いぬとねこの保険

1.補償範囲と補償割合

日本ペット少額短期保険の「いぬとねこの保険」のネクストプランとライトプランは、手術・入院・通院のすべてが補償範囲に含まれます。ペット保険の商品によっては通院が補償されない場合がありますが、これらのプランは通院治療も補償対象に含まれています。

また、「いぬとねこの保険」では、補償割合を50％補償（ネクストプラン50％、ライトプラン50％）、70％補償（ネクストプラン70％、ライトプラン70％、ミニプラン70％）、90％補償（ネクストプラン90％）の3つのタイプから選ぶことができます。価格.com保険におけるペット保険加入者全体傾向としては、多くの方が70％補償を選んでいますが、自己負担額を少なくしたい方は90％補償、保険料の安さを重視したい方は50％補償を選ぶとよいでしょう。

また、「いぬとねこの保険」には、高額になりやすい手術に特化した手術のみを補償するミニプラン70％が用意されています。補償を限定したプランなので保険料が安く、ちょっとした補償がほしい方に最適です。
ネクストプラン70％とネクストプラン50％、ミニプラン70％の詳細は保険会社サイトでご確認ください。

解説

補償割合による自己負担額の違い(※1)

※1. 免責金額が無い場合の金額例です。 ※2. 価格.com保険におけるペット保険加入者の傾向として、6割弱の方が補償割合70％のプランを選んでいます。詳細は申込者のデータ申込者のデータをご参照ください。

保険コンサルタントのチェックポイント

補償と保険料のバランスが良いのは70％
自己負担額を抑えたいなら90％、保険料を抑えたいなら50％を選択

川手謙

株式会社カカクコム・インシュアランス／保険コンサルタント

2.免責金額

ペット保険では、免責金額が設定されている商品と、設定されていない商品があります。免責金額とは、治療の際に補償対象となる費用が発生した際に、加入者が自分で負担しなければならない金額のことです。
「いぬとねこの保険」の大きな特徴は、この免責金額を設定するかどうかを選べることです。具体的には、以下のように選ぶことができます。

上記のように「いぬとねこの保険」では、加入者自身が免責金額の有無を決めることができます。なお、免責額適用特約をセットした場合では、補償対象となる診療費が2500円／1回を超えない場合は保険金が支払われず、全額自己負担となるので注意が必要です。

それでは、実際に免責金額の有無によって受け取れる保険金がどの程度異なるのか見ていきましょう。
たとえば、ミニチュア・ダックスフンドが腸閉塞にかかり、手術1回・入院5日の治療に17万4500円かかったとします(※3)。「いぬとねこの保険」のライトプラン70％に加入している場合（※免責金額なし）であれば、17万4500円の70％にあたる12万2150円を保険金として受け取ることができます。

また、上記と同じ条件で「免責額適用特約」をセットした場合（※免責金額あり）を想定してみましょう。
このときは、治療にかかった17万4500円から免責金額の1万2500円（手術1回、入院4泊5日の4回、計5回×2500円）を引いた16万2000円の70％にあたる11万3400円を保険金として受け取ることができます。

このように同じ条件の治療であっても、免責金額の有無によって、受け取れる保険金に8750円の差が生じます。
治療時に自己負担する金額の少なさと、保険料の安さのどちらを優先したいかを比較検討したうえで、加入する保険を決めるようにしましょう。
なお、「免責額適用特約」は保険会社サイトでセットすることができます。

解説

免責金額ありなしの違い

例 治療費174,500円(※3)・補償割合70%の場合

保険コンサルタントのチェックポイント

免責金額を設定しない場合は自己負担が少なく、
気軽に治療を受けられるのがメリットです。
保険料を抑えたい方は免責金額を設定しましょう。

川手謙

株式会社カカクコム・インシュアランス／保険コンサルタント

※3. 治療費について
・2015年〜2018年に診療を開始し、アニコム損害保険株式会社へ請求があったものから算出。
・診療費のデータは一例であり、一般的な平均・水準を示すものではありません。
・お支払いされる保険金は、支払限度額・支払限度日数（回数）等の補償範囲までとなります。

