医療保険とは?
よく耳にする医療保険ですが、主に病気・ケガによる医療費の支出に備えて加入する保険で、正確には公的医療保険と民間医療保険の2つに分けられます(表1-1)。
民間医療保険の代表的な種類としては、終身医療保険と定期医療保険があります。
私たちは病院で診察を受けた場合に健康保険証を提示しています。これは公的医療保険にあたり、小学校入学前であれば医療費2割負担、小学生以上69歳以下であれば医療費3割負担で診察や治療が受けられます。
これに対し、民間医療保険は、入院・手術など医療費が高額になりやすい治療に備えて公的医療保険の補てんを目的として加入する保険となります(図1-1)。
(表1-1)医療保険の種類
大分類 |
小分類 |
被保険者 |
保険者 |
給付事由 |
民間医療保険 |
終身医療保険 |
保険会社の加入条件を満たせば、誰でも契約可能 |
保険会社 |
保険会社の規定によるが、治療を目的として病気・ケガで入院・手術した場合 |
定期医療保険 |
女性保険 |
引受基準緩和型保険 |
公的医療保険 |
1.健康保険 |
健康保険組合 |
常時700人(同業を集めた場合は3,000人)以上の加入者となる企業の従業員 |
健康保険組合 |
業務以外の病気・ケガ、出産、死亡 |
全国健康保険協会 (協会けんぽ) |
健康保険組合に加入していない企業の従業員 |
全国健康保険協会 |
2.船員保険 |
船員 |
全国健康保険協会 |
3.共済組合 |
公務員、私学教職員 |
各種共済組合 |
病気・ケガ、出産、死亡 |
4.国民健康保険 |
自営業、退職者など (1〜3の未加入者) |
市区町村 |
病気・ケガ、出産、死亡 (退職者は、病気・ケガ) |
保険用語の解説
用語 |
読み方 |
解説 |
被保険者 |
ひほけんしゃ |
保険の対象となる人のこと。民間の医療保険では、被保険者が病気・ケガで入院した場合に給付金が支払われる。 |
保険用語の解説
用語 |
読み方 |
解説 |
保険者 |
ほけんしゃ |
保険契約の当事者として、保険事故が発生した場合に保険金や給付金を支払う者。 |
保険用語の解説
用語 |
読み方 |
解説 |
給付事由 |
きゅうふじゆう |
給付金を支払う原因となる事象のこと。 |
入院と手術が主な保障になる!
民間の医療保険は、「入院」と「手術」が主な保障になります(図1-1)。入院した場合には、1日につき5千円や1万円という形で入院給付金を受け取れます。ただし、入院初日から受け取れる場合と「入院○日目から給付」となっている場合があるのでご注意ください。また手術をした場合には、「1回○万円」という形で、手術給付金を受け取ることができます。この金額は「入院給付金の○倍」という形で決められている場合や、手術の種類によって「1回○万円」と決められている場合があります。
(図1-1)医療機関における民間医療保険の保障範囲
特約をつけることで保障を手厚くできる!
民間の医療保険は、主契約(しゅけいやく)と特約(とくやく)の2つの構成でできています。
主契約は、保険加入の基礎(ベース)となる契約です。特約は、主契約に上乗せするオプション部分です。特約にはさまざまな種類(表1-2)がありますが、特約をつける場合には、「特約の保険料がいくらなのか」「特約の保険期間はいつまでなのか」の2点に注意する必要があります。
(表1-2)医療保険の主な特約の種類
-
- 通院特約
- 退院後にその病気の治療を目的として通院をした場合に、通院給付金が受け取れます。(医療保険の通院保障について詳しく読む)
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- 先進医療特約
- 厚生労働大臣が定める先進医療(一般の医療水準を超えた技術)の治療を受けたとき、自己負担した先進医療技術料を保障します。
-
- 女性疾病入院特約
- 乳がん・子宮筋腫など、女性特有の病気で入院した場合に、入院給付金や入院限度日数が上乗せされたりします。
-
- 生活習慣病特約
- 糖尿病、高血圧、脳卒中など所定の生活習慣病で入院した場合に、入院給付金や入院限度日数が上乗せされたりします。
-
- 三大疾病特約
- 三大疾病と言われるがん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中のいずれかと診断された場合、「診断給付金」や、「入院給付金」「入院一時金」などの給付金が受け取れます。
(図1-2)民間の医療保険の保障範囲イメージ
医療保険で押さえておくべき6つのポイント
初心者が民間の医療保険を選ぶ場合に、押さえておくべき6つのポイントがあります。
まず、保障内容として「①いつまで(保険期間)」「②いくらの入院保障(入院給付金)」をかけ、「③何日まで保障(1入院限度日数・通算入院限度日数)」されるのか、「④入院以外にどんな保障」をつけるのかです(図1-3a)。
つぎに、保険料として「⑤いくらの保険料」を「⑥いつまで払う(保険料払込期間)」のかというポイントです。長期間の払い込みにすれば、毎月の保険料負担を抑える事ができますが、老後の負担は増加します(図1-3b)。
医療保険とがん保険の違いとは?
