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HDLコレステロール | 血液検査
HDLコレステロール数値が基準値を超えるとどのような病気が疑われるのでしょうか?
検査値の見方、疑われる疾病、そしてその改善方法について医師が解説します。
2023年4月12日更新
LDLコレステロールと包括して動脈硬化を調べるための指標です
コレステロールは人間の体に存在する脂質で、タンパク質などと結合し、リポタンパク質として血液中にとけ込んでいます。リポタンパク質には何種類かに分かれており、リポタンパクの1つにHDL(High Density Lipoprotein:高比重リポタンパク)があり、HDLによって運ばれるコレステロールがHDLコレステロールと呼ばれます。
HDLコレステロールは血管や体の末梢組織に蓄積した余剰のコレステロールを引き抜いて肝臓に運搬、最終的にふん便として排せつする役割をもっています。
体内にたまったコレステロールを肝臓に運ぶ清掃車のような役割をもつため、「善玉コレステロール」とも呼ばれています。
HDLコレステロール値 | 判定 |
---|---|
40以上 | 異常なし |
35〜39 | 要再検査・生活改善 |
34以下 | 要精密検査・治療 |
(単位 r/dL)
男性に比べ女性の方が約10mg/dL多く存在します。一方で近年、HDLコレステロールが100mg/dL以上になると心血管リスクが高まることがわかってきました。
検査は採血による血液検査で測定します。
HDLコレステロールが少ないと血管内壁にコレステロールが蓄積していき、血管壁のしなやかさを低下させていきます。
さらには、コレステロールは血管の内側にたまっていくため、血液の流れに支障が生じていきます。これが動脈硬化という病気の原因です。
HDLコレステロールのみが動脈硬化を促進させる要因ではありません。動脈硬化を悪化させる要因は、喫煙、高LDLコレステロール血症、高血糖、高血圧が代表的です。
内科で血糖や血圧を測定し、包括的リスク評価により、危険因子の評価と治療を行います。
遺伝性のものとしてCETP欠損症が考えられます。HDLコレステロール値が130〜250mg/dLと著増し、心筋梗塞など動脈硬化関係の疾患にかかりやすくなります。
中性脂肪とHDLコレステロールは反比例の関係にあり、中性脂肪の多い人は、HDLコレステロールが減少しやすい傾向にあります。HDLコレステロールが単独で低い人はもちろんのこと、とくに中性脂肪が多い場合には、運動を心掛けましょう。
食事では、動物脂(ラード、バターなど)や、脂身の多い肉(ばら肉・ひき肉)を減らしましょう。乳・乳製品は脂肪の少ないものを選びましょう。魚を食べるように心がけましょう。
肥満を合併する場合は、食事エネルギーの制限と運動療法による体重の是正を行います。
喫煙者の場合は 禁煙を心掛けます。これらの方法でも低HDLコレステロール血症が改善しない場合は薬物治療も考慮する必要があります。
40歳以上の男性、閉経後女性でHDLコレステロールが100mg/dLを超える場合には、内科で頸動脈エコーなどによる動脈硬化の状態を把握してもらうことがよいでしょう。
HDLコレステロールを顕著に下げる薬剤は現在ありません。HDLコレステロールだけに目を奪われることなく、より動脈硬化の強い危険因子であるLDLコレステロールをコントロールすることが、動脈硬化性疾患の予防のためには重要です。
<利用上の注意>
2023年4月12日時点の情報となります。
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