高額療養費制度があれば、医療保険は必要ない!?

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2013年4月01日掲載

高額療養費制度があれば、医療保険は必要ない!?

たとえ高額な医療費がかかったとしても、その負担を軽減してくれるのが「高額療養費制度」。一体どのような制度なのか、詳しくみてみましょう。

高額療養費制度があれば、医療保険は必要ない!?

月100万円の医療費でも、自己負担8万円!

現役世代の場合、保険証を医療機関に提示すると、通常、自己負担は総医療費の3割です。しかし、入院が続いた場合などは3割負担でも高額になることがあります。そこで頼りになるのが高額療養費制度。高額療養費制度は、1ヶ月あたりの自己負担額が一定額以上になった場合、その超過分を払い戻してくれる公的な医療保険制度で、会社員でも自営業者でも同様に利用することができます。

例えば、1ヶ月の医療費が総額100万円かかった場合、自己負担額は3割負担の30万円ですが、高額療養費制度を利用すると、自己負担額は8万7430円(一般所得者の場合)と大きく軽減されます。差額分の21万2570円は国が負担してくれるのです。過去12ヶ月のうち3回以上、高額療養費制度を利用した場合は、4回目以降の自己負担額は月4万4400円とさらに軽減されます。

前もって「限度額適用認定証」を病院側に提示すると、入院、通院共に自己負担分のみの支払いとなります(認定証がない場合は、3割負担し後日払戻し)。高額な薬を処方される場合も、薬局に認定証を提示すれば同様の扱いとなります。あらかじめ入院がわかっている場合は、自分の加入する健康保険に事前に申請しておくといいでしょう。

(表)自己負担額の計算式 (70歳未満の場合)

所得区分 自己負担分 4回目以降 医療費100万円の場合
高所得者(※1) 150,000円+(医療費−500,000円)×1% 83,400円 155,000円
一般所得者 80,100円+(医療費−267,000円)×1% 44,400円 87,430円
低所得者(※2) 35,400円 24,600円 35,400円
  • (※1)月収53万円以上
  • (※2)住民税非課税

食事、差額ベッド、先進医療は対象外

こうやってみると、日本の公的医療制度はかなり手厚いと思いませんか。ある程度貯蓄をしておけば、通常の民間医療保険は必要ないという考え方もあります。しかし、高額療養費制度にはいくつかのルールがあり、対象外となる費用もあるので確認しておきましょう。

・医療機関ごとに医療費を計算
・同じ医療機関でも医科と歯科、入院と通院は別計算(※3)
・同じ健康保険に加入している世帯内の合算は可能(※3)
・医療費は月ごとに計算。月をまたいだ医療費の合算は不可
・入院時の食事、差額ベッド代、先進医療(※4)、自由診療などは対象外

通常、一般所得者の場合、入院時の食事代負担額は1食あたり260円。差額ベッド代は1日あたり平均5829円(平成23年7月現在、厚生労働省中央社会保険医療協議会)です。差額ベッド代は自分から希望しなければかかりませんが、6人部屋から4人部屋に変更してもらうだけでも必要となってきます。「ゆっくりと療養したい」「プライベートを重視したい」という方は、1日5000円程度の民間の医療保険に加入していた方が安心ですね。

また、がんの場合は、治療が長引いたり、医療費が高額になったりする可能性があります。例えば、がん治療のために先進医療を利用する場合は、通常の保険診療分(診察、検査、投薬、入院料など)は保険診療及び高額療養費制度の対象となりますが、先進医療分は対象外となるため全額自己負担となります。先進医療に指定されていない自由診療を利用する場合は、通常の保険診療分も保険対象外となり、保険診療分と自由診療分共に全額自己負担となるため、更に高額な医療費が必要となります。最近では先進医療や自由診療をカバーする保険も多く出てきています。やはり、公的な保険でカバーできないところを、民間の保険でカバーする、ということが必要ではないでしょうか。

(※3)各計算が2万1000円以上の場合、合算可能
(※4)先進医療とは、将来的に保険導入が期待されている先進的な医療技術で、厚生労働大臣が承認したもの。厚生労働省の指定を受けた医療機関でのみ実施することができる。

ファイナンシャル・プランナープロフィール

工藤 清美(くどうきよみ)

工藤 清美(くどうきよみ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

大学卒業後、シンクタンクでシステム開発に従事。後、出版社に転職し記者として取材執筆を行う。子育てを経て、金融機関に勤務。ファイナンスMBA取得後、FPとして独立。主にマネーに関するセミナーや執筆を中心に情報を発信している。潟vラチナ・コンシェルジュ所属。

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