※4. こちらは、治療費のすべてが保険の対象であった場合の保険金支払い例です。実際の診療内容・治療費等は、動物病院によって異なります。

3.補償限度額、限度日数・回数

ペット保険の商品は、支払回数や限度日数に関して、通院・入院・手術の各項目に対して上限が設定されている商品と、支払回数や限度日数に上限が設定されていない商品との2種類に分けられます。

日本ペット少額短期保険の「いぬとねこの保険」ネクストプランは、各補償の支払回数と限度日数が、年間補償限度額まで無制限に請求できるように設定されています。一般的に、ペット保険の商品では限度日数が設定されている場合が多いので、限度日数に制限がないのは大きなメリットといえます。
診療回数を気にせずに、年間補償限度額まで何度でも補償を受けたい方は「いぬとねこの保険」のネクストプランを選ぶとよいでしょう。

一方で、「いぬとねこの保険」のライトプランは、各補償に対して支払回数制限や、限度日数が設定されています。その分、ネクストプランと比べて保険料が安くなっていますが、設定されている支払回数や限度日数の上限を超えた分の治療費は、自己負担となることを理解しておきましょう。
とくに、通院と入院はそれぞれ年間20日までと限度日数が設定されているため、通院回数が多くなる病気や長い期間の入院に備えたい方は注意が必要です。

ただし、「いぬとねこの保険」はすべての補償において年間補償限度額や限度日数、または限度回数に達した場合、保険契約は失効し、次年度以降の継続もできなくなります。長い期間の入院や手術で費用が多くかかったなどの場合は、保険金請求額によっては保険契約が失効してしまうため、注意が必要です。

なお、「いぬとねこの保険」の年間補償限度額は、ネクストプラン50％の場合は年間最大50万円まで、ネクストプラン70％の場合は年間最大70万円まで、ネクストプラン90％の場合は年間最大90万円までに設定されています。
また、ライトプランの場合は50％も70％も年間最大80万円まで、ミニプラン70％の場合は年間最大30万円までに設定されています。

チェック

補償限度額、限度日数・回数

補償	限度額	限度日数・回数
通院	ネクストプランの場合： 無制限（年間限度補償額の20％まで） ライトプランの場合： 10,000円/1日 ※ミニプランの場合は通院補償なし	ネクストプランの場合： 無制限（年間限度補償額の20％まで） ライトプランの場合： 20日/1年間 ※ミニプランの場合は通院補償なし
入院	ネクストプランの場合： 無制限（年間限度補償額の60％まで） ライトプランの場合： 20,000円/1日 ※ミニプランの場合は入院補償なし	ネクストプランの場合： 無制限（年間限度補償額の60％まで） ライトプランの場合： 20日/1年間 ※ミニプランの場合は入院補償なし
手術	ネクストプランの場合： 無制限（年間限度補償額の20％まで） ライトプランの場合： 10万円/1回 ミニプランの場合： 無制限（年間限度補償額まで）	ネクストプランの場合： 無制限（年間限度補償額の20％まで） ライトプランの場合： 2回/1年間 ミニプランの場合： 2回/1年間

年間補償限度額※

「ネクストプラン50％」の場合： 50万円

「ネクストプラン70％」の場合： 70万円

「ネクストプラン90％」の場合： 90万円

「ライトプラン50％」「ライトプラン70％」の場合： 80万円

「ミニプラン70％」の場合： 30万円

※各補償の支払限度額が限度日数(回数)まで支払われた場合の上限額

保険コンサルタントのチェックポイント

ネクストプランは、各補償の支払回数や限度日数が、年間補償限度額まで無制限に設定されています。保険料とのバランスを考えてプランを選択しましょう。

川手謙

株式会社カカクコム・インシュアランス／保険コンサルタント

※5. 平均年間診療回数について
出典：アニコム家庭どうぶつ白書2019

4.保険料

一般的にペット保険では、保険料は一定ではなく、更新時にペットの年齢に応じて変動する場合が多いです。

日本ペット少額短期保険の「いぬとねこの保険」の保険料は、年齢ごとに設定されておりますが、0歳から4歳のときは同じ保険料となっていることが特長です。5歳以降、14歳までは毎年保険料が上がりますが、14歳以降は保険料が値上がりしない設定になっています。