医療保険は、がんの治療で入院・手術した場合も保障しますが、がん保険は、治療の原因を「がん」のみに絞りんでいます(図1-4)。がんの治療は、他の病気と比較して費用が高くなりがちですし、長期の通院になる場合があります。そこで、がんの治療費を手厚く保障するために、がん保険が存在します。
(図1-4)医療保険とがん保険の保障範囲の違い
また、保障内容の違いとして、医療保険は入院給付金を給付できる日数に限度が設けられていますが、がん保険では、入院限度日数はありません(表1-3)。ただし、がん保険では、申込みをして初回の保険料を振り込んでも、すぐに保障開始(責任開始という)にはなりません。通常は90日間の猶予期間(ゆうよきかん)が設けれており、この期間を過ぎなければ保障が開始されません。
(表1-3)医療保険とがん保険の保障内容の違い
比較項目 |
医療保険 |
がん保険 |
入院日数 |
限度日数あり |
限度なし |
保障開始 |
猶予期間(待機期間)なし |
通常、90日間の猶予期間あり |
民間の医療保険の種類と特徴を比較
終身型は、一生涯を保障するため、病気になりがちな老後の医療費に備える保険と言えます。これに対し、定期型は、預貯金の少ない一定期間をカバーしたり、定期的に保険の見直しを考えている方向けの医療保険と言えます。
引受基準緩和型(ひきうけきじゅん・かんわがた)は、引受条件(保険に加入する条件)を緩和しているため、持病や健康上の理由で保険加入をあきらめていた方でも加入しやすい医療保険で、無選択型(むせんたくがた)は、医師の診査や告知書による告知なしで入れる医療保険となっています。
(表1-4)医療保険の特徴比較
医療保険の 種類 |
通常の医療保険 |
女性特有の病気に 手厚い保険 |
持病があっても入り易い保険 |
終身医療保険 |
定期医療保険 |
女性保険 |
引受基準緩和型・ 無選択型保険 |
保険期間 |
加入から一生涯。 |
加入から契約時に決めた日(満期)まで。つまり、一定期間。ただし、満了日に更新可能な場合もある。 |
終身型と定期型がある。 |
終身型と定期型があるが、終身型が多い。 |
入院給付金 |
「日帰り入院から給付」される場合と、「○日目の入院から給付」される場合がある。 |
女性特有の病気で入院した場合に、入院給付金が上乗せされる場合がある。 |
加入後、一定期間は支払削減期間と呼ばれる保障を削減する期間が設けられている場合がある。 |
入院限度日数 |
商品ごとに異なるため、医療保険の種類ごとの特徴はない。 |
月払い 保険料 |
一生涯、変わらない。同じ保障内容の定期型と比較すると割高になる。 |
保険期間中は変わらない。ただし、更新した場合は変わる。同じ保障内容の終身型と比較すると割安になる。 |
保険期間中は変わらない。同じ保障内容であれば定期型と比較すると終身型は割高になる。 |
保険用語の解説
用語 |
読み方 |
解説 |
保険期間 |
ほけんきかん |
保険会社が保険金や給付金などの支払い責任を負う期間のこと。保障期間と呼ぶ場合もある。 |
保険用語の解説
用語 |
読み方 |
解説 |
入院給付金 |
にゅういんきゅうふきん |
病気や不慮の事故を原因として、保険の対象者(被保険者)が治療を目的に入院した場合に、保険会社から支払われる契約上の金額のこと。 |
みんなは、どんな医療保険に加入しているの?
