年金は何か、企業年金や退職金などがあるかによって、準備すべき額は全く異なるからです。
そこでまず、自分自身の状況を把握するところから始めましょう。老後のために準備すべき資金は、「老後の支出(生活資金など)」から、「老後の収入(公的年金など)」をひいた不足額です。下記の計算シートに沿って計算すれば、我が家のケースがおおよそ把握できるでしょう(実際には、ライフイベントにかかる支出や、公的年金以外の収入も見積もっていきますが、ここでは簡便化のために省略しています)。
老後資金の計算シート
- ※60歳で退職、65歳で年金開始、90歳まで生きると仮定した試算。夫婦の年齢差の考慮はしていない。赤枠内の数値は、現在35歳の夫婦の場合。生活費および年金額は統計からのサンプル。
現実的でない場合はライフプランの見直しも
さて、我が家の老後資金は、いくらくらい必要と出ましたか? 準備すべき老後資金を、60歳までの年数で割って、毎年いくらずつ貯めていけばよいかも確認しましょう。これをもとに、貯蓄プランができますね。
ただし、目標額が大きすぎて現実的でない場合は、生活水準を下げたり、60歳以降も働くなどのライフプランの見直しを考えることが必要です。
今年度50歳以下の男性(女性会社員の場合は45歳以下)では、原則として65歳まで公的年金が受給できないため、現実的には細々とでも65歳まで働くケースが増えるかもしれません。その場合は65歳までの期間に引き直して、再計算しましょう。
複数の手段を併用して準備しよう!
では、具体的にどのような方法で準備すればいいのでしょうか。ここでは毎月少しずつ積み立てていく方法として、預貯金、個人年金保険、投資信託の3つの手段を例に特徴を見ていきましょう。
まず預貯金は、現在のような低金利下では大きく増えることはありませんが、元本と利息の支払いが保証されていて安心です。また、期間中いつでも引き出せるため、他の用途に流用したり、金利上昇時に預け替えたりすることが可能。ただし、使い勝手が良いぶん、老後までの長い期間、継続していく意志の強さが求められます。
個人年金保険(定額型)は、予め将来の受取額が決まっているため、計画が立てやすいと言えますが、預貯金同様、この低金利下では大きく増やすことは期待できません。また、払込期間中に解約すると元本割れするので注意が必要です。ただし、終身年金を選択すれば、生きているかぎり年金が受け取れるので、老後の最大の不安である「資金が底を付く心配」はなくなります。払込保険料に対して一定の税制優遇があることもメリットと言えるでしょう(税制優遇について詳しく見る)。
投資信託は、運用成果は約束されておらず、元本割れの可能性もありますが、経済状況などにより大きく増える楽しみがあります。株式や金などの商品に投資しているタイプであれば、インフレリスクにも対応可能です。最近は余裕資金で定期分配型の投資信託を購入し、運用しながら分配金を受け取るスタイルが人気ですが、これから資金を積み立てていく場合は、分配回数が少ないタイプのほうが税金面で効率的といえます。
以上のように、3つの手段はそれぞれ違う特性を持っています。資金に余裕があれば、複数の方法を併用すると良いでしょう。
老後資金準備手段のメリット・デメリット
| 預貯金 | 個人年金保険(定額型) | 投資信託 | |
|---|---|---|---|
| 大きく増える可能性 | × | × | ○ |
| 受取額の保証 | ○ | × | × |
| 解約のしやすさ | ○ | × | △ |
| 長生きに対する安心感 | × | ○※ | △ |
| 税制面の優遇 | △ | ○ | △ |
- ※終身年金保険の場合



