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中性脂肪 | 血液検査
中性脂肪の数値が低い場合や高い場合はどのような病気が疑われるのでしょうか?
検査値の見方、疑われる疾病、そしてその改善方法について医師が解説します。
2023年4月12日更新

肥満、脂肪肝、動脈硬化を判断する重要な指標です
食事で摂取した糖質は小腸で吸収されて、肝臓で中性脂肪に変化します。
中性脂肪は体を動かすエネルギー源として、人が生きていくのに重要な働きを持つ一方、過剰に存在すると体に害を与えます。
食事で摂取したエネルギーが過剰であったり、運動不足で消費されずに余ったりすると、中性脂肪は体脂肪を構成する脂肪細胞に蓄えられます。蓄えられる場所により、皮下脂肪や内臓脂肪となります。
皮下脂肪は体にとって必要な脂肪で、体温を一定に保つなどの働きや外圧から身を守る役割があります。
内臓脂肪は腸の周りや、肝臓などに中性脂肪が蓄積されたものです。中性脂肪が肝臓に過剰に蓄積された状態を脂肪肝と言います。
| 中性脂肪値 | 判定 |
|---|---|
| 30-149 | 異常なし |
| 150-299 | 軽度異常 |
| 300-499 | 要再検査・生活改善 |
| 29以下、500以上 | 要精密検査・治療 |
(単位 r/dL)
中性脂肪値が150mg/dL以上では、動脈硬化を進行させます。500mg/dL以上になると急性膵炎(きゅうせいすいえん)という病気が発症しやすくなります。
検査は空腹時の採血によって行います。一般に行われる血液検査項目の中で最も食事の影響を受けます。
食事や飲酒による摂取エネルギーが多い、運動による消費エネルギーが少ないといったエネルギーアンバランスの結果、高中性脂肪血症が生じます。
中性脂肪が内臓脂肪細胞にためられと細胞を肥大化し、内臓脂肪型肥満が生じます。こうなると、そこから悪玉の生理活性物質が多量に分泌され、高血圧や糖尿病などが併発します。
食べ過ぎや運動不足により、中性脂肪が過剰になると肝臓に蓄積し、脂肪肝となります。
中性脂肪が作り出せず低値の場合、低栄養状態、また吸収不良症候群や肝硬変が考えられます。
壊れた肝臓の細胞は修復されますが、それを繰り返しているうちにだんだん線維化が進行し、肝臓が硬くなっていく肝硬変に変化していきます。
食事では過食をしないことが重要になります。中性脂肪は糖質によって増えるため、甘い飲料、菓子、白米や麺類などの取り過ぎにも気をつけましょう。アルコール摂取を減らすことも有効です。
一方で魚の油のEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)や、菜種油のα―リノレン酸などは中性脂肪の合成を抑えてくれます。
同じ量を食べていても、寝る前に食事をすると、吸収がよくなり、体を動かさないことから中性脂肪が増加しますので控えましょう。
飲酒も過剰摂取を控えることです。アルコールを飲むと、肝臓でアルコールが代謝されます。しかし、大量に飲むと、その代謝に伴って肝臓での中性脂肪の合成が進み、必要以上に中性脂肪が作られてしまいます。とりわけ一緒に食べる、糖質の多いおつまみは、さらに悪影響を及ぼすため注意が必要です。
また、身体活動・運動をすることで改善することが期待できます。ただし、改善させるには今以上の運動量が必要になります。1日10〜15分程度の運動でもいいので、1日2〜3回、週に4日程度を続けることが大切です。
<利用上の注意>
2023年4月12日時点の情報となります。
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