更新日:2025年3月25日
数多くあるペット保険のなかからどのように選べばよいのか迷うこともあるでしょう。 そこで、ペット保険に加入するのが初めての人でもわかるように、「価格.com保険」のコンサルタントが、補償内容の簡単な選び方や、ペット保険を選ぶときに優先すべきポイントを、わかりやすくお伝えします。

インターネットで情報を収集し、オンラインで加入することもできるペット保険。しかしながら、一人で情報を集め、加入する商品を選ぶのは難しいものです。そこで今回は、「価格.com保険」のコンサルタントが、補償内容の簡単な選び方や、ペット保険を選ぶときに優先すべきポイントを、わかりやすくお伝えします。
この記事の解説者

株式会社カカクコム・インシュアランス/保険コンサルタント
川手 謙
ファイナンシャル・プランナー/AFP資格
ファイナンシャル・プランナー/AFP資格
保険コンサルタントのチェックポイント
迷う場合は、「通院あり」を軸に検討しましょう。通院は、ペットとの暮らしのなかでも、入院や手術に比べ高頻度で発生する可能性があります。そのため、実際に保険金を請求する機会も多く※、少額の支払いによる小さな負担も、着実に減らしていくことができます。
※価格.com保険が2023年4月1日〜2024年3月31日に実施した調査では、調査対象となった17,993件の請求のうち、通院補償の請求割合は90%を超えている。詳しくは後述。
川手謙
株式会社カカクコム・インシュアランス/保険コンサルタント
ペット保険は、「通院補償あり」と「通院補償なし」の2タイプに大別されます。通院補償ありのペット保険では、通院・入院・手術のいずれかに費用がかかった場合、区分を問わず保険金を請求することができます。一方、「通院補償なし」のペット保険は、手術・入院にかかった費用を補償する限定的なものであり、通院により治療費が生じた場合には、保険金を請求することができません。
ペット保険を選ぶときには、まず、「通院補償あり」と「なし」、いずれかを選択することが第一歩となります。
どのような人に通院補償ありが適しており、また、手術・入院に限定された通院補償なしはどのような人に適しているのか、次の項目で確認してみましょう。そのうえで迷う場合には、通院補償をつけておくと安心です。
こんな人におすすめ
| 通院補償あり | 通院補償なし |
|---|---|
|
・自己負担した費用が数千円の場合など、比較的少額の治療費の負担も着実に減らしていきたい人 ・ペットの様子がいつもと違うなど、体調への不安を感じたときには気軽に動物病院で診てもらいたい人 |
・通院でかかった費用は全額自己負担し、高額になる可能性が高い手術と入院のみ、ペット保険で備えておきたい人 ・ペット保険には加入したいが、保険料をできるかぎり抑えたい人 |
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保険コンサルタントのチェックポイント
補償割合に迷う場合は、保険料と補償のバランスがよい70%補償を軸に考えるとよいでしょう。50%補償の商品と保険料の差を比較し、70%補償の保険料でも支払っていけると感じる方や、手厚い補償でより安心感を高めたい方には、70%補償が向いているといえます。
川手謙
株式会社カカクコム・インシュアランス/保険コンサルタント
補償割合とは、保険金の支払い対象となる費用のうち、何割が補償されるかを示す割合です。
ペット保険では、50%補償と70%補償の商品が主流となっています。このほか、保険料は高くなる傾向があるものの、同じ補償範囲で90%補償や100%補償といった高い補償割合の商品もあります。
補償割合は、動物病院でかかった費用全額から免責金額(後述)などを差し引いた、補償の対象となる費用に対し、何割を補償するかというものです。
70%補償であっても、「動物病院で支払った全額×70%」を保険金として受け取れるというわけではないことを、あらかじめ確認しておきましょう。
保険料の差額をみる
同じ保険会社が提供している70%補償と50%補償の商品を比較してみるとよいでしょう。保険料の差額を許容でき、なおかつ補償を手厚くしたいと考える方には、治療費が高額になったときにしっかりと負担を抑えられる70%補償が向いているといえます。
一方、差額を確認したうえで、月々の支払いを少しでも抑えたいという場合には、50%補償を軸に検討してみるのもよいでしょう。
