更新日:2024年9月10日
犬の耳血腫とは、どのような傷病なのでしょうか?
症状や原因、治療法について見てみましょう。
この記事の監修者
獣医師
三宅 亜希
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
耳介(一般的に耳と呼ばれている部位)にある軟骨内に血液がたまる病気です。
なんらかの原因により耳介の軟骨内で出血し、血液がたまります。突然、耳がぷっくりと腫れるのでびっくりされる飼い主さんも多いです。
基本的に、軟骨の出血は、耳介に強い衝撃が加わることで起きます。
多くは、外耳炎などの病気を患っている犬が、かゆみや不快感から耳をかいたり頭を振ったりするために起こることが多いです。
とくに垂れ耳の犬は、頭を振る際に耳介が頭部に打ち付けられるため、強い衝撃が加わりやすいです。
耳血腫の初期段階では、耳介の軟骨内にたまった血液を何度か抜くことでよくなります。しかし、全身麻酔下での外科的な処置が必要になることも少なくありません。
耳血腫の症状は、耳介がぷっくりと腫れるものです。耳が腫れる前には、耳をかいたり頭を振ったりするしぐさをしていたと考えられます。
また、痛みによりイライラして攻撃性が増したり、耳のそばを触られることを拒んだりする犬もいます。
腫れたまま放置をすると耳が変形してしまうこともあります。
外耳炎(細菌感染、真菌(カビ)感染、寄生虫感染、アレルギー性など)や中耳炎などによる耳のかゆみや違和感から、耳をかいたり頭を振ったりすることにより、耳介の軟骨内で出血が起こると考えられます。
耳が垂れている犬種(ビーグル、ゴールデン・レトリバー、トイプードルなど)や、外耳炎を患っている犬がかかりやすいです。
耳介部にたまった血液を抜く
初期段階であれば、患部に針を刺し、貯留した血液を抜くことでよくなります。ただ、抜いても再度たまるため、血液を抜く治療は、日を置いて数回行う必要があります。
この方法が効かない場合や、耳血腫になってからかなり日数が経過している場合などは、耳介部から常に血液が排出できるよう小さな穴を開けることがあります。
耳介部に血液がたまりにくくする
血液がたまりにくくするため、耳介の皮膚と軟骨を糸で数カ所、縫う処置が行われることもあります。
もちろん全身麻酔下での処置であり、数日間の入院が必要なことが多いです。
外耳炎を起こしているようであれば、点耳薬や耳道洗浄などによる外耳炎の治療も同時に行います。
耳血腫にかかってしまった場合、どのくらいの治療費がかかるのでしょうか?
保険会社の保険金支払いデータをもとにした治療費の例を見てみましょう。
犬種:ゴールデン・レトリバー(4歳)
内容:通院1日
| 診療明細例 | |
|---|---|
| 診療項目(内容) | 金額(円) |
| 診察 | 500円 |
| 処置 | 2,000円 |
| 処方 | 3,500円 |
| 合計 | 6,000円 |
耳をかく、頭を振るなどのしぐさが見られたら早めに病院にいくようにしましょう。また、外耳炎などになっている場合は、そちらの治療を早期に行うようにしましょう。外耳炎は、治療を中途半端にやめると再発してしまい、耳血腫のリスクも高まります。最後までしっかりと治療を続けて完治させることが大切です。