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年末調整の書類の記入方法がわからない人必見!「2022年(令和4年)分 給与所得者の保険料控除申告書」の書き方をご紹介します。
記入するときに参考になる書き方のポイントと記入例をお届けします。
2022年10月18日更新
年末調整とは、1年間に払うべき税金の金額を確定し精算する手続き
申告書に記入する保険料控除は4種類
申告書には、各機関から送付される控除証明書の内容を転記する
年末調整のやり直しは可能。間に合わなければ自分で確定申告
以下、記事の詳細
会社員や公務員の人は、10月から12月までの間に勤務先から年末調整の書類の記入と提出を求められます。
この書類には記入欄がたくさんあっていかにも書くのが難しそうです。
また、年に1度の手続きであることや、ときどき書類の様式が変わることもあり、記入方法がなかなか覚えられません。
ただ、この手続きは自分が1年間に払うべき税金の額を確定させるとても重要なものです。
記入漏れなどがあると、払わなくていい税金を払うことにもなりかねません。正確に記入できるようにしておきたいものです。
「給与所得者の保険料控除申告書」のサンプル
記入する項目は以下の4つに分かれています。
それぞれの記入方法を解説しましょう。
生命保険料控除とは、1年間に支払った保険料のうちの一定額が所得控除になる優遇税制で、生命保険や県民共済、勤務先の団体保険などに加入して保険料を支払っている人が記入します。
加入している生命保険会社などから郵送される「生命保険料控除証明書」(以下、「控除証明書」)の記載内容を「申告書」に転記することになるため、まずは、自分が保険料を支払っている生命保険の「控除証明書」を手元に準備しましょう。2018年(平成30年)分以後、保険会社などから電磁的方法により交付を受けた控除証明書など(「電子的控除証明書」ともいわれます)を一定の方法により印刷した電磁的記録印刷書面(「QRコード付控除証明書等」ともいわれます)による提出も可能となりました。
また、2020年(令和2年)10月分以後は、年末調整が電子化対応されている勤務先の場合、電子的控除証明書をデータのまま提出することもできます。
「控除証明書」が届いていない場合や紛失した場合は、保険会社などに連絡して確認や再発行の手配をしてください。
生命保険料控除には、「一般の生命保険料控除」、「介護医療保険料控除」、「個人年金保険料控除」の3種類がありますが、「控除証明書」を見ると、それぞれの契約がどの種類なのかがわかるので、種類ごとにそれぞれの欄に記入します。
記入方法
ここまでの記入例
計算式I(新保険料等用)や計算式II(旧保険料等用)を見るとわかるとおり、新保険料は80,001円以上の控除額が一律40,000円、旧保険料は100,001円以上の控除額が一律50,000円となっています。
つまり、生命保険料控除には限度額があり、限度額を超える契約を申告書に記載しても控除額は変わりません。
たとえば一般の生命保険料の旧保険料で100,001円以上の契約が1つあれば、それだけで限度額に達するため、ほかの契約があっても申告する必要はありません。介護医療保険料、個人年金保険料も同様です。
保険の種類 | 保険料(申告額) | 控除限度額 |
---|---|---|
一般の生命保険料(新) | 80,001円以上 | 40,000円 |
一般の生命保険料(旧) | 100,001円以上 | 50,000円 |
介護医療保険料 | 80,001円以上 | 40,000円 |
個人年金保険料(新) | 80,001円以上 | 40,000円 |
個人年金保険料(旧) | 100,001円以上 | 50,000円 |
合計 | - | 120,000円 |
なお、「生命保険料控除証明書」は、申告書に添付(または電子的控除証明書の電子データを送信)して勤務先に提出する必要があります。
ただし、勤務先の団体保険などで勤務先が金額などを把握している保険の証明書添付は必要ありません。
地震保険料控除とは、1年間に支払った保険料のうちの一定額が所得控除になる優遇税制です。
火災保険※に地震保険特約をつけて加入し、保険料を払っている人が記入します。
ただし、地震保険料控除の対象となる保険料は、自分や生計を一にする配偶者そのほかの親族が所有し、常時住宅として使用している建物および家財に対するものです。
そのため、他人に賃貸している住宅や別荘などの地震保険料は対象になりません。
なお、2006年(平成18年)12月31日以前の長期損害保険契約などの保険料(旧長期損害保険料)を払っている場合も、地震保険料控除の対象とすることができます。
また、1つの契約で地震保険と長期損害保険のいずれにもあてはまる場合は、いずれか一方のみを選んで控除額を計算します。
まず、損害保険会社から郵送される「地震保険料控除証明書」を手元に準備しましょう。
