更新日:2025年1月8日
犬の血便の原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
また、血便の原因として考えられる病気や対処法について見てみましょう。
この記事の監修者
獣医師
三宅 亜希
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
犬の便に少量の血がついていたり、下痢に血が混じり始めたりするのを、見たことがある飼い主さんは多いかもしれません。
正常な便に少量の血液がつくことが、まれにあるという程度であれば、さほど心配はありません。
下痢から血便になったり、赤いジャムのような便をしたりするという場合は注意が必要です。
便秘や消化できない異物が混じって、便が固くなった場合、直腸や肛門を傷つけることがあります。
このケースでは、便に少量の鮮血がついたり、おしりを拭いた際にうっすら鮮血がついたりしますが、大きな心配はありません。
しかし、悪化した便秘は病気と同じなので、水分をよく取り、散歩に行くなど、消化管の動きがよくなるように心掛けましょう。
改善しない場合は、食事療法や内服薬などが必要になることがあります。
また、便をするときに痛みを訴える場合は、適切な治療が必要なので、早めに病院に行くようにしましょう。
以下の病気などにより、血便が出ることがあります。
下痢
病気、食事の変更、食べすぎなどで下痢が続いた場合、腸の粘膜から出血があり血便が出ることがあります。
便秘
硬く乾燥した便により、便通が悪くなったり、場合によっては腸の通過障害(腸閉塞など)を起こしたりします。
感染性腸疾患
細菌、ウイルス、寄生虫などの病原体が感染することによって腸の病気になります。
炎症性腸疾患
原因不明の炎症により慢性的に消化器症状を起こします。
腸粘膜が起こす異常な免疫反応が要因と考えられています。
食物アレルギー
特定の食べ物に対してアレルギー反応を起こす場合、食物アレルギーと診断されます。
異物誤飲
異物を飲み込んで、消化管が刺激を受けたり、消化不良を起こしたりすることで血便が生じる場合があります。
腫瘍
犬の腸にできる腫瘍としては、腺癌、リンパ腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、炎症性ポリープなどがあります。
出血性胃腸炎
嘔吐や出血性の下痢を起こし、数時間で病状が悪化します。原因はよくわかっていませんが、腸粘膜への過剰な免疫反応の可能性が疑われています。
何回も便をする、かなりの量の出血が混じる、血便以外にも気になる症状がある(嘔吐、食欲不振、元気がなくなるなど)場合には、ただちに便を持参して病院に行ってください。
たとえば、胃や小腸で出血がある場合は、肛門から出てくるまでに血液が酸化し、黒い便をするようになります。このような便をした場合も、ただちに受診してください。
また、下痢が続くと、直腸の粘膜から出血が見られ、便に鮮血がつくことがあります。加えて、便秘によって粘膜が損傷して出血する場合や、腸にできた腫瘍からの出血、赤い下痢をする出血性胃腸炎もあります。
そのほか、肛門近くの出血では、便に赤い血がつく場合や、出血性胃腸炎のように赤い下痢などをします。
なお、病院を受診した際は、下痢が始まった時期や回数、フード、おやつの種類や量を変更したかどうかを医師に伝えましょう。加えて、家に来客が多かった、旅行していた、ペットホテルに預けていたなど、思い当たるものがあれば、あわせて伝えてください。
以下に、受診の目安について説明します。
病院で治療をしたほうがよい症状について
生後2カ月〜3カ月の子犬が下痢をしている場合や、水様性の下痢をしている場合は受診しましょう。
また、1回の量は少なくても何度も下痢をしている場合や、赤い下痢をしている、下痢以外の症状(食欲不振、嘔吐、元気消失など)が見られるときも受診しましょう。
しばらく様子を見てもよい症状について
成犬で、水様性の下痢や血便もなく、回数も普段と変わらない場合や、下痢以外の症状が特にない場合は、食事量を少々控えつつ、様子を見るとよいでしょう。
下痢や血便を予防するには、食事管理、ワクチン接種、寄生虫予防が重要です。
また、食事は、下痢や血便の原因となる場合が多いため、フードを変更するときは一気に変更せず、これまでのフードに新しいフードを少しずつ混ぜて与えるようにしましょう。
なお、初めておやつを与える場合も、まずは少量からにしましょう。
そのほか、疾患が原因で下痢や血便を起こしている場合は、処方された薬をしっかりと投薬することや、定期的に受診をすることが一番の予防法になります。