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生命保険を学ぶ
公的な年金制度をうまく利用して、本当に必要な保障額を見極めよう!
遺族年金とは、国民年金や厚生年金に加入していた人が死亡したときに、その人に生計を維持されていた遺族が受け取ることのできる年金です。
遺族基礎年金と遺族厚生年金があり、死亡した人の家族構成や保険料の納付状況によって受け取れる年金額が異なります。
遺族基礎年金
支給要件 | 被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある人が死亡したとき ※死亡した人の保険料納付済み期間(免除期間を含む)が加入期間の2/3以上必要(令和7年度までは、死亡日に65歳未満なら前々月までの1年間に保険料の滞納がなければ年金を受け取れる) |
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対象者 | 死亡した人によって生計を維持されていた次の人 ・子どものいる配偶者 ・子ども ※子どもは婚姻していない18歳到達年度の末日まで(胎児は出生以降対象)、または20歳未満の障害年金1級・2級の人に限る |
年金額 | 777,800円+子どもの加算 【令和4年4月分〜】 ※子どもの加算は第1子・第2子が各223,800円、第3子以降は各74,600円 |
遺族厚生年金
支給要件 | @被保険者が死亡したときか、被保険者期間中の傷病が原因で初診日から5年以内に死亡したとき ※保険料納付済み期間中の国民年金加入期間や滞納などの要件は遺族基礎年金と同じ A老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある人が死亡したとき B障害年金1級・2級の人が死亡したとき |
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対象者 | 死亡した人によって生計を維持されていた次の人 ・妻 ・子ども・孫(18歳到達年度の末日まで、または20歳未満の障害年金1級・2級の人に限定) ・55歳以上の夫・父母・祖父母(60歳から支給開始だが、遺族基礎年金を受給中の夫は遺族厚生年金も合わせて受給可能) |
年金額 | 〔平均標準報酬月額×7.125/1,000×平成15年3月までの被保険者期間月数+平均標準報酬額×5.481/1,000×平成15年4月以降の被保険者期間月数〕×3/4 【令和3年4月分〜】 |
国民年金の第1号被保険者独自の給付として寡婦年金と死亡一時金があります。
第1号被保険者とは、会社員や公務員以外の自営業者などをさします。
国民年金の第1号被保険者として10年以上の保険料納付期間(免除期間を含む)がある夫が、老齢年金などを受け取ることなく死亡したときに、その夫によって生計を維持されていた妻(10年以上の継続的な婚姻関係が必要)が60歳から64歳まで受け取れる年金です。
寡婦年金は、死亡した夫が受け取れるはずだった老齢基礎年金の
3/4(75%)の金額です
国民年金の第1号被保険者として36か月以上保険料を納付している人が、老齢基礎年金や障害基礎年金を受け取ることなく死亡したときに、生計を一としていた遺族(優先順位は配偶者→子ども→父母の順)が一時金を受け取れます。
一時金の額は保険料納付月数で異なり、たとえば36か月以上180か月未満の場合は120,000円、180か月以上240か月未満の場合は145,000円となっています。
付加保険料の納付がある場合はその分も加算されます。
遺族年金の受給できる金額はいったいどのくらいになるのでしょうか。
夫が死亡した場合と妻が死亡した場合に分けて、モデルケースで計算してみました。
前述していますが、受給するにあたって所定の要件があるので、状況により受給金額は変化します。
夫が死亡した場合
職業 | 夫が自営業世帯 (国民年金) |
夫が会社員世帯(厚生年金) | |||
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平均標準報酬月額 30万円 |
平均標準報酬月額 38万円 |
平均標準報酬月額 50万円 |
|||
子どもあり (18歳未満) |
遺族基礎年金 | 遺族基礎年金+遺族厚生年金 | |||
子ども1人の期間 | 1,001,600円/年 (83,466円/月) |
1,482,553円/年 (123,546円/月) |
1,610,807円/年 (134,233円/月) |
1,803,188円/年 (150,265円/月) |
|
子ども2人の期間 | 1,225,400円/年 (102,116円/月) |
