更新日:2024年1月31日
犬のいびきの原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
また、いびきの原因として考えられる病気や対処法について見てみましょう。
この記事の監修者
獣医師
三宅 亜希
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
犬が寝ているとき、いびきを聞いたことがある飼い主さんもいるのではないでしょうか?
通常、ちょっとしたいびきは、口呼吸をしたときや、鼻がつぶれて鼻呼吸がしづらい犬種(パグ、フレンチ・ブルドックなどの短頭種)の特徴として生じたりすることもあるため、そこまで心配することはありません。
ただし、呼吸困難を起こすような病気が隠れているケースもあるため、いびきが大きくなったり回数が増えたりするようなときには注意が必要です。
鼻づまり
鼻づまりなどの一時的ないびきは、あまり気にする必要はありません。
一般的に鼻よりも口で呼吸するときのほうが、気道は細くなるといわれているため、鼻づまりを起こしていて、うまく鼻呼吸ができないときなどは、就寝時のいびきが一時的に増えることがあります。
犬種の特徴によるもの
パグやフレンチ・ブルドッグのように、犬種の特徴として、鼻がつぶれているような場合、鼻呼吸がしづらく口呼吸になるため、いびきをかきやすくなります。
その場合でも、いびきの回数や大きさが気になるようなときは病院に行きましょう。
肥満など
いびきは口呼吸の際に気道がふさがれることで起こります。
そのため、肥満などで首周りに脂肪がたくさんついている犬では、いびきをかきやすくなります。
鼻づまりなどの一時的ないびきは、あまり気にする必要はありません。
病院で肥満を指摘されているような場合は、食事量をチェックし、適正体重になるよう計画的なダイエットを心掛けましょう。
以下の病気などにより、いびきが生じることがあります。
鼻炎
鼻の粘膜が炎症を起こしている状態のことです。鼻の粘膜が刺激を受けることにより、くしゃみ、鼻水などの症状がでます。
鼻水は、最初はサラサラとした形状ですが、ネバネバとした鼻水になったり、膿が混じったり、鼻の粘膜から出血が起こることで血液が混じったりすることもあります。
鼻腔内腫瘍
腫瘍ができると鼻から出血があったり、顔が腫れたりすることがあります。犬でそれほど多いわけではありません。
短頭種気道症候群
短頭種(パグ、フレンチ・ブルドックなど)でみられるもので、鼻孔狭窄、軟口蓋過長症、気管虚脱、気管低形成などが起こることで生じる症状です。
鼻の穴が極端に狭い、軟口蓋(人でいうのどちんこ)の部分が垂れ下がっている、気管が正常な形を保てない、という身体的な特徴により、呼吸がしづらい、異常な呼吸音がする、息切れをしやすい、いびきをかく、という症状がみられます。症状が重度の場合は、呼吸困難などを起こすことがあります。
鼻炎や鼻腔内腫瘍など、鼻呼吸がしづらくなる病気、もしくは軟口蓋過長症や喉頭虚脱など気道がふさがれる病気があげられます。
鼻炎や鼻腔内腫瘍の場合は、鼻水が増えたり、くしゃみをしたり、場合によっては鼻水に血液が混じるような症状がみられることが多いです。
また、軟口蓋過長症や喉頭虚脱では、活動時の呼吸でも、異常な呼吸音がしたり、息切れをしやすかったりという症状がみられることが多いです。
鼻づまりなどの一時的ないびきは、あまり気にする必要はありません。
肥満が原因でいびきをしている場合は、食事量をコントロールしたり、散歩などの運動をさせたりすることで、適正な体重となるようにしましょう。
いびきの回数が増える、音が大きくなる、活動中の呼吸が荒くなることがあるというような場合は、たかがいびきと思わずに、就寝時の様子をよく観察し、早めに病院に行くようにしましょう。