更新日:2024年9月10日
猫の関節炎とは、どのような傷病なのでしょうか?
症状や原因、治療法について見てみましょう。
この記事の監修者
獣医師
三宅 亜希
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
猫でよくみられる関節炎は、変形性関節症です。
変形性関節症とは、骨と骨の連結部分である関節をなめらかに動かすために必要な軟骨と周囲組織がなんらかの原因で変形して炎症が起こる病気です。
年齢、肥満、環境、遺伝などが関与します。
変形性関節症は、関節の軟骨や周囲組織に障害が起こる病気で、一次性(原発性または突発性)のものと、二次性のものがあります。
多くの高齢猫が、変形性関節症を起こしていると考えられています。
しかし、変形性関節症により活動量が落ちていても、年のせいだと感じたり、はっきりとした症状が出ないケースもあったりするため、飼い主さんが気付かないことも多い病気です。
関節炎によって、毛づくろいをしづらくなることで、毛づくろいをする回数が減ったり、毛づくろいをしない箇所ができたりします。
不十分な毛づくろいにより、毛がボサボサになっている様子で病気に気付くことが多いです。
猫は高いところが好きですが、下に飛び降りる、家具などに飛び移る、などをするときに痛みが走るため高いところに行かなくなることがあります。
また、痛みのせいで、立つ、座る、歩くといった動作がぎこちなくなったり、攻撃的になったりすることもあります。
一次性(原発性または突発性)
加齢に伴い発症するため、長い間、関節を使ってきたことで関節の軟骨が修復困難になっている、などの原因が考えられますが、詳細は不明です。
二次性
軟骨そのものは正常でも、ほかの病気により続発的に発生することもあります。
猫では、遺伝的な素因があるとされているデボン・レックスの膝蓋骨脱臼や、シャムの股関節異型性、スコティッシュ・フォールドの関節症などが原因になりえます。
また、外傷、膝蓋骨脱臼などが原因となることもあります。
一次性の関節炎は、かかりやすい猫種はとくになく、すべての高齢の猫で起こります。
二次性の関節炎は、遺伝的に関節疾患を起こしやすい猫種での注意が必要です。
デボン・レックスの膝蓋骨脱臼、シャムの股関節異型性、スコティッシュ・フォールドの関節症などが挙げられます。
投薬
基本的には、痛み止めの投与などの内科的な治療が選択されます。
軟骨成分を補うとされているサプリメントを併用することもあります。
肥満の場合は、体重管理をすることも大切な治療法の1つとなります。
また、運動も関節を支える筋肉を発達させるために重要ですが、痛みが強い場合は休ませます。
関節炎にかかってしまった場合、どのくらいの治療費がかかるのでしょうか?
保険会社の保険金請求データをもとにした治療費の例を見てみましょう。
猫種:ブリティッシュ・ショートヘア(7歳)
内容:通院1日
| 診療明細例 | |
|---|---|
| 診療項目(内容) | 金額(円) |
| 診察 | 700円 |
| 内服薬 | 3,500円 |
| 処方 | 500円 |
| 合計 | 4,700円 |
体重管理
肥満を防ぐことにより、関節への負担を軽減します。
たとえば4sの猫が4.3sになった場合、あまり変化がないように感じるかもしれませんが、60sの成人が64〜65sになったのと同じだけ負担がかかります。
獣医師と相談のうえ、ダイエットフードを取り入れるなどの食事管理を行い、肥満を防ぐようにしましょう。
適度な運動
適度な運動は、肥満の防止、健康維持に非常に大切です。
また、筋肉が発達することで関節を支えられるようになるため、非常に重要です。
床材の見直し
四肢が滑りやすいと思わぬ事故を招いたり、関節に負荷がかかったりすることがあります。
コルク板やカーペットなど、滑りにくい素材のものを敷くとよいでしょう。また、フローリングに塗る滑り止めなどもあります。
爪のチェック
伸びすぎた爪も四肢が滑りやすくなる要因なので、定期的にチェックするようにしましょう。