ここまでに、@通院補償をつけるかどうか、A補償割合は何%とするか、の2点を順に選択してきました。この2点を決めると、商品をある程度まで絞り込むことができます。
「価格.com保険」の比較機能を使って、@通院補償の有無、A選んだ補償割合を入力すると、ご自身の条件に合致した商品を一覧として閲覧することができます。
つづいて、保険料を比較し、ご自身の加入したい商品をさらに絞り込んでいきましょう。保険料を比べるときには、月々の保険料だけでなく、支払保険料の総額と更新保険料を確認することが大切です。
支払保険料の総額と更新保険料をみるべき理由
ペット保険は1年ごとの更新が必要で、ペットの年齢が上がると保険料も高くなっていきます。0歳時点の保険料は商品Aのほうが安くても、10歳のときの保険料は商品Bのほうが安いというように、将来の保険料の値上がり幅が大きい商品とゆるやかな商品とが存在しています。
ペットが高齢になり、ペット保険を利用する機会が増える時期にも無理なく加入を継続できるよう、支払総額保険料や更新の条件をみて加入する保険を選ぶことが重要です。
また、総額だけでなく、ペットの年齢が上がったときの月払い保険料を示す、更新保険料もみてみましょう。「価格.com保険」では、ペットの年齢ごと※の月払い保険料と年払い保険料を表示することができます。ペットが歳をとったときも、毎月支払える金額の商品を選びましょう。
候補を2〜3商品に絞り込むことができたら、いよいよ商品選びの最後のステップです。
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保険コンサルタントのチェックポイント
5つもポイントがあると、かえって迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。今回ご説明するポイントのなかでもとくに大切なのは「免責金額の有無」です。基本的には、「免責金額なし」の商品を選ぶとよいでしょう。
川手謙
株式会社カカクコム・インシュアランス/保険コンサルタント
免責金額とは、保険会社に保険金支払いの義務がない金額のことです。そのため、免責金額が設定されている場合は、必ずその金額を自己負担することになります。
たとえば、免責金額が3,000円の商品の場合、ペットの治療にかかった費用の総額が3,000円以下のときには、保険金を請求することができません。治療にかかった費用が5,000円の場合は、免責金額3,000円を差し引いた2,000円に、補償割合をかけた額の保険金を受け取る※ことができます。
ここまでのステップで絞り込んだ商品のうち、免責金額ありのものとなしのもので迷う場合には、より少額の治療費も補償される「免責金額なし」を選びましょう。
年間最大補償額とは、1年間の保険期間内に支払われる保険金の上限のことです。たとえば、年間最大補償額が100万円に設定されている場合は、治療費が非常に高額になった場合も、100万円を超える保険金を受け取ることはできません。
年間最大補償額がいくらであるかは、「価格.com保険」の商品一覧で確認することができます。具体的には、70万〜80万円の商品や、200万円を超える商品など、さまざまな年間最大補償額の商品があります。
請求時に困らないためにも、保険を決めるタイミングで、その商品の年間最大補償額をチェックしておきましょう。
なお、年間最大補償額とは別に、通院・手術・入院の診療区分それぞれに、年間最大補償額(あるいは年間限度日数や回数)を設けている商品もあります。
ここまでに、ペット保険を選ぶときには、@通院補償の有無、A補償割合と保険料、B免責金額の有無、の順に絞り込んでいくと述べました。
次にご紹介する補償の制限は、@〜Bに比べ、優先順がやや下がるポイントといえます。@〜Bで絞り込んだ商品が複数ある場合には、より安心度を高めるという目的で、無制限のものを選ぶのもよいでしょう。
1回あたりの限度額
ペット保険の商品には、通院や手術であれば1回あたり、入院であれば1入院あたりの補償の限度額が設けられているものもあります。
また、年間最大補償額は設定されていても、1回あたりの通院・手術・入院には限度額を設けず、無制限としている商品もあります。
1年間の限度日数・限度回数