1,706,353円/年 (142,196円/月) |
1,834,607円/年 (152,883円/月) |
2,026,988円/年 (168,915円/月) |
|
子ども3人の期間 | 1,300,000円/年 (108,333円/月) |
1,780,953円/年 (148,412円/月) |
1,909,207円/年 (159,100円/月) |
2,101,588円/年 (175,132円/月) |
|
子どもなし (子どもが18歳 以上) |
妻40歳未満の期間 | 0円 | 遺族厚生年金 | ||
480,953円/年 (40,079円/月) |
609,207円/年 (50,767円/月) |
801,588円/年 (66,799円/月) |
|||
妻40〜64歳の期間 | 0円 | 遺族厚生年金+中高齢寡婦加算 | |||
1,064,353円/年 (88,696円/月) |
1,192,607円/年 (99,383円/月) |
1,384,988円/年 (115,415円/月) |
|||
妻65歳以降の期間 | 妻の老齢基礎年金 | 遺族厚生年金+妻の老齢基礎年金 | |||
777,800円/年 (64,816円/月) |
1,258,753円/年 (104,896円/月) |
1,387,007円/年 (115,583円/月) |
1,579,388円/年 (131,615円/月) |
妻が死亡した場合
職業 | 妻が自営業世帯 (国民年金) |
妻が会社員世帯(厚生年金) | |||
---|---|---|---|---|---|
平均標準報酬月額 30万円 |
平均標準報酬月額 38万円 |
平均標準報酬月額 50万円 |
|||
子どもあり (18歳未満) |
遺族基礎年金 | 遺族基礎年金+遺族厚生年金 | |||
子ども1人の期間 | 1,001,600円/年 (83,466円/月) |
1,482,553円/年 (123,546円/月) |
1,610,807円/年 (134,233円/月) |
1,803,188円/年 (150,265円/月) |
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子ども2人の期間 | 1,225,400円/年 (102,116円/月) |
1,706,353円/年 (142,196円/月) |
1,834,607円/年 (152,883円/月) |
2,026,988円/年 (168,915円/月) |
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子ども3人の期間 | 1,300,000円/年 (108,333円/月) |
1,780,953円/年 (148,412円/月) |
1,909,207円/年 (159,100円/月) |
2,101,588円/年 (175,132円/月) |
|
子どもなし (子どもが18歳 以上) |
夫65歳未満の期間 | 0円 | 0円 | ||
夫65歳以降の期間 | 夫の老齢基礎年金 | 夫の老齢基礎年金 | |||
777,800円/年 (64,816円/月) |
777,800円/年 (64,816円/月) |
777,800円/年 (64,816円/月) |
777,800円/年 (64,816円/月) |
遺族年金の支給額は、「死亡した人が誰なのか」と「その人の家族構成」などによって変わります。
モデルケースにあるように、公的な保障は妻が死亡した場合や自営業の場合に薄くなる可能性があるため、自身に起こりうるケースから受給できるおおよその額を把握しておきましょう。
そのうえで、生活していくのに不安があるようなら、生命保険で補う方法も検討するとよいでしょう。
モデルケース1:夫(会社員:平均報酬月額38万円)が死亡時、遺族は妻(30代)と子ども2人
中高齢寡婦加算とは・・・
夫が死亡したときに、40歳以上の子どものいない妻 (夫が死亡後、40歳到達時に子どもがいたが、その後末子が18歳到達年度の末日をむかえた妻を含む)に対する遺族厚生年金に、40〜65歳の間加算されるものです。
支給額は、遺族基礎年金の3/4(令和4年度は、58万3400円/年)です。
モデルケース2:夫(自営業)が死亡時、遺族は妻と子ども2人
モデルケース3:妻(会社員:平均報酬月額38万円)が死亡時、遺族は夫(30代)と子ども1人
妻が亡くなった時点で夫が55歳未満の場合は、夫は遺族年金を受給できません
モデルケース4:夫(会社員:平均報酬月額38万円)が死亡時、遺族は妻(30代)のみ
夫が亡くなった時点で妻が20代の場合は、遺族厚生年金は5年間のみで終了します
遺族年金を受給するためには、死亡したことの届け出をし、請求書を提出する必要があります。
