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医療保険を学ぶ
医療保険とは、どんな特徴がある保険なのでしょうか? 医療保険の種類や主な保障、加入を検討するときの注意点についてくわしく解説します。
医療保険には、国が運営する制度である「公的医療保険制度」と民間の保険会社が販売している「医療保険」という保険商品の2つがあります。単に医療保険というと、両方を混同しているケースも珍しくありません。基本的に「国の医療保険制度」をベースとして、そこに上乗せしたり、民間の医療保険でないと受けられない保障・サービスなど付加したりする場合に、「民間の医療保険」でカバーするイメージを持っておくといいでしょう。
そのため、「民間の医療保険」を検討する際は、まずベースとなる「公的な医療保険制度」について自分がどのような制度を利用できるのか確認しておく必要があります。
「公的医療保険」において医療費負担は、現役世代なら勤め先の健康保険があるため3割負担で済みます。仮に3割負担の医療費が30万円など高額になった場合でも、一般的な収入(年収約370万〜770万円)のケースなら、高額療養費制度を利用すれば、実質的な医療費は9万円弱になります(食費や差額ベッド代などは含まず)。また業務以外での病気やケガで会社を休むことになった場合でも、会社員など勤めの人は傷病手当金があるため、要件を満たせば1年6か月は毎月の収入(直近の12か月の標準報酬月額の平均)の2/3が支給されます。このほかにも、勤務先にどんな福利厚生があるか併せて確認しておきましょう。
まずは「公的医療保険」をしっかり把握し、自分にはどんな保障を上乗せする必要かあるか考えたうえで「民間の医療保険」を検討するとよいでしょう。
民間の医療保険は2001年に完全に自由化されました。その後、医療保険も医療技術の進歩や国の政策、社会環境などの変化に合わせて少しずつ変わってきています。
ほかの保険商品と同様に、医療保険にも一定期間で祝い金などが支払われるタイプや、保険料の一部などが戻ってくるタイプはありますが、主流は終身タイプの掛け捨てタイプです。また、どの生命保険会社もシンプルな医療保険のほかに、対象者を絞った商品を別に提供しています。具体的には、健康が気になる人向けの引受基準緩和型の医療保険や女性固有の病気を手厚く保障する女性向けの医療保険などです。
個別のニーズに合わせてこれらの医療保険を使っていくといいでしょう。
医療保険にはさまざまな保障があり、これまでは入院給付金を中心に手術給付金などの保障で医療費をカバーしていました。1回の入院日数が定められている入院給付金は、入院日数が短期化していることもあり、60日程度で設定するケースや一時金で対応するケースが中心になりつつあります。これらのほかに、特約を付帯することで商品プランをニーズに合わせて設計できるものが増えています。
医療保険は主契約となる本体の保障だけでなく、特約をつけることでさまざまな保障を増やすことが可能です。
たとえば医療保険には次のような特約があります。
先進医療特約
厚生労働大臣から承認を得た高度な医療技術を用いた治療(先進医療)を受けた場合の保障
がん診断一時金特約
がんと診断された場合に一時金が支払われる保障
三大疾病特約
がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)で、所定の要件を満たしている場合に一時金が支払われる保障
女性疾病入院特約
女性特有の病気で入院した場合、通常の入院時に支払われる給付金に上乗せされる保障
通院給付特約
入院給付金が支払われる入院を経て退院した後、通院した場合に給付金が支払われる保障
就業不能特約
病気やケガで就業不能状態となり一定の期間継続している場合に給付金が支払われる保障
死亡保障の特約
死亡した場合の保障
これらは医療保険の特約の一部です。医療保険につけることができる特約は多岐に渡り、最近は介護関連の保障や就業不能時の所得をカバーする特約なども増加傾向にあります。主に医療費に関連するものをカバーする医療保険ですが、各生命保険会社で商品性にかなり違いがあります。どこも同じようなものとは考えないようにしてください。
医療保険は自由化されてから実は何度も内容が変わってきています。たとえば日帰り入院から保障の対象、対象となる手術の要件の見直し、先進医療に対応した特約、ここ数年は入院日数の短期化に伴う一時金や通院への保障の拡充などです。
医療技術はどんどん進歩していきますし、国の制度も変わっていきます。いつの時代もすべてに対応することは難しい面もありますが、今後の動向を踏まえつつ、現在の医療保険の動向を押さえておくことがポイントです。
また、医療保険に限らず生命保険会社全般にいえることですが、最近の傾向として、「保障」とは別に健康増進への支援やそれによるインセンティブ(割引など)、病気になったときの付帯サービスの提供なども活発です。具体的には病気になったときだけお金を支払うのではなく、健康を維持するためのプログラムの提供や支援、それを維持したときに保険料を割安にするといった健康増進への取り組みなどがあります。この予防についてのサービスは今後一層活発になっていくでしょう。
ほかにも病気になったときの健康相談や医師の紹介などの付帯サービスの提供も増えています。意外と知られていませんが、夜中に子供や高齢の親の具合が悪くなったときなどに24時間電話で相談にのってくれる、治療に関するセカンドオピニオンを受けられる、専門医の紹介状発行制度などもあります。
医療保険においても単純に保障や保険料だけでなく、今後はこうした分野のサービスにも目を向けていくことが必要です。
2018年4月に保険会社が保険料を決める基となる「標準生命表」の改定がありました。一般的に死亡率が下がり長生きになると医療費はかかりがちなので医療保険は値上がり傾向になります。このあたりは、各社戦略が異なるので動向をチェックしてみましょう。
実際に医療保険の加入を検討する際に注意するポイントをチェックしておきましょう。
公的医療保険制度をベースに民間の医療保険を考えることはすでにお伝えしたとおりです。病気になった場合の心配ごとや困りごとについて保障したいと考えていると思いますが、単に医療費が心配なのか、就業不能で収入が止まったら心配なのかの違いでも備える保障の重点ポイントは変わってきます。
大企業に勤めている人とフリーランスの人、独身の人と幼い子供がいる人など個別のケースでも必要なポイントは違います。
医療保険は年齢が上がると保険料もアップしていくのが一般的です。そのため年齢を重ねて高齢になると健康上の数値で保険契約時に引っかかる可能性が増えてきます。年齢にもよりますが、こうしたことは意識しておいてください。
既存の医療保険があってこれを解約して新たな保険に切り替える場合には特に注意が必要です。加入している医療保険を先に解約してしまった後、健康状態に問題があることがわかって新たな医療保険に加入できないケースがあります。自覚症状がないものもありますし、健康に過ごせていても諸々の数値上、保険契約の引受ができないこともあります。医療保険の加入でもさまざまなケースがあるので、いまの契約の解約なども行う場合にはこうした点には十分注意してください。
民間の医療保険は、あくまで公的医療保険の上乗せ保障となります。公的医療保険でどの程度保障されるのか、民間の医療保険で保障すべき部分はどこなのかを把握したうえで加入を検討するようにしましょう。ご自身で把握することが難しい場合は、保険のコンサルタントに相談することも可能です。詳しくは「保険相談」をご覧ください。