土砂災害は年間およそ1000件も!
2016年4月、熊本地震によって引き起こされた土砂災害では、発生件数は190件、死者14名(2016年8月1日時点)という甚大な被害がもたらされました。日本では、過去10年の平均をみると、年間約1,000件もの土砂災害が発生しています。その発生地域は全国に分布しており、決して他人事ではありません。
最近10年の土砂災害発生件数

大雨が原因の土砂災害は水災として火災保険でカバーされる
土砂災害に見舞われてしまったときに備える方法として、保険に加入することが考えられます。
住まいを守る火災保険は、火事のほか、落雷やガス爆発などの破裂・爆発、竜巻などの風災、雹(ひょう)災、雪災、水災、自動車の飛込みなどの衝突・飛来・落下、水漏れ、デモなど騒じょうによる暴行・破壊、盗難といったさまざまなリスクに対応することが可能です。
土砂災害は、大雨によって引き起こされるケースが多く、水災として火災保険の対象になります。
ただし、補償するリスクを限定することで保険料を抑えた契約内容の場合もあるので、まずは水災が補償の対象に含まれているかを確認しましょう。
さらに、損害保険会社ごと、契約ごとに、水災の補償内容に違いがあります。被害の大きさが一定の割合を超えないと保険金が支払われなかったり、一部自己負担となる場合がありますので、その点についても把握しておくとより安心です。
なお、地震や火山の噴火によって引き起こされた土砂災害で被害を被った場合は、火災保険の対象にはなりませんが、地震保険の対象になります。 地震保険は、政府と損害保険会社が共同で運営する地震や噴火に備えるための保険で、火災保険とセットで加入する必要があります。
土砂災害に対する補償を考える際のポイント
補償が必要なのは、がけ下や渓流沿いなど、見るからに土砂災害に見舞われる可能性が高いと思われる場合だけではありません。 土砂災害の危険性のある地域は、土砂災害防止法によって「土砂災害危険個所」や「土砂災害警戒区域」に指定され、国土交通省のホームページで公表されていますから、自宅や勤務先など身近な場所がこうした地域に指定されているかどうか確認しましょう。
ただし、危険のある地域に指定されていない場所でも、土砂災害の可能性が全く無いわけではないことも考慮して保険で備えることを検討しましょう。
以上のように、土砂災害はその原因を補償する契約内容の保険に加入すればカバーされることになりますが、原因が特定できない場合などに火災保険や地震保険に加入していても保険金を受け取れない可能性もゼロではありません。
生活に潜むさまざまなリスクに備えるには、日ごろから保険と貯蓄の両方を準備しておく必要があります。