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火災保険は年末調整で所得控除を受けられるの?

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火災保険は年末調整で所得控除を受けられるの?

生命保険や医療保険に加入している場合は、年末調整で所得控除を受けることができますが、火災保険は受けられるのでしょうか?

2022年10月18日更新

このページの要点をまとめると・・・

火災保険のみの加入は、年末調整で所得控除を受けられない

地震保険に加入していたら年末調整で地震保険料控除の対象になる

賃貸住宅に住んでいる人でも、加入している「家財保険」に地震保険が付いていれば地震保険料控除の対象になる

一定の要件を満たす満期返戻金のある長期火災保険は、旧長期損害保険料控除の対象になる

以下、記事の詳細

火災保険は年末調整で所得控除を受けられるの?

火災保険は年末調整で所得控除を受けられるの?図 火災保険は年末調整で所得控除を受けられない

火災や自然災害に備えて火災保険に加入している人は多いでしょう。以前、火災保険は年末調整で所得控除を受けることができました。しかし、2006年(平成18年)の税制改正で損害保険料控除が廃止されたため、2007年(平成19年)1月1日以降、火災保険は所得控除の対象から外れることになりました。

地震保険は年末調整で所得控除を受けられる

地震保険料控除図 損害保険料控除が廃止される一方で創設されたのが、地震保険料控除です。
この控除の対象となるのは、2007年(平成19年)1月1日以降に居住用家屋(建物)と生活用動産(家財)を保険の目的とする地震保険契約です。
地震保険は単独で加入することができないため、火災保険とセットで契約しますが、地震保険料控除の対象となるのは、地震保険料に該当する部分の保険料です。
(関連ページ:地震保険料控除

最近では、建物が夫婦共有名義になっていることも少なくありません。この場合、火災保険や地震保険の契約者は、原則として1人です(なかには契約者を複数にできる保険会社もあります)。
夫婦のうちどちらを契約者にするか迷う場合は、所得が高い人を契約者にするとよいでしょう。なぜなら、日本では、所得税は所得が高いほど税率が高くなる累進課税制度が採用されているため、所得が高い人が保険料を支払って控除が受けられるようにすると、節税につながるからです。

また、賃貸契約でも地震保険料控除を受けられます。賃貸住宅に住んでいる人は、賃貸契約の際に火災保険の加入を求められますが、その内容は「家財保険」と「借家人賠償責任保険」となっています。この補償に加え、地震保険の付いている家財保険に加入していれば地震保険料控除が受けられます。

地震保険契約の保険料控除証明書は次の方法で受け取ります。

●火災保険とセットで地震保険に加入した場合
契約後に送付される保険証券に添付されているため、切り離して使う
●保険期間の途中で地震保険を付帯した場合
中途付帯保険証券(保険会社によって呼び名は異なる)に添付されているかハガキで送付されるかのどちらか
●契約年の翌年以降
保険契約継続証(保険会社によって呼び名は異なる)に添付されているかハガキが送付されるかのどちらか

年末調整で地震保険料控除を受けるには、保険会社から受け取った地震保険料控除証明書と「給与所得者の保険料控除申告書」を一緒に提出しますが、この従来の方法に、2018年(平成30年)の年末調整から新方式が加わりました。

その方法とは、次のとおりです。
まず、保険会社のホームページのいわゆる「お客さまページ」(保険会社などによって名称は異なります)から「電子的控除証明書※1」を発行してもらう手続きをします。
次に、国税庁の「QRコード付証明書等作成システム」を利用して「QRコード付控除証明書※2」を作成します。
そして、作成した「QRコード付控除証明書」を印刷し、「給与所得者の保険料控除申告書」と一緒に勤務先に提出します。

  • 1 「電子的控除証明書」とは、従来の地震保険料控除証明書と同じ内容を記載した電子データ(XMLデータ)の控除証明書のこと
  • 2 「QRコード付控除証明書」とは、「電子的控除証明書」をPDFファイルに変換した控除証明書のこと

さらに、2020年(令和2年)10月からは、保険会社のホームページなどから取得(ダウンロード)した「電子的控除証明書」を、電子データのまま勤務先に提出することが可能になりました。具体的には、電子データを「年調ソフト(年末調整控除申告書作成用ソフトウェア)」にインポートして年末調整の書類を作成し、勤務先にデータで提出します。
利用する年調ソフトは、勤務先の指示にしたがって、決められたソフトで作成します。国税庁からリリースされている年調ソフトを使用するように指示された場合は、下記URLからダウンロードして使用します。