手続きを忘れていた場合でも、受給権が発生してから5年以内のものは請求できます。5年を超えた年金は時効となり、権利がなくなるのでよく注意してください。
死亡一時金は時効期間が2年なので早めに手続きしてください
自営業などの国民年金加入者は「国民年金被保険者死亡届」を市区町村の役所へ、会社員や公務員などの厚生年金加入者は会社を通して「資格喪失届」を提出します。
遺族年金の申請先は、遺族基礎年金の場合は居住地の市区町村の役所へ、そのほかはお近くの年金事務所または街角の年金相談センターになります。
「年金請求書」を記入し、各種書類を添付して提出します。必要な書類は次のとおりです。
そのほかに、死亡原因が第三者行為の場合には第三者行為事故状況届や損害賠償金の算定書なども必要であり、ほかの公的年金から年金を受けているときは年金証書や合算対象期間が確認できる書類なども必要です。
生計を維持されている状態と認められるには、原則として次の要件を満たしている必要があります。
@同居していること(別居の場合は、仕送りしていたり健康保険の扶養親族になっていたりすれば認められる)
A加給年金額等対象者について、前年の収入が850万円未満、または所得が655万5000円未満であること
これに該当しない場合は、子どもも遺族年金を受け取ることができません。生計が別であれば受け取れる可能性があるのでよく確認してください。
死亡したときに自営業者でも、過去に会社員として働いていた場合はそのとき加入していた厚生年金分を受給できる可能性があります。
しかし、自営業になったときに厚生年金から国民年金への移行手続き忘れがあり、国民年金への納付が足りない場合があります。
具体的に、遺族厚生年金を受給するには、死亡した人の国民年金保険料納付期間(免除期間を含む)が、国民年金加入期間の2/3以上、または死亡日に65歳未満で前々月までの1年間に滞納がない(令和7年度まで)を満たす必要があります。
つまり、国民年金への移行を忘れ納付が足りないと、厚生年金もあわせて受給できなるということです。
遺族年金を受給している人が再婚(事実婚を含む)すると、年金を受けられなくなります。
ただし、子どもがいる場合は、子どもが18歳到達年度まで受けることができます。
遺族基礎年金を受け取れる対象者が「子どものいる妻または子ども」から「子どものいる配偶者または子ども」に変わったことで、父子家庭にも支給されるようになりました。
遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 |
---|---|
× | △ |
遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 |
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子どものいる夫 ○ |
△ |
子どものいない夫 × |
遺族厚生年金については以前から変更はなく、妻の死亡時に夫が55歳以上でなければ支給されません(支給開始は60歳から)。
ただし、55歳以上かつ遺族基礎年金を受け取っている夫は、60歳の前でも遺族厚生年金を受け取れます。
夫が55歳未満の場合は、遺族厚生年金は子どもが受け取ります
配偶者が亡くなったときへの備えは遺族年金が頼りになりますが、十分な年金額を受け取れるとはかぎりません。
万一のときに困ることのないよう、必要な生活費と受け取れる遺族年金額を確認し、生活していくのに不足がないか計算しておくとよいでしょう。
もし遺族年金だけでは足りなさそうなら、万一に備えて十分な貯蓄をしておくとか必要保障額を満たす生命保険に加入するなど、自助努力による備えをしておきましょう。
生命保険の必要保障額をシミュレーションしたい人は「必要保障額の計算」ページをご覧ください。
上記の遺族年金の受給額を見てもわかるとおり、国民年金に加入している自営業者などは、夫が死亡したときも妻が死亡したときも会社員に比べて遺族年金受給額は多くありません。(関連ページ:自営業の保険選び)
生命保険などを利用して確実に備えておきたいものです。
家計を支えていた夫または妻が亡くなると、その後の生活に大きな影響があります。
遺族年金を受け取ることができても、多かれ少なかれ自助努力による収入なども必要です。
万一のときに受け取れる遺族年金額を知ることで生活費の過不足が見えてきます。足りない分があれば、安心できる備えを確実にしておきたいものです。
※上記の遺族年金受給額は一定の条件によって求めた目安額であり、実際の受給額を約束するものではありません。遺族年金の詳細や具体的な遺族年金額などについては、日本年金機構(年金事務所・街角の年金相談センター・ねんきんダイヤル)などに確認してください。