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「日帰り入院」と「通院」の違いは、どのように判断すればよいのでしょうか? 医療保険では入院か通院かで保障内容が異なってきます。2つの違いをしっかり確認しておきましょう。
2019年7月25日掲載
以下、記事の詳細
保険会社が日帰り入院かどうかを判断する基準は、一般的に、次の2つの条件がともにあてはまる場合だとされています。
入院に関する支払いがあるかどうかは、支払いのときに医療機関が発行する領収書の「入院料等」の欄に診療報酬の点数などの記載があるかどうかで判断することができます。
保険診療(公的医療保険制度により定められている診療)における医療費は、すべての医療行為ごとに定められている診療報酬点数表にもとづいて計算されます。
入院施設のある医療機関で、医師が入院の必要性を認め、病室に入院させて医療行為を行った場合に、医療機関は入院基本料等の診療報酬を算定することができ、患者が受け取る領収書の「入院料等」の欄には点数などが記載されます。
なお、患者を入院させる施設がある医療機関は、病院(20人以上の入院設備を備える施設)と一部の診療所(クリニック、医院など)です。これらの医療機関でも、単なる覚醒や休養などの目的では、入院基本料等の診療報酬の算定対象になりません。また、入院施設のない診療所における外来用ベッドでの治療、覚醒、休養なども対象外で、医療保険の保障対象となる入院とは認められません。
医療保険の給付金を請求するにあたって、入院があったかどうかを判断する最もわかりやすい方法は、領収書の「入院料等」の欄に診療報酬の点数などの記載があるかどうかです。または、医療機関に直接問い合わせると確実です。
入院がなかった場合は、通院(外来や往診)で検査や治療を行ったことになります。
なお、医療保険に通院保障がついている場合は、入院前後の通院や、入院を伴わなくてもがんの治療目的など特定の通院に対するものが多くを占めており、一般的な通院のみの保障はほとんどありません。
日帰り手術には、外来での手術と入院を伴う手術があります。入院の有無は、「入院料等」の支払いがあるかどうかで判断されます。医師が入院は不要として入院での治療をしていない場合や、手術後の病室等での覚醒や休養などの場合は、「入院料等」の支払いはなく入院とは認められません。
現在販売されている医療保険では、入院を伴う手術を受けたときと、入院を伴わない外来手術を受けたときで保障内容が変わってきます。医療保険の手術保障には、主に以下のタイプがあります。
近年では、進歩した医療技術を活用したり、疾患の種類や患者の症状等に応じたりして、日帰り手術が行われる例が増えてきています。
日帰り手術の例
など |
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入院が短期化していることもあり、現在販売されている医療保険は日帰り入院から保障されるものがほとんどです。
しかし、一部の医療保険には、入院給付金が支払われない免責期間が設けられているものがあります。
たとえば「継続して2日以上(1泊2日以上)入院したとき、1日目から支払い対象」や「継続して5日以上入院したとき、1日目から支払い対象」、「継続して5日以上入院したとき、入院5日目から支払い対象」などがあり、このような医療保険の場合、日帰り入院は保障されません。
したがって、現在自分が加入している医療保険の入院給付金に免責期間が設けられているかどうか、入院何日目から保障されるかなどを、あらかじめ確認しておいたほうがいいでしょう。
また、手術給付金についても、入院の有無によって給付の有無や給付額が変わるのかを事前に確認しておいたほうがいいでしょう。
手術をしたときには、まず手術の種類を医療機関に確認し、その手術が保障の対象になるかどうかを保険会社に確認したうえで、必要書類を保険会社から取り寄せ、手続きをする必要があります。
入院中に行った手術が、保険会社が保障の対象にしている手術の場合は、日帰り入院・手術で、入院給付金と手術給付金の両方を受け取ることができます。
なお、入院給付金や手術給付金を保険会社に請求するには、保険会社から請求書類を取り寄せ、医療機関に申し込んで、保険会社所定の入院・手術等の証明書(診断書)に必要事項を記載してもらわなければなりません。証明書(診断書)作成料として、医療機関には数千円程度の額を支払う必要があります。そのため、日帰り入院や外来手術で給付金を請求するときには、受け取る給付金の額と支払う書類作成料をあらかじめ確認しておいたほうがいいでしょう。
また、一定の要件を満たせば、医療費の領収書のコピーなどの提出によって証明書・診断書の提出を省略できる場合があるので、事前に保険会社に確認してから、医療機関に証明書(診断書)の作成を依頼するとよいでしょう。
医療保険の保障内容をしっかりと把握していなければ、万が一、病気やケガで入院・手術をしたときに、期待した給付金や保険金を受け取れない事態が起こるかもしれません。まずは、自分や家族が加入している医療保険の保障内容や、それぞれの給付金や保険金の具体的な給付条件を確認しておくことが大切です。そして、入院・手術をしたときには、医療機関や保険会社のコールサービスなどに詳細を確認して、給付金や保険金をスムーズに受け取りたいものです。
しかし、現在加入している保険に日帰り入院や外来手術の保障が付いていないという理由で、最新の保険に切り替えをしようとすると、契約年齢が上がって保険料の負担が重くなる可能性があります。医療保険の見直しをする場合は、総合的に検討することが重要です。
中村 宏(なかむら ひろし)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
CFP(R)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/FPオフィス ワーク・ワークス代表
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