たとえば、「いぬとねこの保険」では、トイ・プードル（0歳）がライトプラン70％に加入した場合、加入時の月払い保険料は2010円（年払い：2万2300円）となります。ただし、保険料はほぼ毎年更新となるため、10歳まで継続した場合の支払保険料総額は34万2240円となります（※年払いの場合）。

したがって、加入時はひと月あたり約1800円で補償を受けることができますが、10歳まで加入する場合、平均ひと月あたり約2500円支払う計算になります（※6）。

このように、加入時の保険料と長期的に加入した場合の平均保険料に700円程度の差が生じる場合もあるため、保険商品を選ぶ際にはペットの平均寿命を考慮するようにしましょう。

※6. 年払い保険料の場合で計算しています。また、100円未満は切り上げています。

チェック

保険料の上がり方、支払保険料総額※トイプードル・ライトプラン70％の場合

保険料（月払い）

0歳 2,010円

5歳 2,390円

10歳 4,700円

支払保険料総額（年払い）※0〜10歳まで継続した場合

342,240円

保険コンサルタントのチェックポイント

年齢ごとに保険料が設定されておりますが、0〜4歳は同じ保険料なのが特長です。また、14歳以降は年齢による保険料の引き上げはありません。

川手謙

株式会社カカクコム・インシュアランス／保険コンサルタント

また、「いぬとねこの保険」にはインターネット割引があることも特徴のひとつです。インターネットで契約した場合、保険料が10％割引となります。

また、こちらの商品には保険利用実績による割引（無事故割引）があることも特徴です。 前年度に保険金の支払いがなかった場合は、保険料が10％割引となります。 日頃からペットの体調管理に注意を払い、病気・ケガで通院することがほとんど無い方であれば、翌年度の保険料が安くなる可能性があるのでおすすめです。

さらに、多頭割引もあり、複数のペットを契約すると2頭目以降のそれぞれの契約に対して保険料が割引されます。 割引額は、1契約につき900円割引となるため、多頭飼いをしている方におすすめです。

5.保険金請求方法

「いぬとねこの保険」では、立替請求をすることで保険金の請求が可能です。
立替請求とは、動物病院の窓口で治療費をいったん全額支払い、その後保険会社へ保険金請求を行うことで、保険金を受け取る方法です。なお、立替請求ではすべての動物病院での治療が保険金の請求対象となります。

また、保険金請求後、30日以内を目途に保険会社より保険金が支払われます。

解説

立替請求の手順

6.補償対象外となる病気・ケガ

ペット保険には、一部補償の対象とならない病気やケガがあります。品種や年齢によってかかりやすい病気やケガも補償の対象とならない場合があるため、ご自身のペットが該当する場合はしっかりと確認しておきましょう。

「いぬとねこの保険」ではプランによって補償される病気・ケガが異なります。
ネクストプランは、以下の病気・ケガはすべて補償の対象となっています。
ライトプランとミニプランは、以下の病気・ケガのうち膝蓋骨脱臼（パテラ）は補償の対象外になるため、注意が必要です。また、歯周病などの歯科疾病は補償の対象ですが、歯牙に関する処置（抜歯など）や歯石取りは対象外です。

また、病気やケガにあたらない場合は、どの商品も補償の対象にはなりません。一般的に、ワクチン接種や予防的な措置などは補償の対象として見なされないので注意しましょう。

例）病気やケガにあたらない費用
・健康診断など予防的な措置
・去勢・避妊手術や狂犬病を含む各種ワクチン接種
・健康維持のためのサプリメントやビタミン剤など