更新日:2024年1月31日
犬の鼻水の原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
また、鼻水の原因として考えられる病気や対処法について見てみましょう。
この記事の監修者
獣医師
三宅 亜希
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
犬の鼻はいつも少し湿っています。しかし、くしゃみの直後などを除き、鼻水が垂れているのを見たことがある飼い主さんは少ないかもしれません。
生理現象の範囲内で鼻水がでることはありますが、すぐになめ取ってしまうため、なかなか目にする機会がありません。
そのため、「鼻水がでているな」と感じたときは、相当な量の鼻水がでている可能性があります。
生理現象
鼻水は、鼻の中に刺激があったときに起こる生理現象です。
そのため、ほこりを吸い込んだり、散歩中ににおいを嗅いだり、水を飲んだときに鼻に水がついたりしたときに、鼻水がでることがあっても問題はありません。
以下の病気などにより、鼻水がでることがあります。
ケンネルコフ
伝染性の呼吸器疾患の総称で、「伝染性気管支炎」とも呼ばれる病気です。
主な症状は咳です。原因は、ウイルス、細菌、マイコプラズマ属菌など、さまざまです。
生後6週〜6か月齢の子犬が最も影響を受けやすく、重症化した場合、気管支炎や肺炎などを引き起こすおそれがあります。
鼻炎
鼻の粘膜が炎症を起こしている状態のことです。
鼻の粘膜が刺激を受けることにより、くしゃみ、鼻水などの症状がでます。
鼻水は、最初はサラサラとした形状ですが、ネバネバとした鼻水になったり、膿が混じったり、鼻の粘膜から出血が起こることで血液が混じったりすることもあります。
鼻腔内異物
鼻腔内に異物があるときにくしゃみが起こります。
外から異物が入ったり、嘔吐した際の嘔吐物などが入り込んだりすることが原因となる場合が多いです。
鼻腔内腫瘍
鼻の中に腫瘍ができることは、それほど多くありません。
腫瘍ができると鼻血がでたり、顔が腫れたりすることがあります。
歯周病
歯垢の中の細菌が原因となって起こる炎症です。
歯肉だけではなく、歯や歯の周囲にある靭帯、歯を支える骨にまで炎症が起こることがあります。
具体的には、歯が抜けたり、顔の皮膚に穴が開き歯根にたまった膿がでたりすることもあります。
また、あごの骨に影響し骨折することもあります。
肺炎
病原体が肺に感染することで、肺が炎症を起こす病気です。
食べ物や胃の中のものなどを誤嚥(ごえん:食物などが気管に入ってしまうこと)することにより生じる誤嚥性肺炎や、寄生虫やアレルギーによる肺炎などがあります。呼吸が苦しいためチアノーゼを起こしたり、呼吸困難になったりすることがあります。
嘔吐
胃腸炎でよく見られる症状で、若い犬では誤飲事故による腸閉塞でもよく見られます。
また、中毒、神経の炎症、脳炎などや、臓器の機能不全により血中に毒素がたまり嘔吐することもあります。
嘔吐はさまざまな病気の症状として起こります。
家に来たばかりの子犬が、鼻水がでたり咳をしていたりする場合は、風邪が疑われます。放っておくと、症状が悪化することがあります。
また、重篤な状態となる、ウイルス感染のひとつの症状として、鼻水がでることがあげられます。
とくに、ワクチン接種が終了していない子犬で鼻水などの症状がみられる場合は、早急に病院に行きましょう。
一般的に、鼻の中に炎症や刺激がある場合に鼻水がでます。
炎症や刺激の原因は、細菌感染、ウイルス感染、アレルギー、異物などさまざまです。
また、ひどい歯周病が原因で、鼻の中まで炎症が広がって鼻炎になったり、肺炎や嘔吐などにより、分泌物が鼻の中に続く鼻咽頭に達することで、鼻水がでたりすることもあります。
慢性的に鼻水がでている、大量の鼻水がでている、鼻水に血液が混じっているときは、病院に行き、鼻の中に問題がないか検査するようにしましょう。