結局のところ、他のユーザーは、どんな医療保険に加入しているのでしょうか?
そこで実際の契約者の割合を集計し、医療保険における相場を年齢別・保障内容別に分析しました。
カカクコム・インシュアランスの保険コンサルタントが解説させていただきます。
-
どんな種類の医療保険に加入しているの?
-
保険料は、いくらで契約しているの?
-
保険期間は、いつまでの契約にしているの?
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1日あたりの入院給付金は、いくらで契約しているの?
-
1回の入院限度日数は、何日で契約してるの?
調査概要:カカクコム・インシュアランスにおける契約者調べ 調査期間:2019/1〜2019/12
集計対象保険会社:オリックス生命、チューリッヒ生命、アクサダイレクト生命、ライフネット生命、T&Dフィナンシャル生命、ネオファースト生命、朝日生命、ソニー損保
医療保険の選び方
民間の医療保険の主な目的は、公的医療保険でカバーしきれない入院・手術時の医療費の補てんです。病気・ケガになった場合に必要になる費用(支出=先進医療費+医療費+入院中の差額ベッド代+入院中の収入減少)と、社会保険制度からどんな保障を受けられるのか(収入=高額療養費制度からの給付+休業補償給付もしくは傷病手当金)を把握しておく必要があります。
また会社員の方は、ご自身の会社の福利厚生に付加給付制度があるか確認してみましょう。1か月間の医療費が健康保険組合の決めた限度額を超過した場合、費用を払い戻す制度となり自己負担額が少なく済みますので社会保険による保障は必要最低限でもよいかもしれません。
(図5-1)入院・手術時に発生する収支イメージ
- (※)先進医療が必要になることは、めったにありませんが、発生した場合は全額自己負担になります。
病気・ケガで入院した場合に必要な医療費はいくら?
まず、入院でどのくらい費用が必要になるのかを確認しましょう(表5-1)。在院日数が長い病気ほど、窓口での支払総額も多くなりますが、健康保険などの公的医療保険の加入者は「高額療養費制度」で保険診療の1か月の自己負担限度額が決められているため、医療費の自己負担総額は(表5-1)に示すような金額になります。
ただし、高額療養費制度が適用されない費用があるという点に注意する必要があります(次節参照)。
(表5-1)主な傷病別の目安の入院費用
傷病分類 |
主な傷病名 |
退院患者 平均在院日数 |
入院 |
3割負担の場合 |
高額療養費制度を 適用した場合 |
1日あたりの費用 |
めやす窓口 支払総額 |
めやす自己負担総額※1 (標準報酬月額28万〜50万円の方・70歳未満) |
胃の悪性新生物 |
胃がん(胃癌)など |
19.3日 |
15,100円 |
290,700円 |
87,100円 |
その他の脳血管疾患 |
脳卒中など |
21.9日 |
14,600円 |
320,000円 |
88,100円 |
その他の心疾患 |
不整脈/心不全/心房細動など |
25.7日 |
15,600円 |
400,100円 |
90,800円 |
その他の消化器系の疾患 |
逆流性食道炎/クローン病/胃腸炎など |
9.5日 |
12,900円 |
122,300円 |
81,500円 |
その他の損傷、その他の外因影響 |
脱臼/身体のケガ・傷など |
19.4日 |
11,000円 |
213,600円 |
84,600円 |
喘息 |
喘息など |
9.4日 |
9,200円 |
86,000円 |
80,300円 |
胆石症、胆のう炎 |
胆石症/胆のう炎 など |
16.5日 |
15,500円 |
254,900円 |
85,900円 |
- 参考:厚生労働省「医療給付実態調査 平成28年度」「患者調査 平成29年」