2021年(令和3年)10月からは、マイナンバーカードを所有している人であれば、政府が運営するオンラインサービスのマイナポータルを活用して、年調ソフトに地震保険料控除証明書のデータを自動的に取り込むことができるようになりました。これをマイナポータル連携といいますが、マイナポータル連携に対応している保険会社は、国税庁の「マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧」から確認できます。

マイナポータル連携を利用するためには、事前に下記の準備が必要です。なお、(2)から(4)の登録手続きなどは、翌年以降は不要です。

(1)マイナンバーカードの読み取り機器の準備
マイナンバーカードを読み取るために、ICカードリーダライタまたはマイナンバーカード対応のスマートフォン※3を準備します。

(2)マイナポータルの開設(ICカードリーダライタまたは対応スマートフォンを利用)
マイナポータルにアクセスし利用者登録をします。具体的な開設方法についてはマイナポータルで確認できます。

(3)マイナポータルと民間送達サービスの連携
マイナポータルから「もっとつながる」機能を利用して、民間送達サービス※4のアカウントを開設します。

  • 4 民間送達サービスとは、民間企業が提供しているインターネット上に、自分専用のポストを作り、自分宛てのメッセージやレターを受け取ることができるサービスのこと

(4)民間送達サービスのアカウントの登録
契約している保険会社のホームページから、控除証明書などデータが民間送達サービスに届くように設定します(具体的な方法については、保険会社によって異なります)。

年末調整の手続きを電子化するメリットは、次の2点です。

●申告書への記入や控除額の計算などを省略
年調ソフトに電子データをインポートすることで、年末調整申告書への記入や控除額の計算などを省略することができる
●控除証明書の扱いやすさ
電子データを取得するため、控除証明書の紛失を心配することがなく、保険会社に再発行を依頼する手間も不要となる

なお、勤務先が年末調整の電子化に対応していない場合は、従来どおり書面で申告します。「給与所得者の保険料控除申告書」に必要事項を記入するか、あるいは国税庁からリリースされている年調ソフトを利用して作成したデータをプリントアウトしたうえで、地震保険料控除証明書を添付して提出しましょう。

地震保険料控除の金額は、その年に支払った保険料に応じて計算した金額が控除額となります。所得控除の対象となる保険料は、分割払いの契約の場合、その年の1月1日から12月31日までの保険料を支払ったものとして算出されます。
一時払いの契約の場合、一時払い保険料を保険期間の年数で割って算出されます。

<地震保険料控除の控除額>

区分 所得税 住民税
地震保険料控除 年間控除対象保険料 控除額 年間控除対象保険料 控除額
50,000円以下 支払保険料全額 50,000円以下 支払保険料×1/2
50,000円超 50,000円 50,000円超 25,000円

旧長期損害保険については、特例の所得控除対象になる

損害保険料控除は廃止されましたが、その経過措置として、以下の要件を満たす長期の火災保険契約保険料は、旧長期損害保険料控除の対象になります。

・2006年(平成18年)12月31日までに締結した保険期間が10年以上で満期返戻金があるもの
・2007年(平成19年)1月1日以後にその保険契約等の変更をしていないもの

<旧長期損害保険料控除の控除額>

区分 所得税 住民税
旧長期損害
保険料控除
年間控除対象保険料 控除額 年間控除対象保険料 控除額
10,000円以下 支払保険料全額 5,000円以下 支払保険料全額
10,000円超
20,000円以下
支払保険料×1/2
+5,000円
5,000円超
15,000円以下
支払保険料×1/2
+2,500円
20,000円超 15,000円 15,000円超 10,000円

地震保険料控除と旧長期損害保険料控除の両方が対象になる場合は、それぞれの方法で計算した控除額の合計額となります。ただし、所得税は、合計額が50,000円を超える場合は、50,000円、住民税は、合計額が25,000円を超える場合は25,000円が限度です。また、1つの契約に地震保険料控除と旧長期損害保険料控除の両方の控除が対象となる保険料がある場合は、いずれか一方の保険料のみを保険料控除に使用します。

まとめ
火災保険だけに加入している場合は年末調整で所得控除は受けられませんが、地震保険に加入している場合は地震保険料控除の対象になります。また、旧長期損害保険に該当する保険に加入している場合も控除の対象になるため、自分が加入している保険を確認してみましょう。
執筆者プロフィール
中山 弘恵(なかやま ひろえ)
中山 弘恵(なかやま ひろえ) ファイナンシャル・プランナー(CFP) 国内損害保険会社での代理店支援業務、都市銀行での資産運用アドバイス・住宅ローン審査業務を経て独立。1人でも多くの人が心豊かで幸せな人生を送れるサポート役として、講演活動、執筆業務、個別相談を通して、生活に欠かせないお金についての正しい情報と知識を発信している。
潟vラチナ・コンシェルジュ所属

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