更新日:2024年9月30日
タバコを吸わない人(非喫煙者)は割引になる生命保険があるのをご存知でしょうか。保険会社にもよりますが、お手頃な保険料で加入できるかもしれません。では、非喫煙者の保険料を適用してもらうには、どのような基準を満たす必要があるのでしょうか。
この記事の監修者
CFP(R)資格/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/日本証券アナリスト協会認定アナリスト/1級DCプランナー/マネーディアセオリー株式会社取締役副社長
中里 邦宏
2004年に独立系FPとして起業し2016年にパートナーと法人設立。商品を販売せず中立の立場でアドバイスを行う。運営する「マネーディア」で受けるライフプラン相談では、相談者が納得いくまでその場でキャッシュフロー・シミュレーションを繰り返し、目標プランを作成するスタイルが好評。住宅購入と移住を目的とした相談が多く、その中で保険の見直しアドバイスも行う。
2004年に独立系FPとして起業し2016年にパートナーと法人設立。商品を販売せず中立の立場でアドバイスを行う。運営する「マネーディア」で受けるライフプラン相談では、相談者が納得いくまでその場でキャッシュフロー・シミュレーションを繰り返し、目標プランを作成するスタイルが好評。住宅購入と移住を目的とした相談が多く、その中で保険の見直しアドバイスも行う。
保険会社は、保険の対象となる人の属性における死亡リスク(統計的な死亡率)を考慮して、将来的に支払う保険金額から保険料を決めています。年齢が上がるにつれて保険料が高くなり、年齢が同じならば平均余命の短い男性の保険料が女性より高いのもそのためです。
生命保険商品によっては、喫煙の有無や健康状態などのさらに細分化されたリスクを考慮して、よりリスクの低い区分に該当する人の保険料を安くしています。
非喫煙者は、喫煙者よりも死亡リスクが低いという考えをもとに、リスク区分することで非喫煙者に該当する人の保険料を安くしています。
健康状態でも同様です。病気などで死亡リスクが高い人を含めなければ保険会社は将来支払う保険金額を抑えられます。さらに血圧や体格で生活習慣病リスクの低い優良体と、それ以外の標準体にリスク区分することで、優良体の人の保険料を安くしています。
このようにリスク属性により区分けした保険料は一般的に「区分料率」といわれ、「区分料率適用特約(保険会社により名称は異なる)」を付けることで非喫煙者などの割安な保険料が実現します。なお、パンフレットなどには、非喫煙割引や優良体割引などの名称で書かれています。
なお、病気などで通常の保険に入れない人向けに、引受基準緩和型の生命保険があります。こちらは逆に、死亡リスクが高い人という区分けがされるため通常の生命保険よりも、保険料は高くなります。
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非喫煙および健康状態で区分けしているのが一般的で、最も保険料が安くなるのが、これら2つともに該当する場合です。これらに該当しない人は標準体に区分けされます。非喫煙優良体と標準体の2種類にしか区分けされていない商品もあります。
タバコを吸っていないかどうかの判断は、「過去1年(保険会社により2年)以内に喫煙をしていない」旨の告知書への記載と、唾液を綿棒のようなものでとるコチニン検査により行われるのが一般的です。
コチニンとはタバコの煙に含まれるニコチンが体内で分解されてできる物質で、その含有量を測定することにより喫煙の有無を判断できます。なお、環境によっては過去1年以内に喫煙していなくても、他人のタバコの副流煙で検出されてしまうこともあるようです。
優良体は、血圧や体格などが、各保険会社所定の基準内かどうか、そして告知書に記入した内容などで総合的に判断されます。この基準を満たさない場合は標準体になります。
「血圧」の基準は、保険会社により異なりますが、最高血圧と最低血圧が所定値に含まれるかで判断されます。 たとえば、ある2社の基準はこのようになっています。
この基準だけでみますと、A社の方が厳しく加入のハードルは高いですが、そのぶん死亡リスクが低いといえるため、保険料が低い可能性があるといえます。
「体格」の基準は、身長と体重のバランスから求めるBMI(ボディマス指数)が一般的に用いられます。以下の計算結果により、標準体型か肥満か痩せすぎかが分かります。
BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)
※身長の単位はcmではないことに注意
BMI= 体重50kg÷ 身長1.60m ÷ 身長1.60m = 19.53
となります。
この基準も保険会社により異なりますが、ある保険会社所定のBMIの範囲は、18.0超27.0未満となっています。身長160cmでは、体重46.1kg超69.1kg未満が所定の範囲になります。
これらの血圧とBMIの値は、「健康診断書扱い」であれば健康診断や人間ドックの結果の値が用いられ、年齢と保険金額の関係で「嘱託医扱い」になれば提携病院の医師により測定されるのが一般的です。
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契約が成立した後にタバコを吸ったとしても、契約への影響はありません。
しかし、保険期間10年などの更新型商品は、保険会社によって異なりますが、更新時に再度審査が必要な場合や保険料率を引き継ぐことができない場合もありますので、注意する必要があります。
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(1)保険会社により、血圧や体格だけでなく、告知書の内容での引き受け基準も異なります。そのため、ある保険会社で断られても、他社では契約できる可能性もあります。
(2)非喫煙優良体型の保険料は標準型より安いです。しかし、年齢や性別によって安くなる割合が違いますので、いくつかの保険会社の保険料を比べてみると良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。非喫煙優良体であれば、保険料はこれほど安くなります。そのため既に保険に加入中の方でも、今後の保険期間によっては見直すことで保険料を安くできる可能性があります。
最近ではネットや郵送で申込みするタイプの通販型の商品もありますので、自分に必要な保障額を計算できる方にとっては、申込時のハードルも低くなっています。
これを機に、必要な保障をお手頃な保険料で確保すべく、行動されてみてはいかがでしょう。
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