更新日:2024年4月23日
猫の血尿の原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
また、血尿の原因として考えられる病気や対処法について見てみましょう。
この記事の監修者
獣医師
三宅 亜希
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
猫の尿に血液が混じっていたら驚く飼い主さんが多いでしょう。血尿が出ている場合、腎臓で尿が作られてから排せつされるまでの間のどこかで出血が起こっており、なんらかの病気やケガの可能性が高いです。命に関わる重篤な病気である可能性もあるので、血尿がみられたら早期の受診をするようにしましょう。
以下の病気などにより、血尿が出ることがあります。
膀胱炎
細菌感染や、膀胱結石(結晶)などが主な原因となりますが、猫の場合、原因不明のことも多い病気です。
細菌感染による膀胱炎は、通常、原因となっている菌に対して効果のある薬を使用することで治りますが、繰り返し膀胱炎になったり、治るまでに長期間かかったりする、難治性のものもあります。膀胱炎になると、よく水を飲む、残尿感から繰り返しトイレに行く、落ち着きがなくなる、といった症状だけでなく、痛みが生じ、膀胱粘膜から出血が起こって血尿が出ることもあります。
結石
泌尿器のどこか(腎臓、尿管、膀胱、尿道)に結石ができることで、出血を起こすことがあります。尿路結石は、水を飲む量が不足していて尿が濃くなったり、食事の内容により、尿に含まれるマグネシウム、カルシウム、リンなどのミネラル成分が増えたり、尿のpHのバランスが崩れたりすることが原因で起こります。また、結石により尿路閉塞を起こすこともあり、完全な尿路閉塞が生じると急性腎不全を発症する可能性があります。
腎疾患
腎臓に結石ができたり、感染による炎症が起こったり、腫瘍ができたりすることが原因で血尿が出ることがあります。
膣や子宮の疾患
犬と比べると一般的ではありませんが、細菌感染により、膣炎や子宮の炎症、子宮蓄膿症などを発症し血尿が出ることがあります。
腫瘍
泌尿器のどこかに腫瘍ができることで、出血を起こすことがあります。
また、腫瘍により尿路閉塞を起こすこともあります。完全な尿路閉塞が生じると急性腎不全を発症することがあります。
ペニスの傷
ペニスに傷がついて、一時的に尿に血液が混じることがあります。
早急な受診
血尿の原因として多いのは、膀胱炎や、結石による出血ですが、腎臓や膀胱の腫瘍から出血をしていたり、悪性腫瘍が原因になっていたりする場合もあります。通常、膀胱炎や結石による血尿で突然全身状態が悪くなってしまうようなことはありませんが、完全な尿路閉塞が起こってしまうと急性腎不全を起こし命に関わります。尿道が細いオスの場合は、とくに注意が必要です。いずれの場合でも、血尿が出ているということは、泌尿器に病気があることのしるしなので、なるべく早い段階での受診が必要になります。自宅で採尿ができそうであれば、尿を持参して受診してもいいでしょう。
血尿が出る主な原因となる泌尿器系の病気にならないよう普段から気をつけてあげましょう。
メスの場合、下痢の際に陰部が汚れていたら拭き取るなどして、清潔に保ってあげましょう。体質的に結石ができやすい場合は、獣医師の指示に従って療法食を検討することも1つの方法です。また、肥満が原因で、水を飲むことや排尿が面倒になって、ギリギリまで我慢することで膀胱炎になることがあります。肥満にならないように食事量をコントロールし、室内でも運動ができる環境を整えて体形を維持することが大切です。