- 「退院患者平均在院日数」は、手術ありと手術なしの単純平均。厚生労働省 患者調査 平成29年 「閲覧第76表 退院患者平均在院日数,性・年齢階級×傷病中分類×手術の有無別」より
- 「1日あたりの費用」は、試算期間における1日あたり3割負担の場合の入院費用。医療給付実態調査 報告書 平成28年度「第3表 疾病分類別、診療種類別、制度別 件数・日数(回数)・点数(金額)」より
- 「めやす窓口支払総額」は、試算期間における入院時の総医療費を3割負担した場合の費用。医療給付実態調査 報告書 平成28年度「第3表 疾病分類別、診療種類別、制度別 件数・日数(回数)・点数(金額)」より
- ※1 高額療養費制度を適用した場合の金額は、退院患者平均在院日数と入院費用 3割負担の場合、めやす窓口支払総額を元に、月初(1日)から入院したと仮定し、「区分ウ 標準報酬月額28万〜50万円の方・70歳未満」の条件で計算しています。差額ベッド代や食事代、先進医療の費用など健康保険の対象にならない費用は含まれません。
- 上記「主な傷病別の目安の入院費用」表内の各金額は、算出された値を10円単位で四捨五入した金額です。あくまでめやすとしてご覧ください。
公的医療保険でカバーできない費用
差額ベット代(差額室料)と呼ばれる入院中の部屋の料金については、健康保険などの公的医療保険は適用できません(高額療養費制度も適用されない)。つまり、全額自己負担となります。通常、6人部屋には差額ベッド代はかかりませんが、1〜4人部屋を利用すると、「室料差額」として病院から請求されるのが「差額ベッド(特別療養環境室)代」になります。6人部屋に空きがないなどの理由で個室を利用せざるを得ないケースもあるためご注意ください。この差額ベッド代が必要になる条件は以下の通りです。
- (1)病室の病床数は4床以下であること。
- (2)病室の面積は一人当たり6.4平方メートル以上であること。
- (3)病床のプライバシーを確保するための設備(仕切りカーテンなど)があること。
- (4)個人用の「私物の収納」、「照明」、「小机等及び椅子」の設備があること。
差額ベッド代は、病院が自由に設定してもよいことになっています。そのため、一概にいくらとは言えませんが、1日あたり数千円から1万円を超える場合もあります。
また、このほか、「先進医療」の技術料も全額自己負担となります。これは、一般の保険診療で認められている医療の水準を超えた最新の先進技術として厚生労働大臣から承認された医療行為のことです。
入院中の収入の減少
忘れがちですが、入院中の収入減少も考慮しなければいけません。有給休暇を利用できたとしても残業手当は一切つきませんし、長期入院になれば有給休暇すらなくなる恐れがあります。有給休暇がなくなった場合、会社員や公務員(健康保険組合・共済組合の加入者)は、「傷病手当金」という制度を利用することになります。これは、3日連続で会社を休んだうえで、4日目から1日につき、標準報酬日額の3分の2に相当する額が最大で1年6カ月間支給されます。つまり、長期休暇の場合、サラリーマンは約30%の収入減で済みます。しかし、国民健康保険の加入者である自営業者などは、傷病手当金の制度がないためリスクは高まります。
(図5-2)傷病手当金のイメージ
入院中の自己負担は、いくらになるのか?
具体的にいくらの自己負担が必要になるかはケース・バイ・ケースですが、42歳、標準報酬月額45万円の会社員が有給休暇なしの状態で1か月の入院をした場合(医療費3割負担で15万円、差額ベッド代は1日3000円、先進医療なし)の自己負担と収入減少の総額は約32万円(1日あたり約1万円)となります。(図5-3)なお、先進医療を受ける場合は全額自己負担となります。
(図5-3)会社員が、1か月間入院した場合の自己負担例
医療保険で保障されない場合とは?
