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更新日:2024年9月10日

猫の尿毒症

猫の尿毒症とは、どのような傷病なのでしょうか?
症状や原因、治療法について見てみましょう。


この記事の要点
  • 尿毒症は腎臓が正常に機能せず、老廃物が体内に蓄積して全身に悪影響を及ぼす病気
  • 腎臓の機能低下、尿路結石、心臓の病気などが尿毒症の原因
  • 治療は点滴、透析、投薬、尿道の閉塞解除、外科治療などが行われる

この記事の監修者

三宅 亜希

獣医師

三宅 亜希

TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員

TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員


猫の尿毒症ってどんな病気?

尿毒症とは、通常、尿から排せつされる老廃物が、排せつされないことによって起こる症状です。 腎臓は、血液から余分なものだけを尿として排せつする機能を持っていますが、なんらかの原因により、腎臓への血流の低下が起こったり、腎臓そのものが壊れてしまったりすることにより、正常に機能できなくなります。すると、尿として排せつされるべき老廃物が血液中にたくさん残り、全身に悪影響を与え、命に関わる重篤な症状を引き起こします。正常に尿を作れても、尿路閉塞へいそく膀胱ぼうこう破裂などにより体外に排せつできない場合でも同じことが起こります。

※尿路閉塞
通常、腎臓から尿管を通って膀胱へ尿がたまり、膀胱から尿道を通って排せつされます。この経路のどこかで通過障害が起こることを尿路閉塞といいます。完全な尿路閉塞が生じると、急性腎不全を起こすため、救急管理が必要となります。オス猫は尿道が細いためリスクが高まります。

猫の尿毒症

どんな症状なの?

  • 体重の減少
  • 食欲低下
  • 多飲多尿たいんたにょう
  • 活動的ではなくなる
  • 嘔吐おうとが多くなる
  • 口臭がする
  • 突然ぐったりする
  • 意識の低下
  • 無尿 など

慢性腎臓病などで徐々に腎臓の機能が低下しているような場合は、体重の減少、食欲低下、多飲多尿などの症状がはじめにみられます。
急性腎臓病の場合は、突然の食欲低下、突然ぐったりする、痙攣けいれんを起こす、嘔吐する、尿がほとんど出なくなる(無尿)、などの症状がみられます。
慢性腎臓病の末期や急性腎臓病は命に関わる危険な状態です。

原因はなに?

腎臓の機能低下

腎臓病などの進行によって腎臓の機能が低下し、本来なら尿として体外に排せつされるはずの老廃物が十分に排せつされないことが原因となります。
放置していると、毒素が体内に蓄積して全身の臓器に障害をもたらします。

泌尿器の病気

尿路結石などにより尿管が詰まってしまい、排尿ができなくなります。
それにより、老廃物が体内に残ってしまうため尿毒症になります。

心臓の病気

心不全、心筋症などの心臓の病気により低血圧になることがあります。
低血圧の状態が続くと、腎臓に送られる血液の量が減ってしまい、老廃物や毒素をろ過しきれなくなることが原因となります。

かかりやすい猫種はいるの?

尿毒症にかかりやすい猫種はとくになく、すべての猫種でかかる可能性があります。
尿毒症の原因のひとつである慢性腎臓病は、高齢の猫で発生率が高くなります。

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猫の尿毒症の治療法には、どんなものがあるの?

点滴

腎機能の低下が原因の場合、輸液療法(水分や電解質などを点滴で投与)を行うことで排尿を促進します。

透析

人工透析や腹膜透析などを行うこともありますが、これらの治療が受けられる施設は限られます。

投薬

腎障害により尿が作られていない状態であれば、尿を作らせる薬を使用します。

閉塞解除

尿道が詰まっている場合は、尿道口からカテーテルを挿入し、尿道に詰まっているものを流しだす処置が第一優先となります。

外科治療

膀胱破裂の場合、外科手術による縫合などが行われます。
また、尿路や尿道にできた結石を外科的に取り除くこともあります。

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猫の尿毒症の治療費例

尿毒症にかかってしまった場合、どのくらいの治療費がかかるのでしょうか?保険会社の保険金請求データをもとにした治療費の例を見てみましょう。

猫種:アビシニアン(5歳)
内容:通院1日

診療明細例
診療項目(内容) 金額(円)
診察 700円
血液検査 4,000円
皮下点滴 1,500円
注射(吐き気止め) 2,000円
合計 8,200円
  • 2015年〜2018年に診療を開始し、アニコム損害保険株式会社へ請求があったものから算出
  • 金額はあくまで一例であり、平均・水準を示すものではありません
  • 各診療項目の金額は動物病院によって異なりますのでご了承ください

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尿毒症にならないための予防法はあるの?

尿毒症の原因となる病気(とくに泌尿器系の病気)にならないように注意をすることが大切です。
日頃から以下のことを意識することや、急性腎臓病の原因になるような中毒物(薬物や植物のユリなど)を猫のそばに置かないようにしましょう。

食事に注意する

猫の栄養素製に適した総合栄養食を与えるようにし、慢性腎臓病の診断を受け、獣医師から指示があった場合はタンパク質などを制限することが大切です。

尿の確認

膀胱炎や膀胱結石などから尿道閉塞を起こして、急性腎臓病になることもあります。
日頃から排尿時の様子や尿の色・量を確認し、異常があった場合に、すぐに気付けるようにしましょう。

定期的な検査

7歳以上の猫の3〜4割ほどが慢性腎臓病を患っているとも考えられています。どの年齢でも発症するものの、加齢とともに増加傾向にあります。
とくにシニア期からは、定期的な健康診断を心掛け(年に1度の検査を2度にするなど)、早期発見に努めましょう。

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