今回の震災での特例
今回の東日本大震災では、たくさんの方が命を落とされ、甚大な被害をもたらしました。このような時こそ、万一の場合に備えて加入していた生命保険が今後の生活再建の一助になることを願ってやみません。生命保険会社は、このような大規模な地震や津波などの災害に関して、災害関係の保険金や給付金を免責できますが、今回の震災では全額の保険金支払いを決定しています。つまり、通常の死亡保険金に加えて、災害死亡特約をつけていればその分の死亡保険金が上乗せという形で支給されるのです。ただし、今後これ以上の災害が起きた場合も必ず支払われるという保証はありません。他の手立てで、地震や津波災害に備えることはできないのでしょうか。
損害保険の地震特約を活用する
損害保険では、「地震・噴火・津波危険補償特約」や「天災危険担保特約」(以下、地震特約)を付けることで保険金を受け取ることができるものもあります。例えば、日常生活におけるさまざまな怪我に備える「傷害保険」。通常は地震や噴火、津波で怪我をしても保険金は支払われませんが、地震特約を付けることで全額保険金を受け取ることができるのです。
死亡リスクだけではありません。地震の際、屋外はもちろん、屋内にいる場合でも家具や落下物で怪我をする場合があります。そのような場合には、この「傷害保険」が役立ちます。保険料は比較的安く、家族全員を保障するタイプもあります。以下は、家族型のプランで、地震特約がある場合とない場合の料金を比較してみました。月に1000円前後の負担で、家族全員に地震特約をつけることができます。
家族型傷害保険のプランと保険料例
| 補償内容 | A社 | B社 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 地震特約あり | 地震特約なし | 地震特約あり | 地震特約なし | ||
| 死亡保険金 | 本人 | 1,000万円 | 1,000万円 | ||
| 配偶者 | 800万円 | 800万円 | |||
| 家族 | 300万円 | 300万円 | |||
| 入院保険金 (1日あたり) |
本人 | 5,000円 | 5,000円 | ||
| 配偶者 | 4,000円 | 4,000円 | |||
| 家族 | 2,000円 | 2,000円 | |||
| 手術保険金 (1回あたり・手術の 種類に応じて) |
本人 | 5万円・10万円・20万円 | − | ||
| 配偶者 | 4万円・8万円・16万円 | − | |||
| 家族 | 2万円・4万円・8万円 | − | |||
| 通院保険金 (1日あたり) |
本人 | 2,500円 | 2,500円 | ||
| 配偶者 | 2,000円 | 2,000円 | |||
| 家族 | 1,000円 | 1,000円 | |||
| 個人賠償責任特約 | 2,000万円限度 | 2,000万円限度 | |||
| 保険料(月額)※1 | 6,120円 | 4,880円 | 5,510円 | 4,880円 | |
- ※1 職種級別A級・・・事務員、医師、弁護士、販売従事者、美容師、自動車整備工、警備員などの職種の場合
子どもを対象にした傷害保険では、地震特約付きで年額1万円程度ものもあります。家族が多い方は家族型、独身の場合や家族の一部だけ加入したいなら個人型、子どもの怪我が心配な方はこども型、とケースごとに使い分けることでうまく活用できそうです。
保険を見直して災害に備えよう
また、就業不能になった場合に備えるには、損害保険の「所得補償保険」があります。こちらも、地震特約を付けておくことで、地震や津波による病気や怪我が原因でも、保険金を受け取ることができます。ただし、あくまでも病気や怪我が原因で就業不能状態になった場合に備える保険ですので、勤務先が被災しているから働けないという場合は支払対象とはなりませんので注意が必要です。
このように、特約の有無で、地震や津波の際の補償の有無が変わります。すべてのリスクに対して保険で備えるというのは現実的でないかもしれませんが、コスト面、リスク許容度と照らし合わせて、保険を見直し、災害に備えるのもよいでしょう。



