分譲マンションの火災保険で必要な補償や
専有部分の考え方について解説します。
専有部分はどこ?
新築でも中古でも分譲マンションの建物の火災保険は、共用部分と専有部分があります。通常は専有部分を保険の対象とすることになります。共用部分については、一般的には管理組合で一括して火災保険に加入している場合が多いため、管理組合がどのような火災保険に加入しているのか確認しましょう。

窓ガラス、バルコニー、玄関扉などは、色を勝手に塗り変えたり、窓ガラスに広告をだしたり すると美観が損なわれることから、それらの行為を禁止するためマンション管理規約では共用部分としていることが多いようです。このような部分を「専用使用権付共用部分」と呼び、特別の約定が無い限り、専有部分の保険の対象に含まれる事が一般的ですが、保険会社ごとに見解が異なる場合があります。
まず、ご自身のマンションの「専用使用権付共用部分」がどこなのか、どこまでが専有部分なのかを管理規約にて確認し、火災保険にご加入する前に「専用使用権付共用部分」が保険の対象に含まれるのかを保険会社にご確認ください。
壁や天井、床は専有部分?
壁や天井、床について、マンションの管理組合が保険をかけるのか、居住者が保険をかけるのか判断が難しい場合があります。マンションの管理規約にて「専有部分の範囲」がどこなのかを確認しましょう。以下のように、管理規約に「天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とする。」という文言があれば、壁や天井、床はクロスから内側だけが専有部分になり、図2で説明する上塗(うわぬり)基準で専有面積を算出することになります。
第2章 専有部分等の範囲
(専有部分の範囲)
第7条 対象物件のうち区分所有権の対象となる専有部分は、住戸番号を付した住戸とする。
2 前項の専有部分を他から区分する構造物の帰属については、次のとおりとする。
- 一 天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とする。
- 二 玄関扉は、錠及び内部塗装部分を専有部分とする。
- 三 窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれないものとする。
現在ほとんどのマンションの管理規約では、図2のような「上塗(うわぬり)基準=内法(うちのり)基準」が採用されています。そのため火災保険も「上塗基準」に基づいた面積で算出したほうが、無駄な保険をかけなくて済みます。
なお、マンション広告における物件概要に記載された専有面積は、「壁芯(かべしん)基準」での表示をしている場合があるためご注意ください。

分譲マンションの販売価格と評価額は異なる
新築マンションの建物の評価額は、マンションを購入した際の購入額と同じではありません。たとえば、マンションを購入した金額には、広告費用や不動産会社の利益、敷地利用権や共用部分の金額も含まれてしまいます。また、マンションは立地条件によって購入金額が大きく異なります。その立地条件による価額差は主に土地の値段の差であり、同じグレードのマンションにおける建築費用の差ではありません。マンションで火災保険に加入する際の建物の評価額は、設計費や材料費などの建築費用の部分だけになります。
新築マンションの場合
敷地利用権には消費税が課税されませんので、次の式で建物の評価額を算出します。
建物の価額 = 購入時の消費税額 ÷ 購入時の消費税率(0.1) × 0.4〜0.6
消費税から逆算した建物の評価には共用部分も含まれているので、係数0.4〜0.6を乗して個室の評価額を求めています。さらに、上記にはプラスマイナス30%の調整範囲を加えることが可能ですので、詳細はカカクコム・インシュアランスまでご連絡ください。
中古マンションの場合
建物の保険金額を決めるで試算できますので、算出してみましょう。
なお、一般的に建物の評価額はプラスマイナス30%の範囲(保険会社ごとに異なる)で自由に調整することはできますが、それを上回る高額な補償にすることはできません。たとえ高額な保険金をかけても、上回った分は無効になりますので、火災事故が発生した際に保険金を受け取れません。
マンションで必要な補償を考える
マンションでは、どのような損害リスクがあるのでしょうか。以下に考えられる主なリスクを記載します。
- 1.火事・爆発
- 2.自然災害(台風・落雷・風水害・雪災・雹災)
- 3.地震
- 4.漏水
- 5.盗難
- 6.機械設備・共用部分の設備等の損害
- 7.施設の破損
- 8.第三者および居住者に対する損害賠償
マンションの建物の火災保険では補償をある程度は限定できます。例えば、前述したように窓ガラスが「共用部分」と見なせれば、台風などの風災で窓ガラスが割れた場合は、管理組合が加入している火災保険で対応できる可能性があります。ただし、窓ガラスが割れたあとの住居内の家財(カーペットやテレビなど)の損害も考えるのであれば、家財の風災補償は必要になります。また、マンションの上層階に住む場合、洪水などの水災のリスクも低くなります。
逆に、マンションでは、上階と下階との間で漏水事故が起きた場合、マンションの中で被害者と加害者の関係が生じます。どちらが金銭を負担するのか、賠償責任の所在をめぐる争いが生じやすくなります。原因が分からないと「誰の」「どんな保険から」保険金を支払いするのかも決まりません。そのため、水濡れ補償だけでなく、「個人賠償責任特約」「水濡れ原因調査費用」などの特約をつける方もいます。
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