更新日:2026年11月4日
日常生活で起きた水濡れによる損害は、火災保険の「水ぬれ補償」の対象です。ただし、損害の発生場所や原因によって、対象となる補償項目や保険の種類が異なります。
この記事では、補償される条件、対象の補償・保険のほか、補償対象外のケースを解説します。
この記事の監修者

株式会社カカクコム・インシュアランス
CFP®資格、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、社会保険労務士
森谷 智彦
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火災保険の「水ぬれ補償」は、水道管や排水管、トイレの水洗設備といった「給排水設備」の破損や詰まりによる水漏れ損害を補償します。なお、給排水設備にあたらない洗濯機や浴槽、洗面台本体からの水漏れ・あふれは対象外です。
また、自然災害による水濡れ損害は、台風や豪雨による洪水は「水災」、暴風による雨の吹き込みは「風災」となり、水ぬれ補償とは別の項目で補償を受けられます。
水ぬれ補償の対象となる主な被害例は、次のとおりです。
配管トラブルによる水漏れだけでなく、近隣の消火活動で放水された水による損害も水ぬれ補償の対象になります。
なお、火災保険では「建物」と「家財」で補償の対象が分かれています。
補償の対象を「建物のみ」にしている場合、濡れた家具や家電は補償を受けられないため、室内全体の損害に備えたい場合は、家財も補償対象に設定しておくことが大切です。
水濡れによる損害は、損害の発生場所や原因などによって適用される補償項目や保険の種類が異なります。
水濡れ損害の例と適用される主な補償項目・保険は次のとおりです。
持ち家の場合、給排水設備の破損などで建物・家財が水漏れ被害を受けたときは、自身が加入している火災保険の「水ぬれ補償」で補償されます。
一方で、洗濯機の給水ホースが外れて床を水浸しにするなど、自身の不注意で借りている部屋を傷めてしまった場合は「借家人賠償責任保険」の対象です。賃貸住宅における居室の損害は、大家への損害賠償責任に備える「借家人賠償責任保険」で対応します。
階下の部屋や家財に水濡れによる損害を与えた場合は、他人に対する法律上の損害賠償責任を負うため、火災保険などに追加する「個人賠償責任保険」で補償します。
なお、反対に、上階からの漏水で自宅が被害を受けた場合は、原則として、相手の個人賠償責任保険で補償されます。このときに、相手が無保険の場合や、示談交渉が難航する場合は、自身が加入している火災保険の「水ぬれ補償」で補償を受けられることもあります。
分譲マンションの場合、専有部分(自室)を通る配管からの水漏れは、自身が加入する火災保険の「水ぬれ補償」で補償されます。一方で、共用部分(自室以外の壁の中など)を通る配管からの水漏れは、管理組合が加入している火災保険で補償されます。
また、賃貸住宅の場合は、入居者に過失がない自然故障や老朽化であれば、大家側が加入している火災保険で修理・補償されます。
自然災害による水濡れ被害は「水ぬれ補償」ではなく、原因に応じた項目で補償を受けられます。
たとえば、台風で壊れた窓ガラスから雨が吹き込んで生じた水濡れ被害は「風災補償」、豪雨による河川の氾濫や洪水、床上浸水などの損害は「水災補償」で補償されます。
また、地震による津波で生じた浸水損害は、火災保険ではなく「地震保険」の補償対象です。
水濡れによる損害が生じた場合でも、原因や状況によっては火災保険の補償対象外となるケースがあります。
補償されない主なケースは次のとおりです。
火災保険で「家財」を補償対象に設定していない場合、水漏れで家具・家電が被害を受けても、補償は受けられません。
家財の損害にも備えたい場合は、建物に加えて家財も補償対象に設定しておきましょう。
火災保険に免責金額(自己負担額)を設定している場合、損害の額が免責金額以下であれば全額自己負担となり、保険金は支払われません。
免責金額を高めに設定することで保険料は抑えられますが、損害が発生した場合に自己負担額が大きくなります。免責金額は、補償の手厚さと保険料のバランスを考えて設定しましょう。
給排水管の老朽化や経年劣化が原因で発生した水漏れは、火災保険の補償対象外です。
火災保険は予期せぬ突発的な損害を補償する仕組みであり、設備の自然な劣化による不具合や、建物の老朽化による雨漏りなどは自己負担となります。
また、屋根や外壁、窓サッシなどの隙間から吹き込んだ雨による水濡れも、建物の破損を伴わない場合は補償されません。
故意や重大な過失、不注意によって生じた水濡れ損害は、補償の対象外となります。
具体的には、浴槽の水を止め忘れて床へあふれさせた場合や、蛇口を開け放したまま長期間留守にした場合などは、重大な不注意と判断されることがあります。
火災保険の保険金を請求できる期限は、保険法により原則として3年と定められています。そのため、水濡れの損害が発生した場合でも、3年を経過すると請求する権利が消滅し、保険金を受け取れなくなります。
なお、請求期限の起算日は保険会社によって異なるため、被害に気づいたときはできるだけ速やかに保険会社へ連絡することが大切です。
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