保険期間が1年契約の保険の場合、契約時に届く保険証券に同封されている場合があります。「控除証明書」が届いていない場合や紛失した場合は、保険会社に連絡して確認や再発行の手配をしてください。こちらも電子的控除証明書で発行されている場合もあります。年末調整手続きが電子化対応されている勤務先の場合は、電子的控除証明書をデータのまま提出することができます。
記入方法
ここまでの記入例
なお、「地震保険料控除証明書」は、申告書に添付(または電子的控除証明書の電子データを送信)して勤務先に提出する必要があります。
ただし、勤務先の団体保険などで勤務先が金額などを把握している保険の証明書添付は必要ありません。
社会保険料控除は、自分や自分と生計を一にする親族の社会保険料で、1年間に自分が支払った額の全額が所得控除になります。(関連ページ:社会保険)
この社会保険料控除には限度額が設けられていません。
自分の健康保険料や介護保険料、厚生年金保険料などで、勤務先によって給与や賞与から差し引かれている以外の社会保険料がある人や、家族の社会保険料を自分が支払っている人が記入します。
たとえば、自分が大学生のときに学生納付特例制度を使って支払っていなかった国民年金保険料を社会人になってから支払った場合や、20歳以上になっている大学生の子どもに代わって国民年金保険料を支払った場合などが該当します。
まずは、保険料を支払った機関から送付された「社会保険料控除証明書」や、保険料の領収証書、保険料納付証明書があれば準備してください。
記入方法
ここまでの記入例
なお、日本年金機構や国民年金基金から届いた「社会保険料控除証明書」は、申告書に添付して勤務先に提出する必要があります。
小規模企業共済等掛金控除は、勤務先からの給与や賞与から差し引かれているもの以外で、独立行政法人中小企業基盤整備機構の共済契約の掛金、確定拠出年金法に規定する企業型年金加入者掛金・個人型年金加入者掛金、心身障害者扶養共済制度に関する契約の掛金を払っている人が記入します。
1月から12月までの1年間に自分が支払う掛金の全額が所得控除になります。
いずれも各機関から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が郵送されてきますので、記入する前に準備をしてください。
記入方法
ここまでの記入例(確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金を支払った場合)
なお、「小規模企業共済等掛金払込証明書」は、申告書に添付して勤務先に提出する必要があります。
年末調整とは、会社員や公務員が、給与や賞与から源泉徴収された所得税を精算する手続きです。
所得税額はその年の1月1日から12月31日までの所得額に基づいて計算されますが、毎月の給与や賞与が支払われるときに、あらかじめ一定のルールに沿って所得税は源泉徴収されています。
年末調整では、生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除や、配偶者、扶養親族の人数の増減など、税額に影響を与える情報を集約し、所得額が確定する年末の最終給与支払時に、確定した税額とあらかじめ源泉徴収した税額の差額を精算します。
「所得控除」とは、課税の公平性を図るため、個人的な事情などに配慮して税金を軽減する仕組みです。年末調整だけですべての所得控除を申告できるのではなく、控除の種類によっては確定申告しなくてはならないものもあります。
【所得控除一覧】
年末調整対応 | 控除の種類 | 所得税の控除額 | 概要など | |
---|---|---|---|---|
○ | 基礎控除 | 〜48万円 | 本人が受けられる控除(所得制限あり) | |
○ | 所得金額調整控除 | 〜15万円 | 控除額={給与などの収入金額(1000万円超の場合は1000万円) − 850万円}×10% 給与などの収入金額が850万円を超え、本人、または親族などが一定条件を満たす特別障害者であるか、または23歳未満の扶養親族を有する場合 |
|
○ | 配偶者控除 | 13万〜48万円 | 配偶者の合計所得金額が48万円以下で、本人の合計所得金額が1000万円以下の場合 | |
○ | 配偶者特別控除 | 1万〜38万円 | 配偶者の合計所得金額が48万円超え133万円以下で、本人の合計所得金額が1000万円以下の場合 | |
○ | 扶養控除 | 一般の扶養控除 | 38万円 | 16歳以上の子どもや69歳未満の親などの扶養親族がいる場合 |
特定扶養控除 | 63万円 | 19歳以上23歳未満の子どもがいる場合 | ||
老人扶養控除(同居) | 58万円 | 同居している70歳以上の扶養老親がいる場合 | ||
老人扶養控除(同居以外) | 48万円 | 同居していない70歳以上の扶養老親がいる場合 | ||