保障されない場合を「免責(めんせき)」と言いますが、一般的には(表5-2)のような項目があげられます。もちろん保険会社各社の商品によって異なるため、加入前に免責事由(めんせきじゆう)は必ずご確認ください。
(表5-2)医療保険で保障されない主なケース
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- 検査入院、自然分娩で入院など
- 治療を目的としてない入院は保障されません。
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- 入院を伴わない通院
- 通院給付金が付いていても、「所定の入院の後の」という条件がついている場合は保障されません。
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- 加入前からの持病や既往症
- 一般的に加入後に発生した病気・ケガを対象としていることがほとんどです。
-
- 限度日数を超えた入院の場合
- 1入院限度日数(1回の入院限度日数)と通算入院限度日数(保険期間中の累計の入院限度日数)の2つがあり、限度日数を超えた場合は保障されません。
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- 入院に免責日数がある場合
- 免責日数とは、「○日以上入院した場合に、○日目から給付」という保障されない日数の条件です。入院1日目から保障される場合もあります。
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- 給付対象でない手術をした場合
- 対象となる手術は、商品によって異なりますが、一般的には、88種類(乳房の手術、筋骨の手術、呼吸器・胸部の手術など)に分類されています。
加入するタイミングはいつがベスト?
入院患者数は、30歳を過ぎたあたりから緩やかに増え始め、50歳を過ぎると急激に増え始めます(図5-4)。つまり、医療保険は、老後に備える保険ともいえます。では、40〜50歳になったら入れば良いのかと言うと必ずしもそうとは言えません。理由は3つあります。
1つ目の理由は、契約する年齢が上がれば、契約後に支払う月払い保険料も上がるからです。保険は契約者の平均余命や入院確率に基づいて保険料が決まります。余命が短く、入院しやすい人は保険料も上がってしまう訳です。
2つ目の理由は、告知義務があるからです。「過去XX年以内の検査・治療・入院・手術の有無」等について告知する必要があります。この告知内容によっては、契約ができなくなります。つまり、いずれ加入するなら健康なうちに加入しておいたほうがいい訳です。
3つ目の理由は、若い時ほど医療費に対応する貯蓄がないからです。新社会人や貯蓄がない家庭では、骨折などのケガで数万円の医療費を支払っただけでも、家計には痛手になります。
(図5-4)年齢階級別の入院・外来患者数
- 出典元:厚生労働省「平成29年患者調査 11 推計患者数,入院−外来 × 性・年齢階級 × 病院−一般診療所別」
以上が基本的な医療保険の選び方です。健康に自身がない場合や、希望の医療保険が見つからない場合は、保険のプロに相談してみるのも1つの方法です。
健康診断結果と医療保険
医療保険に加入する際、現在の健康状態を告知したり健康診断書・人間ドックの結果表の提出や医師による診査も必要とする場合があります。
健康状態の良くない人も無条件に契約できて、保険会社から多額の保険金や給付金等を受け取ることができてしまうと、加入者間の公平性が保てなくなるからです。
そのため、健康診断書の結果によっては保障条件に制限が出たり、場合によっては加入できない商品もあります。
ただし、健康状態が悪いからと言って、医療保険自体に加入できないわけではありません。条件はありますが「引受基準緩和型医療保険」や「限定告知型」と呼ばれる保険の中から選ぶことができます。
健康な場合は健康体割引などが適用される商品もあります。最近では毎年の健康診断の結果に応じて割引が適用される「健康増進型保険」という商品も増えてきています。
加入時だけでなく、健康で居続けると保険料が割引されるといった特徴のある商品です。
自身の健康状態を把握することは最適な保険選びにもつながります。
付加給付制度ってなに?
付加給付制度とは1か月間の医療費が健康保険組合の決めた限度額を超過した場合、費用を払い戻す制度です。大手の企業が加入している健康保険組合に限られた福利厚生制度のため、国民健康保険に加入する自営業者にはこの制度はありません。
付加給付制度は、通常、会社から支給される福利厚生ハンドブックに記載されていますが、呼び名が各健康保険組合により異なります。「一部負担金払戻金」「療養費付加金」などとも呼ばれるため、ご自身の会社の福利厚生に付加給付制度があるか確認してみましょう。
付加給付制度が利用できれば高額医療費制度以外にも給付が受けられるので、医療費がかさんだ場合にも自己負担額は少なく済みます。
付加給付制度がある健康保険組合に加入している方には社会保険による保障は必要最低限でもよいかもしれません。
医療保険の最新動向
2020年7月掲載