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HBs抗原・HCV抗体 | 血液検査
HBs抗原・HCV抗体の結果が陽性だとどのような病気が疑われるのでしょうか?
検査値の見方、疑われる疾病、そしてその改善方法について医師が解説します。
2023年4月12日更新

B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス感染を調べるための指標です
人の肝臓に感染し、肝炎を起こすウイルスとしてA〜E型までの5種類が判明しています。頻度や肝臓障害の観点から重要なのはB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスです。
日本における肝細胞がんの発生要因の約15%がB型肝炎ウイルス感染、約60%がC型肝炎ウイルス感染によるとされているためです。
肝炎ウイルス検査(HBs抗原・HCV抗体)はこれらのウイルス肝炎に感染している人をふるい分けるためのスクリーニング検査として行います。
陽性(+)であれば、現在、B型肝炎ウイルスに感染していることを示します。
陽性の場合、自覚症状がないB型肝炎ウイルス保有者(無症候性HBVキャリア※)、B型急性肝炎、B型慢性肝炎、B型肝硬変、などが考えらます。
※キャリアとは、肝炎ウイルスは体内に保有しているが、肝炎は発症していない(血液検査のASTやALTが基準範囲内)ことをいいます。
本来は、ウイルスの存在は「抗原」陽性で診断しますが、HCV(C型肝炎ウイルス)の場合はウイルスの性質上、抗原検査ができません。C型肝炎ウイルスに感染すると体内でHCV抗体という抗体が作られます。本来「抗体」が体内でできると治ったことを意味しますが、HCV感染の場合は、現在も感染状態にある場合と、すでに治った場合いずれでもHCV抗体陽性となります。
抗体陽性者の30〜40%は現在の体内にウイルスは存在せず、過去の感染歴を現しているといわれています。
現在ウイルスが存在するかどうかはHCV-RNA検査を行うことでわかります。
感染力はきわめて強く、極少量の血液や体液でも感染が成立することが知られています。
B型肝炎ウイルスは、感染者の母親から胎児への感染(胎盤を通じての感染)や、医療行為・性行為などによる感染(人と人の間の感染)を介して広がります。
症例数は1994〜2004年までは増加傾向でしたが、1986年にB型肝炎ウイルス感染の母親から生まれた子ども対するB型肝炎ワクチンの接種が導入されたこともあり、近年では症例数が減少しています。
また、2016年からは全出生児にB型肝炎ワクチン接種となりました。
首都圏のB型急性肝炎ウイルス感染者の平均年齢は32歳で、男性が84%を占めています。感染経路については79%が性感染と推定されています。
人の免疫排除機構から効率的に逃げてしまうため約70%の確率で慢性肝炎へと移行してしまいます。慢性肝炎になってしまうと自然治癒することは非常にまれです。
感染しても自覚症状がでにくいため、医療機関での治療がされないまま、20〜40年を経て肝硬変となります。
肝硬変からは年率5〜7%と高い確率で肝細胞がんを発症します。
たとえば40歳のC型肝炎ウイルス保有者(キャリア)の方が適切な治療を受けずに放置した場合、70歳までに約20〜25%が肝細胞がんに進展すると予測されています。
感染経路は、以前は輸血でしたが、近年では献血時のウイルスチェックにより輸血による感染は無くなりました。
現在では性感染、覚せい剤など素人による静脈注射や入れ墨、感染者とのカミソリの共有、不衛生なピアスの穴開け行為などが原因と考えられます。
B型急性肝炎は自然治癒傾向の強いため、肝機能を改善させるための治療は行わないことが原則となります。
B型慢性肝炎はインターフェロン製剤、核酸アナログ製剤などによる治療を行います。
インターフェロンフリー治療という治療を行います。最近ではほぼ100%の症例でC型肝炎ウイルスの排除が達成可能です。
しかしながら、ウイルス排除後も肝発がんリスクは残存します。排除後の5年・10年の発がん率は、それぞれ2〜9%、3〜11%と報告されています。
そのため、年2回程度の血液および超音波などの画像検査による肝がんのスクリーニングが必要となります。
肝臓の線維化がすでに進展している高齢者や、飲酒者、糖尿病罹患者は肝臓がん発症のリスクが高いため特に注意が必要です。
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2023年4月12日時点の情報となります。
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