通院・手術・入院のいずれも、1年間の保険期間中に補償を受けられる限度日数や限度回数が設けられている商品があります。たとえば、通院は年間30日まで、手術は年間3回までといった限度日数・回数を超えた場合は、補償の対象外となります。限度日数・限度回数も、迷ったときは無制限とするとよいでしょう。
待機期間とは、ペット保険の契約後、実際に補償が開始されるまでの期間を指します。待機期間は、ペットが加入前に発症していた病気など、補償の対象外となる病気やケガによる保険請求を防ぐ目的で設けられています。商品によって、ケガは待機期間なしのものや、がんなどの特定の病気に限り待機期間が長めに設定されているものがあります。
待機期間についても、迷う場合は「なし」を選ぶと安心でしょう。
保険金を請求するための手続き方法には、立替精算と窓口精算の2つがあり、前者の立替精算が主流です。立替精算の場合は、動物病院で発行された領収書などの書類を保険会社へ送付することで、後日、保険金を受け取ることができます。
近年では、スマートフォンの普及により、アプリケーションやLINEを用いて、書類の写真を保険会社に送付するという、手軽な手法を採用する保険会社も見受けられます。
一方の窓口精算は、動物病院の受診時に保険会社発行のカード(健康保険証を模したペット保険加入証明書など)を提示することで、治療費全額から保険金を差し引いた額のみを支払うという仕組みです。治療費を一時的に立て替える必要がないこと、保険金の請求に時間や手間がかからないことが、窓口精算の利点といえます。私たちが病院を受診する際に、健康保険証を提示するのと同じ感覚で使えるため、精算のイメージがしやすい方法であるともいえるでしょう。
ただし、窓口精算を導入している保険会社は限られており、また、すべての動物病院が窓口精算に対応しているわけではありません。非対応の場合には、立替精算と同じ方法で保険金を請求する必要があります。窓口精算のペット保険は、保険料が高額になる傾向があるため、請求の手間を省きたい、利便性を重視したいという方に向いているといえます。
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上述のステップで加入したいペット保険を選ぶことができたら、最後にもう一度、ペットの年齢ごとの更新保険料や更新の条件を確認してみましょう。
前述のとおり、ペット保険とは1年ごとに更新する保険であり、また保険料はペットの年齢とともに上がっていきます。
そのため、現時点での保険料だけでなく、数年後の保険料や、ペットが高齢になった場合の保険料も確認して、加入し続けられる商品であるかどうかを確認することが重要です。
ペット保険を選ぶうえで大切なことは、「いざというときに活用できるよう、ずっと加入しつづけられる商品」を選ぶことです。私たちと同じように、ペットも年齢があがるほど病気やケガをしやすくなります。また、高齢ではない場合でも、高額な費用を伴う治療の必要が突発的に生じることもあります。
本当に必要なときにペット保険を活用するために、将来の更新保険料を再確認し、継続的な支払いが難しいと感じる場合には、補償内容を見直すなど再検討してみてもよいでしょう。
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ここまでに、ペット保険を自分で選ぶための3ステップと、各ステップで押さえておくべきポイントをご紹介してきました。最後に、「価格.com保険」を使って実際にペット保険に加入した方が選んだ補償内容などのデータをご紹介します。保険コンサルタントによる、各データの解説や申し込み傾向の分析結果を、ペット保険選びの参考情報としてお役立てください。
保険コンサルタントのチェックポイント
「価格.com保険」を介した申込者を対象に実施した調査では、86%の方が「通院補償あり」を選んでいることがわかりました。
また、調査対象となった請求のうち、通院補償の請求割合は90%を超えています。通院・手術・入院のなかでも、ペット保険を活用する機会が最も多いのは、通院補償といえます。
川手謙
株式会社カカクコム・インシュアランス/保険コンサルタント
2023年4月1日〜2024年3月31日までの1年間に、「価格.com保険」を介してペット保険に加入した申込者を対象としたデータでは、「通院補償あり」の商品を選んだ人が、全申込者の86%にのぼりました。
加入者の多くが通院補償をつけている理由について、別のデータをみてみましょう。
加入者が通院補償をつけた理由は?
