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度重なる地震をきっかけに地震保険について関心が高まっているなか、2019年1月に地震保険が改定されます。そこで、改定の内容や新保険料などについてご紹介します。
2018年12月12日掲載
改定後の保険料は全国平均だと3.8%の値上げ
まとめ払いに影響する「長期係数」も値上げされる
地震保険料の割引確認資料が拡大されて割引が受けやすくなる
地震保険の改定前後に見直しをする場合の注意点
以下、記事の詳細
今回の改定は3回あるうちの、2回目の改定になります。全国平均で見ると地震保険料は3.8%の値上げになります。これでも耐震性の高い住宅が増えてきたことで、前回見込んでいたよりは全国平均での引き上げ率は縮小しているようです。しかし、平均はあくまでも平均。地震保険は住んでいる都道府県によって保険料が異なるので、値上がりしている地域もあれば、値下がりしている地域もあります。各都道府県はどのように変更されたのでしょうか?
都道府県 | イ構造※1 | ロ構造※2 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
保険料 | 改定額 | 改定率 | 保険料 | 改定額 | 改定率 | |||
改定前 | 改定後 | 改定前 | 改定後 | |||||
岩手、秋田、山形、栃木、群馬、富山、石川、福井、長野、滋賀、鳥取、島根、岡山、広島、山口、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島 | 6,800円 | 7,100円 | +300円 | +4.4% | 11,400円 | 11,600円 | +200円 | +1.8% |
北海道、青森、新潟、岐阜、京都、兵庫、奈良 | 8,100円 | 7,800円 | ▲300円 | ▲3.7% | 15,300円 | 13,500円 | ▲1,800円 | ▲11.8% |
福島 | 7,400円 | 8,500円 | +1,100円 | +14.9% | 14,900円 | 17,000円 | +2,100円 | +14.1% |
宮城、山梨、香川、大分、宮崎、沖縄 | 9,500円 | 10,700円 | +1,200円 | +12.6% | 18,400円 | 19,700円 | +1,300円 | +7.1% |
愛媛 | 12,000円 | 12,000円 | 0円 | 0% | 23,800円 | 22,400円 | ▲1,400円 | ▲5.9% |
大阪 | 13,200円 | 12,600円 | ▲600円 | ▲4.5% | 23,800円 | 22,400円 | ▲1,400円 | ▲5.9% |
愛知、三重、和歌山 | 17,100円 | 14,400円 | ▲2,700円 | ▲15.8% | 28,900円 | 24,700円 | ▲4,200円 | ▲14.5% |
茨城 | 13,500円 | 15,500円 | +2,000円 | +14.8% | 27,900円 | 32,000円 | +4,100円 | +14.7% |
埼玉 | 15,600円 | 17,800円 | +2,200円 | +14.1% | 27,900円 | 32,000円 | +4,100円 | +14.7% |
徳島、高知 | 13,500円 | 15,500円 | +2,000円 | +14.8% | 31,900円 | 36,500円 | +4,600円 | +14.4% |
千葉、東京、神奈川、静岡 | 22,500円 | 25,000円 | +2,500円 | +11.1% | 36,300円 | 38,900円 | +2,600円 | +7.2% |
改定前後の表を見てみましょう。まず、イ構造を見てみると、もともと保険料が一番高かった「千葉、東京、神奈川、静岡」が11.1%値上がりして1000万円あたり25,000円になっています。関東圏内で比較して安かった茨城や埼玉も値上がりし、14%超と今回の改定の中でも高い改定率となっています。
つぎに、ロ構造でも保険料として一番高いのは「千葉、東京、神奈川、静岡」で、1000万円あたり38,900円、値上がり率が高いのは茨城、埼玉で14.7%。今回の改定で、保険料を高い順に並べると1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)はナンバー3までの中にすべて入ることになりました。
半面、値下がりしている地域もあります。「愛知、三重、和歌山」や2018年に地震のあった「大阪」や「北海道」も今回の改定では値下がりしています。
値上がりする地域の人はまとめ払いを検討する人もいるでしょう。保険料は月払いより年払い、年払いより複数年払いのほうが保険料はお得になります。地震保険料は最長で5年分まとめ払いができるので、資金に余裕があるなら5年分のまとめ払いが一番得になります。
今回の改定では、そのまとめ払いに影響する「長期係数」も見直しされます。
保険料 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | |
---|---|---|---|---|---|
長期係数 | 改定前 | 1.90 | 2.75 | 3.60 | 4.45 |
改定後 | 1.90 | 2.80 | 3.70 | 4.60 | |
