バイクを手放すときや買い替えるとき、保険はどうすればいいの?
バイクを手放すときや買い替えるとき、いろいろと手続きが必要ですが、保険はどうすればいいでしょうか?
「もうバイクは乗らない」「手放そう!」と決意したとき、自賠責保険と任意のバイク保険の両方で解約手続きが必要になります。
自賠責保険の解約手続きの流れ
バイクの販売店や保険の代理店ではなく、契約している保険会社(組合)の窓口で手続きを行います。どこの保険会社で契約しているかわからないときは、自賠責保険の証明書を見るか、購入したバイクの販売店などに確認してみましょう。
一般的な必要書類は以下のとおりです。
自賠責保険の解約手続き必要書類 | 補足 |
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シヤチハタなどスタンプ式のものは認められないことが多い。100円ショップなどで売っている認め印はOK |
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本人の口座。返戻金がある場合に必要 |
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「運転免許証」「マイナンバーカード」「印鑑登録してある実印と印鑑証明書」などがあるが、写真付きの身分証明書が便利 |
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ナンバープレートに貼ってあるステッカー |
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郵送でも手続きできますので、近くに窓口がなかったり、営業時間内に行けそうになかったりする場合は相談してみましょう。ただし、解約日は廃車日ではなく、保険会社に書類が到着した日になるので、廃車をしたらすぐに解約の手続きをするようにしましょう。
解約における注意点
自賠責保険は強制保険という性質上、廃車や解体をしたと証明する書類がなければ解約できません。
任意保険の解約手続きの流れ
自賠責保険とは異なり、任意保険は代理店でも解約の手続きができます。保険会社の窓口で自賠責保険と任意保険を手続きできれば1回ですみますが、自賠責保険と任意保険を別の保険会社で加入していることもあります。任意保険は先日付でも手続きができるので、廃車する日を伝え、解約したいと伝えましょう。
一般的な解約時の書類は以下のとおりです。
任意保険の解約手続き必要書類 | 補足 |
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シヤチハタなどスタンプ式のものは認められないことが多い。100円ショップなどで売っている認め印はOK。印鑑はいらない場合もある |
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本人の口座。返戻金がある場合に必要 |
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「運転免許証」「マイナンバーカード」「印鑑登録してある実印と印鑑証明書」などがあるが、写真付きの身分証明書が便利 |
解約における注意点
「この先乗ることがないので解約する」ということであれば問題ありませんが、「買い替え予定がある」とか「しばらくは乗らないつもりだが、また乗りたくなるかも?」と少しでも思っているようなら、解約をせず「中断する」という方法もあります。
バイク保険を解約したら、保険料は戻ってくるの?
自賠責保険の場合
自賠責保険は保険開始前に解約をしたとしても全額は戻りませんし、補償が開始してすぐに解約したとしても半分程度しか戻らないと思っておいたほうがいいでしょう。解約返戻金の目安は以下のとおりです。
本州、北海道本島、四国本島、九州本島の場合
単位:円
対象契約 | 24か月契約の 保険料(参考) |
保険始期前解約 | 18か月前 | 12か月前 | 6か月前 | 1か月前 | 1か月未満 |
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検査対象外軽自動車※ | 9,770 | 4,520 | 3,370 | 2,230 | 1,120 | 190 | 0 |
原動機付自転車(原付) | 8,850 | 3,600 | 2,690 | 1,780 | 890 | 150 | 0 |
- ※検査対象外軽自動車:125cc超、250cc以下のバイクなど
- 損保ジャパンホームページより抜粋
保険料や解約返戻金はどこの保険会社でも同じですが、住んでいる地域や加入した年月日、契約期間、排気量によって異なります。
任意保険の場合
任意保険を解約した場合に戻ってくる保険料は、一般的に年払いの場合は「短期率」、月払いの場合は「月割」の係数を使って計算されます。
保険料を年間4万円として、途中解約するまでの払込保険料総額を表にしてみました。月払いの場合は年払いより5%高くなるため、年間保険料に差があります。
途中解約した場合の保険料総額
年間保険料 | 7日まで | 15日まで | 1か月まで | 2か月まで | 3か月まで | 4か月まで | 5か月まで | |
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年払い | 40,000 | 4,000 | 6,000 | 10,000 | 14,000 | 18,000 | 22,000 | 26,000 |
月払い | 42,000 | 3,500 | 3,500 | 3,500 | 7,000 | 10,500 | 14,000 | 17,500 |
年間保険料 | 6か月まで | 7か月まで | 8か月まで | 9か月まで | 10か月まで | 11か月まで | 12か月まで | |
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年払い | 40,000 | 28,000 | 30,000 | 32,000 | 34,000 | 36,000 | 38,000 | 40,000 |
月払い | 42,000 | 21,000 | 24,500 | 28,000 | 31,500 | 35,000 | 38,500 | 42,000 |
月払いの場合、利用分を支払う仕組みのため基本的に返戻金はなく、当月分を翌月払うなど引き落としのタイミングによっては、解約月の保険料の支払いが解約翌月に発生することも。ただし、契約月に2か月分保険料を払う会社の場合、初月で解約したら翌月分は戻してもらえます。
また、分割払いの場合は、支払う回数、銀行やクレジットカード会社が保険料を引き落とすタイミングなどによって異なります。
バイク保険を解約したら、今までの割引はなくなる?