ここでは、「価格.com保険」が、2021年4月2日〜9月29日の期間に加入した契約者を対象に実施した、「ペット保険の加入に関する調査」の結果をご紹介します。
「通院補償を付けた理由を教えてください」という質問に対しては、「通院治療による1回の治療も、場合によっては高額になると思ったから」という回答が最多となっています。2位の「ちょっとした体調の変化でも病院へ連れていきたいと思ったから」という回答からは、不安なときに気軽に動物病院につれていきやすくなるという、通院補償つきのプランならではのメリットがうかがえます。
保険コンサルタントのチェックポイント
ペットの治療が高額になった際にも、しっかりと補償を受けられる70%補償は、実際に7割以上のお客さまに選ばれています。50%補償の商品と比較すると保険料は高くなりますが、保険料の安さだけでなく、補償割合とのバランスを考えて加入する商品を選んでいる方が多いと考えられる結果となりました。
川手謙
株式会社カカクコム・インシュアランス/保険コンサルタント
「価格.com保険」を通して、2023年4月1日〜2024年3月31日の期間にペット保険に加入した人を対象とした調査のデータでは、73.13%と7割以上の方が70%補償を選んでいます。
次いで50%補償が16.28%となりました。
この結果から、先述したように70%補償の商品と50%補償の商品では、月の支払保険料が大きく変わりすぎないこと、それであれば補償を手厚くして、高額な治療費がかかった場合に備える方が多いことが推測されます。
また、私たちの公的医療保険制度が原則3割負担※であることから、70%補償の保険を選び、ペットの治療費の自己負担額を3割程度に抑えることが、多くの人にとって負担減をイメージしやすいという、日本ならではの背景も関係していると考えられます。
保険コンサルタントのチェックポイント
保険料の安さだけでなく、補償内容とのバランスをみて商品を決める方が多いようです。ここまでに述べたように、通院補償をつけるかどうか、補償割合は何%とするのかを考えたうえで保険料を比較すると、ご自身の状況に適したバランスのよい商品を絞り込めます。
川手謙
株式会社カカクコム・インシュアランス/保険コンサルタント
「ペット保険の加入に関する調査」にて、ペット保険を選ぶ際に重視した点を質問した項目では、「保険料と補償内容のバランス」が79.3%で最多となりました。次いで「保険料の安さ」が2位となっており、3位は「周囲やインターネットでの評判のよさ」となっています。
評判のよさといった情報を集めるためのツールとして、「価格.com保険」の「人気のペット保険ランキング」も役立ちます。ぜひ参考にしてみてください。
今人気のペット保険がわかる!
いかがでしたか。今回ご紹介したプロのおすすめする選び方を、もう一度確認してみましょう。
これらのステップを踏んで商品を決めることができたら、オンラインから申し込むことで、より早く、よりお手軽にペット保険に加入することができます。
この記事の監修者

CFP(R)資格/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/住宅ローンアドバイザー/宅建士/2級DCプランナー/平野FP事務所
平野 敦之
東海大学卒業後、証券会社・損害保険会社で実務を経験した後に独立。相談業務や執筆、大学講師や企業研修などを行う。メディア出演多数。
東海大学卒業後、証券会社・損害保険会社で実務を経験した後に独立。相談業務や執筆、大学講師や企業研修などを行う。メディア出演多数。
「価格.com保険」コンサルタントの川手謙です。難しいと思われがちなペット保険の選び方ですが、実はたったの3ステップで、ご自身にあった商品を絞り込むことができます。早速、私と一緒に選んでいきましょう。