バイクの自賠責保険の賠償範囲とは？
万一人身事故を起こした場合に、加害者の経済力に関わらず被害者を救済する目的で、自賠責保険・共済（以下、自賠責）の加入は法律で義務づけられています。そのため強制保険とも呼ばれ、バイクや原付の所有者だけでなく、借りて運転していた人が起こした事故も補償の対象。被害者1名ごとに限度額が設定され、傷害の場合は120万円／人、後遺傷害の場合は4000万円／人、死亡の場合は3000万円／人以内で支払われます（表参照）。
自賠責保険・共済による損害の範囲別の保険金額
| 損害の範囲 | 保険金額（被害者1名あたり） | |
|---|---|---|
| 傷害による損害 | 治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料 | 最高120万円 |
| 後遺障害による損害 | 逸失利益、慰謝料等 |
●神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して介護が必要な場合 ・常時介護のとき：最高4,000万円 ・随時介護のとき：最高3,000万円 |
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●後遺障害の程度により ・第1級：最高3,000万円 〜 ・第14級：最高75万円 |
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| 死亡による損害 | 葬儀費、逸失利益、慰謝料（本人及び遺族） | 最高3,000万円 |
| 死亡に至るまでの傷害による損害 | （傷害による損害の場合と同じ） | 最高120万円 |
- 出典：｢政府広報オンライン｣
- ※100％被害者の過失により発生した事故（無責事故）の場合は、相手車両の自賠責保険金（共済金）の支払対象外
ここで言う「加害者」とはケガなどのない人のことを言い、「被害者」とはケガなどで被害を受けた人のこと。双方がケガを負えば、お互いが被害者になります。 ただし、補償の範囲は対人賠償のみ。車両や建物など物損は対象になりません。対物や、対人でも限度額を超える賠償責任に備えるためには、補償対象や補償額を自分で選んで任意に加入するバイク保険（任意保険）に加入する必要があります。 自賠責保険の補償額や補償対象の考え方は、バイクでも自動車でも違いはありません。
未加入の場合はどうなる？
自賠責に加入せずに事故を起こした場合、賠償金は全て自分で負担しなければなりません。仮に、人身事故を起こして5000万円の賠償責任が発生した場合、自賠責も任意保険も未加入なら全額5000万円を自己負担する必要があります。また、任意保険に対人無制限で加入していても、うっかり自賠責が切れていたら、自賠責から支払われるはずの3000万円は自分で負担しなければなりません（限度額を超えた2000万円は任意保険から支払われます）。
また、事故を起こさなくても、未加入で運転すると1年以下の懲役または罰金50万円の上、違反点数6点で、すぐに免許停止処分です。くれぐれも無保険期間がないように注意しましょう。
車検期間と合わせて保険を更新
自賠責の保険料は、車種や排気量、保険期間などによって異なりますが、どの保険会社で加入しても同じです。排気量250cc超のバイクでは2年に1度の車検が義務付けられていますから、車検の時期に合わせて保険も手続きすれば忘れないでしょう（自賠責に未加入では車検は通りません）。250cc以下のバイクや原付の場合、車検の必要がないため継続の手続きを忘れがちです。自賠責に加入・継続すると、保険の満期年月が記されたステッカーを受取りますから、それをナンバープレートなど指定された場所に貼り、チェックしましょう。
保険期間が終わる間際で時間がない時など、インターネットで手続きすれば、クレジットカード払いで24時間いつでも契約することができます。