契約の中断について
「もう乗らないつもりだけど、いつかまた乗りたくなるかも?」という気持ちが少しでもあれば、任意保険は「中断」して、中断証明書をもらっておきましょう。保険を中断しておけば任意保険を解約しても割引等級を維持できます。割引等級が7等級以上でなければ利用することはできませんが、10年間は契約を中断しておくことができます。
海外赴任がきまったときも中断することができますし、妊娠してバイクに乗れなくなったときも3年から10年「中断」をしてくれる保険会社が出てきています。
単純に解約をしてしまうと、次に保険に入るときは割引なしのスタートになりますが、「中断」していたものを「再開」すれば、中断していた等級から保険を始めることができます。割引等級は事故を起こさない状態で1年に1等級ずつしか割引が進まないので、少しでも可能性があれば、手続きをしておきましょう。
では、契約を再開したい場合は、どうすればいいのでしょうか。
中断証明書があれば、同じ保険会社で手続きをしてもいいですし、別の保険会社で手続きすることもできます。また、配偶者や同居の親族がその割引等級を引き継ぐこともできますので、子供に引き継がせようと思ったら、同居しているうちに引き継いでしまいましょう。
バイクを買い替えるとき、保険はどうすればいいの?
自賠責保険の場合
125t超の自動二輪車から同じ125cc超の自動二輪車への買い替えや、原動機付自転車から同じく原動機付自転車への買い替えのように、同一車種であれば変更できます。しかし今まで乗っていたバイクの廃車手続きが条件です。バイクを売却しただけ、譲っただけでは変更できないので注意が必要です。買い取り業者などに売る場合は、自賠責保険の補償が残ったまま売却するのが一般的でしょう。
バイクショップなどで中古のバイクを売買する場合、名義変更などの手続きはショップでやってくれると思いますが、友人間など個人での売買の場合、自分たちで名義変更の手続きをする必要があります。自賠責保険は車体に対して保険がついているという考え方なので、事故が起きたときに保険金が出ないわけではありませんが、自賠責保険の満期通知が自分のところに届いてしまったり、譲り渡した人が無保険になったりする可能性が高くなるので、必ず名義変更の手続きはしておきましょう。変更の手続きは譲り渡す人、譲り受け取る人どちらでも手続きすることができます。
任意保険の場合
保険会社または契約を取り扱っている代理店に連絡して買い替えたことを伝え、新しいバイクの情報に登録し直してもらいましょう。ただしこちらも同一車種であることが条件です。原付から125cc超の二輪車に乗り換えなどの場合は新規で入り直す必要があります。もちろん、車にも乗り換えはできません。
バイクを買い替えるタイミングで、保険料の安い保険会社に切り替えたい場合はどうしたらいいのでしょうか? 買い替えにお金がかかったから保険料は安くしたいなど、買い替えるタイミングで保険会社を変えたいときは注意する点があります。
バイク保険の契約期間中に切り替える方法
割引が一番進んだ20等級の場合、満期のときでも、途中で解約して入り直しても契約日がずれるだけですが、20等級になる前の割引等級を持っているなら、タイミングをみることが必要です。
例えば、17等級の契約を持っている人が、満期の8月を待たずに12月に保険を加入し直した場合は12月が保険の更新日になります。
事故がなく満期を迎えれば翌年の8月に18等級となり割引が進んだはずなのに、12月に中途更改してしまうと更新日がずれ翌年12月まで17等級のままとなり、結果的に割引が遅れることとなります。次の更新まであと少しなら、満期を待ってから保険会社を変えるようにしたほうがよいでしょう。
もし、バイクを買い替えるまでの間、時間が空いてしまう場合は、きちんと中断の手続きをして、割引を引き継げるように手続きをしましょう。
まとめ
バイクを手放すときや買い替えるときは、バイク保険の契約を中断するのか解約するのか、タイミングや状況を見極めて有利な手続きをしましょう。