改定率 | 0% | +1.8% | +2.8% | +3.4% |
2年まとめ払いは改定前後で変わりません
地震保険は「建築年割引」、「耐震等級割引」、「免震建築物割引」、「耐震診断割引」と、耐震性の高い住宅に対して保険料を割引しています。いままで、必要書類が整わずに割引を受けられなかった人にも受けやすくなるように、地震保険料を割り引くための確認資料が拡大されました。
割引の種類 | 追加する資料 | 資料の概要 |
---|---|---|
割引共通 | 満期案内書類(写) | 保険契約の満期到来前に、保険会社から契約者あてに発行する資料 |
契約内容確認のお知らせ(写) | 長期の保険契約の場合、保険会社から契約者あてに発行する資料 |
これらの書類から、該当する割引がされているか、証券番号や所在地が異なっていないか確認できることが必要になります。
割引の種類 | 追加する資料 | 資料の概要 |
---|---|---|
建築年割引 | 不動産売買契約書(写) | 不動産売買の際、宅地建物取引業者が発行する資料 |
賃貸住宅契約書(写) | 不動産賃貸借契約の際、宅地建物取引業者が発行する資料 | |
工事完了引渡証明書(写) (建物引渡証明書) |
新築・増築した建物を引渡す際、建築工事施工者が交付する資料 |
建築年割引を受ける場合は、さらに書類が拡大されて、上記のような書類も適用になります。新築年月(竣工年、建築年、完成年などでも可)の記載や、所在地、施工者や宅地建物取引業者の署名などいくつか条件があるので、対象になるか確認してみましょう。
地震保険の改定前に見直しをするにあたって、値上がりをする地域では2018年中にまとめ払いをするのが一番得ですが、火災保険とセットで入らなければならないため、まとまった資金を用意する必要があります。
すでに火災保険に加入していて、地震保険を追加しようと思っている人は、火災保険と同一期間までしか加入できないので、残りの保険期間によって入り方を検討する必要が出てきます。
たとえば、5年以内に火災保険の満期が来る場合は、満期まで地震保険を追加することができます(図ケース@)。
この場合、地震保険の保険料払込方法は、火災保険と同じになります(年払いやまとめ払いなど)。その満期が1〜2年以内など比較的近い場合は、満期までの加入でよいのか(図ケース@)、火災保険を解約して2018年中に入りなおすほうが有利なのか(図ケースA)、検討する必要があります。
@火災保険の契約はそのままで、2018年中に地震保険に加入する場合
A2018年中に火災保険に入りなおし、同時に地震保険に加入する場合
5年以上先に火災保険の満期がある場合は、今年中に始期応当日(たとえば12月1日に補償が開始した場合は毎年12月1日)が来る契約と始期応当日が来ない契約で対応が異なります。
2018年中に始期応当日が来るのであれば、その日づけで地震保険に加入し、まとめ払いすることができます(図ケースB)。
しかし今年の始期応当日を過ぎていて、年中にもう来ない場合、一度1年更新の地震保険に加入し、来年の始期応当日に5年の自動更新に変更する方法になってしまいます(図ケースC)。
B2018年中に始期応当日が来て、年内に地震保険をまとめ払いする場合
C2018年中の始期応当日が過ぎていて年内には来ないので、地震保険を来年まとめ払いする場合
来年になると保険料が値上がりしてしまうので、今年中に地震保険料を5年分まとめ払いしたいと考える場合は、一度火災保険を解約して入りなおす必要があります(図ケースAと同じ)。
今の火災保険もまとめ払いしている人は、加入期間中に火災保険も値上がりしている場合があります。地震保険料は安く入れたとしても、新しい火災保険の保険料が上がってしまっていて、入りなおしのメリットが受けられない可能性もあります。
住んでいる地域の地震保険はいくら値上がりするのか、火災保険は今加入しているものと、入りなおしたものではいくら差が出るのか、解約して入りなおすメリットはあるのか検討し、今年中に契約したい人は急ぎましょう。
来年の値下がりを待っている人も考え方は同じです(図ケースD)。
現在の保険料がいくらで、入りなおすといくらになるのか、比較して検討しましょう。
D来年に満期が来る場合(来年に入りなおす場合)
次の3回目の改定の時期はまだ決まっておらず、保険料もどうなるか未定です。
この3段階にわたる地震保険の値上げは、2011年の東日本大震災の影響を踏まえたものですが、その後、「熊本」や「大阪」、「北海道」など保険料の比較的低い地域で大きな被害をもたらす地震がおきています。
地震保険料のもととなる基準料率は毎年検証を行っていて、実態に合っていなかったり、合理性に乏しかったりすると改定になります。地震が頻発していることを考えると、今後も値上がり傾向は続くと思われます。
2019年1月の地震保険の改定では、保険料が値上がりするところと値下がりするところがあるため、自分の地域がどちらなのか、まず確認しましょう。加入しなおしを考えている人は、今加入している保険も含めて、得になるのか検討することが大切です。
来年から長期係数も値上げされますが、地震保険を割り引くための必要書類は拡大されます。少しでもお得に入れるように、いつのタイミングでまとめ払いをするのがよいのか、情報収集を怠らないようにしましょう。
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