○ | 障害者控除 | 27万円 | 障害者を扶養する場合 | |
40万円 | 特別障害者を扶養する場合 | |||
75万円 | 同居特別障害者を扶養する場合 | |||
○ | 寡婦(寡夫)控除 | 27万円 | 本人が一定条件の寡婦(寡夫)の場合 | |
○ | ひとり親控除 | 35万円 | 本人が一定条件のひとり親である場合 | |
○ | 勤労学生控除 | 27万円 | 本人が勤労学生であるとき(本人のみ) | |
○ | 社会保険料控除 | 支払額全額 | 例:家族の国民年金保険料など | |
○ | 生命保険料控除 | 最高12万円 | 年間支払保険料総額のうちの一定額 | |
○ | 地震保険料控除 | 最高5万円 | 年間支払保険料総額のうちの一定額 | |
○ | 小規模企業共済等掛金控除 | 支払額全額 | 例:個人型確定拠出年金の掛金 | |
× | 医療費控除 | 200万円が限度 | 控除額=実際に支払った医療費の合計額−保険金などで補填(ほてん)された金額−10万円 その年の総所得金額などが200万円未満の人は総所得金額などの5%の金額が控除額 |
|
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例) | 88,000円が限度 | 医療費控除との選択適用(両方の適用は受けられない) 本人または本人と生計を一にする配偶者やそのほかの親族が、特定一般用医薬品など購入費を支払った場合や、一定の健康診査や予防接種などを行った場合、保険金などにより補填される金額をのぞいて、合計12,000円を超える部分の金額 |
||
× | 雑損控除 | 一定額 | 災害、盗難、横領などで損害に遭った場合 | |
× | 寄附金控除 | 一定額 | 所定の寄附をした場合 |
「医療費控除」や「雑損控除」、ふるさと納税を含む「寄付金控除」は、年末調整では対応できないため、税金の還付を受けるには、確定申告をする必要があります。
なお、ふるさと納税だけの場合は、一定の基準を満たすとワンストップ特例制度を利用できます。
年末調整時に申告することで税金がいくら軽減されるか、生命保険料控除を申告した場合としなかった場合の事例で、所得税額の差を比較してみましょう。
【条件】1年間に支払った生命保険料と所得からの控除額
保険料の種類 | 年間払込保険料 | 控除額 |
---|---|---|
一般の生命保険料 | 100,000円 | 40,000円 |
介護医療保険料 | 60,000円 | 35,000円 |
個人年金保険料 (個人年金保険料税制適格特約付加) |
120,000円 | 40,000円 |
合計 | 280,000円 | 115,000円 |
生命保険料控除を申告せずに課税所得が350万円の人の所得税額は、272,500円です。
この人が、上記の生命保険料控除を申告すると、課税所得は11万5000円低くなって338万5000円となり、所得税額は249,500円になります。
支払う所得税額は、23,000円(=272,500円−249,500円)少なくなりました。
同じように、そのほかの所得控除も自ら申告しないと、払わなくてもいい税金を払うことになりかねません。
なお、税金は所得税だけなく、住民税額にも影響します。
当年の所得に基づいて計算される住民税額は、翌年6月から翌々年の5月の給料から毎月天引きされます。
通常、会社員などの給与所得者では源泉徴収された金額を年末調整で精算すれば確定申告の必要はありませんが、以下の場合は確定申告が必要です。
年末調整で控除申告に漏れや忘れた場合、また、書類提出後に扶養家族の数が変わったような場合は、勤務先に申し出ればやり直しをすることができます。
ただし、勤務先から税務署などに法定書類など提出する期限が1月31日であることから、事務作業などを勘案すると勤務先内での期限は、もっと前に設定されているでしょう。
まずは、やり直しができるかどうかを勤務先に問い合わせてみましょう。
間に合わない場合には、自分で確定申告をしてやり直すことができます。国税庁のホームページに毎年1月中旬から開設される「確定申告書等作成コーナー」を使えば、申告書類を簡単に作ることができます。
保険料の控除証明書を紛失した場合は、発行先に依頼して再発行をしてもらいましょう。
生命保険は加入している生命保険会社、地震保険は加入している損害保険会社、国民年金保険は日本年金機構です。
1年の途中で転職した人は、転職先で年末調整を受けることになります。
年末調整は1月1日から12月31日までの所得を確定させる手続きであるため、以前の勤務先から配布された収入、所得、支払った社会保険料などが記載された「給与所得の源泉徴収票」を年末調整の書類と一緒に提出する必要があります。
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