猫の涙

目への刺激で起こる生理現象

目にゴミが入るなどの刺激があると、生理現象として涙がたくさんでてきます。

以下の病気などにより、涙が多くなることがあります。

角膜炎

黒目の表面を覆っている角膜の炎症です。目を痛がる、目をしょぼしょぼさせる、などの症状がみられます。 ゴミなどの異物が目に入る、目をこする、物が当たる、などして目に傷がついてしまうことなどが原因で起こります。また、病原体の感染や、涙が少ないことが原因になることもあります。

結膜炎

まぶたの裏側から白目の表面を覆っている結膜の炎症です。炎症が起きると目にかゆみや痛みがでて、目を気にしてこすろうとする、涙や目やにが多い、結膜が赤い、まぶたが腫れる、などの症状がみられます。病原体の感染のほか、砂・ほこりなどの異物、アレルギー、涙の減少、などが原因で結膜炎を発症することもあります。生後間もない子猫が、目が開く前に結膜炎を起こした場合、まぶたが癒着したり、目が正常に成長しなかったりすることもあります。

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ぶどう膜炎

目のぶどう膜に起こる炎症で、角膜の傷から波及することがあります。 ぶどう膜炎が原因となり緑内障が起こることもあります。

緑内障

視神経や網膜に変化を起こして視力を失う恐れがある病気です。目が大きく見える、目を痛そうにしばしばさせる、充血している、などの症状がみられ、涙が多くなることもあります。投薬や手術で、眼圧を下げることにより目の障害を抑えられます。

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腫瘍

眼球や第三眼瞼だいさんがんけん、鼻腔びくうなどに腫瘍ができることがあります。

眼瞼内反、眼瞼外反

遺伝的素因などにより、まぶたが内側に入っていたり、外側に反ってしまったりすることがあります。まぶたが内側に入ると、外側の毛が生えている皮膚が眼球にあたり角膜が傷つきます。また、内側や外側に反っていることで、上下のまぶたがしっかり閉じないため、外からの刺激を受けやすくなったり、涙が隅々まで行き渡らないため、傷つきやすくなったりします。

鼻涙管閉塞びるいかんへいそく

先天的な病気または炎症などにより、目から鼻へ涙を通す鼻涙管が閉塞したり、狭くなったりすることがあります。

鼻炎

鼻の粘膜が炎症を起こしている状態のことです。鼻の粘膜が刺激を受けることにより、くしゃみ、鼻水、涙がでるなどの症状がでます。

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猫風邪（上部気道感染症）

猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、そのほかのウイルス、細菌、などの感染によりにより、くしゃみ、鼻水、涙、咳などの、風邪症状が起こります。猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルスは、一度感染すると、普段はこれらの症状が出なくても、出産やほかの病気で体力が落ちていたり、強いストレスがかかったりしたときなどに、ぶり返すことがあります。ワクチン接種で予防ができるので、しっかりと予防をすることが重要です。

早期の受診

角膜炎や結膜炎による目への刺激、腫瘍、まぶたの形状が涙を保持できない、などの原因で涙がたくさんでます。また、鼻炎により目と鼻をつなぐ鼻涙管に炎症が波及して、涙の通り道である鼻涙管が狭くなることが原因で涙があふれることがあります。涙以外に、充血、目やに、目を開けづらそうにする、目を気にするなどの様子が見られた場合は、目に傷ができている可能性が高くなります。目の傷は進行が早く、放っておくと重症化することもあるので、あまり様子はみずに早めに受診しましょう。

エリザベスカラーの装着

目に違和感や痛みがある場合、床にこすりつけたり、前肢まえあしでひっかいたりしようとするので、エリザベスカラーを装着し目を触れないようにしておくと安心です。

目の傷は進行が早く、放っておくと重症化することもあるので、あまり様子はみずに早めに受診しましょう。

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