更新日:2024年8月21日
猫の結膜炎とは、どのような傷病なのでしょうか?
症状や原因、治療法について見てみましょう。
この記事の監修者
獣医師
三宅 亜希
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
結膜炎とは、上下まぶたの内側にある粘膜で、まぶたと眼球をつなぐ役割をしている結膜に起こる炎症のことです。猫の目の病気のなかでも結膜炎はよくみられますが、原因が特定できないことも多くあります。
結膜炎は、ウイルスや細菌による感染、外傷や砂、ほこりなどの異物、免疫介在性疾患、アレルギー、涙の減少、ほかの眼の病気に続発して起こることがあります。結膜炎を起こすと、涙や目やにが増えたり、結膜が充血したりします。
猫では、ウイルス感染や細菌感染によるものがよくみられます。若い年齢の猫で起こりやすく、生まれて間もない子猫でみられることが多いです。
ウイルス感染による結膜炎は、治療で良化してもストレスがかかった場合に再発することがあります。
結膜はまぶたの内側にある粘膜なので、炎症が起きると目にかゆみや痛みがでて、しきりに目を気にするようになる、涙や目やにが多くなる、目のまわりが常にぬれている、などの症状がみられます。目を気にしてこする場合は、肢などでこするほか、床や家具などに目をこすりつけることもあります。この際に、角膜に傷ができることもあるので、エリザベスカラーをつけるなどして、目をこすれないようにしたほうがいいでしょう。
生後間もない子猫が、目が開く前に結膜炎を起こした場合、まぶたが癒着したり、目が正常に成長しなかったりすることもあります。
感染
猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、マイコプラズマ、クラミジアなどがあります。
とくに猫ヘルペスウイルスの感染は、日本の猫でもよくみられます。
異物が目に入る
ほこり、化学物質などの異物が目の中に入り、結膜に炎症が起こることがあります。
そのほか
アレルギー、外傷、自己免疫疾患、腫瘍、眼瞼疾患、角膜炎、ブドウ膜炎、緑内障などの傷病が原因で結膜炎が引き起こされることがあります。
すべての猫にかかる可能性がありますが、感染性の結膜炎は子猫で多くみられます。
ペルシャは、品種素因として眼瞼内反(※)を起こしやすいといわれており、それに続発して結膜炎が起こるおそれがあります。
投薬
病原体に効果のある点眼薬を使用します。原因によっては内服薬も処方されることがあります。
ウイルス感染の場合は、細菌の二次感染を防ぐために、細菌に効果がみられる点眼薬を併用することが多いです。
また、目の周りを清潔に保つことも大切です。ほかの眼の病気から続発している場合は、原因となっている病気の治療もあわせて行います。
結膜炎にかかってしまった場合、どのくらいの治療費がかかるのでしょうか?
保険会社の保険金請求データをもとにした治療費の例を見てみましょう。
猫種:ペルシャ(1歳)
内容:通院1日
| 診療明細例 | |
|---|---|
| 診療項目(内容) | 金額(円) |
| 診察 | 800円 |
| 処置 | 500円 |
| お薬 | 2,000円 |
| 合計 | 3,300円 |
ワクチン接種
ウイルス感染による結膜炎の予防としては、幼齢期からしっかりとワクチン接種を行っておくことが大切です。
また、ウイルス感染による結膜炎の再発を防ぐために、清潔な安心できる環境で生活し、なるべくストレスを与えないようにしましょう。
飼育環境を整える
目の外傷を起こさないために、完全室内飼育にして、外での事故、猫同士のケンカを避けることも大切です。
室内飼育でも多頭飼育ではケンカをすることもあるので、家の中で、それぞれの猫が1人になれる場所を作ってあげましょう。