更新日:2025年1月8日
猫のいびきの原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
また、いびきの原因として考えられる病気や対処法について見てみましょう。
この記事の監修者
獣医師
三宅 亜希
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
猫が寝ているとき、いびきを聞いたことがある飼い主さんもいるのではないでしょうか?
通常、ちょっとしたいびきは、口呼吸をしたときや、鼻がつぶれて鼻呼吸がしづらい猫種(ペルシャ猫などの短頭種)の特徴として生じたりすることもあるため、そこまで心配することはありません。いびきが大きくなったり、回数が増えたりするようなときには、呼吸困難を起こすような病気のおそれがあるので注意が必要です。
鼻づまり
一般的に鼻よりも、口で呼吸をするときのほうが気道が細くなるといわれているため、鼻づまりを起こして、うまく鼻呼吸ができないときなどは、就寝時のいびきが一時的に増えることがあります。一過性のいびきの場合は、あまり気にする必要はありません。
肥満
いびきは、口呼吸の際に気道がふさがれることで起こります。
そのため、肥満などで首周りに脂肪がたくさんついている猫は、いびきをかきやすくなります。
病院で肥満を指摘されている場合は、食事量が適切かどうかチェックし、適正体重になるよう計画的なダイエットを心掛けましょう。
猫種の特徴
ペルシャ猫のように、猫種の特徴として、鼻がつぶれている猫種の場合、鼻呼吸がしづらく口呼吸になるため、いびきをかきやすくなります。このような特徴がある猫種の場合でも、いびきの回数や大きさが気になるようなときは受診したほうが安心です。
鼻炎
鼻の粘膜が炎症を起こしている状態のことで、くしゃみ、鼻水などの症状がみられます。 鼻腔内の腫れや鼻水などによって、空気の通り道が狭くなり、鼻呼吸がしづらくなるため、いびきをかきやすくなります。
鼻水は、最初はサラサラとした形状ですが症状が進んでいくと、ネバネバとした鼻水になる、膿が混じる、鼻粘膜から出血し血液が混じる、といった症状がみられることもあります。
鼻腔内腫瘍
鼻腔内に腫瘍ができることで、鼻呼吸がしづらくなるため、いびきをかきやすくなります。 鼻腔内に腫瘍ができると、鼻から出血がみられたり、顔が腫れたりすることがあります。
短頭種気道症候群
短頭種(ペルシャ猫など)でみられるもので、鼻孔狭窄、軟口蓋過長症、気管虚脱、気管低形成などが起こることで生じる症状です。
鼻の穴が極端に狭い、軟口蓋(人でいうのどちんこ)の部分が垂れ下がっている、気管が正常な形を保てない、という身体的な特徴により、呼吸がしづらい、異常な呼吸音がする、息切れをしやすい、いびきをかく、という症状がみられます。症状が重度の場合は、呼吸困難などを起こすことがあります。
早期の受診
いびきの頻度が増える、音が大きくなる、活動中の呼吸が荒くなることがある、といった場合、なんらかの病気の可能性が高いです。放っておくと、病状が進行して治療が難しくなってしまうかもしれません。普段から就寝時の様子をよく観察し、異常に早く気づけるようにすること、異常がみられた場合は、たかがいびきと思わずに早めに受診をすることを心掛けましょう。
肥満の解消
太っていると、脂肪が気道を圧迫して、いびきをかきやすくなります。また、肥満が原因で、なんらかの病気になってしまう可能性もあります。
一緒に遊んだり、散歩したりして運動不足を解消する、食事の量をコントロールするなどして肥満を解消するようにしましょう。
肥満によるいびきの場合は、太らないように体重をコントロールすることが重要です。
たとえば、食事量の管理や、おやつを減らすことを心掛け、場合によっては、ダイエット用の食事を与えることも検討しましょう。
また、食事を毎回キャットタワーの一番上に置いて、食事のたびに上下運動を促すなども試してみてください。
疾患が原因でいびきをしている場合は、処方された薬をしっかりと投薬することや、定期的に受診をすることが一番の予防法になります。