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尿沈渣検査でなにがわかるの?疑われる病気について医師が解説

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尿沈渣 | 尿検査

尿沈渣

尿沈渣、沈査成分でどのような病気が疑われるのでしょうか?

検査値の見方、疑われる疾病について医師が解説します。

2021年12月14日更新

この記事の監修者
和田 高士(わだ たかし)
和田 高士(わだ たかし) 医師 東京慈恵会医科大学医学部客員教授 プロフィール詳細

尿沈査でなにがわかるの?

腎臓、尿路のさまざまな病気の発見の糸口となります。

尿沈渣(にょうちんさ)検査とは、尿を遠心分離機にかけ、集められた沈殿物を顕微鏡で調べる検査方法です。

成分には、赤血球や白血球、結晶、上皮細胞、細菌などがあり、これらを調べることでさまざまな病気発見の手掛かりとなります。

尿を調べる方法として、試験紙を尿に浸す方法もありますが、腎臓病には試験紙法だけでは判断できない多くの病気があるため、このような検査を行います。

どんな病気が疑われるの?

赤血球がみられる場合

腎臓・尿路疾患および全身性の出血疾患の一部に見られます。

IgA腎症、膜性増殖性腎炎、急性糸球体腎炎、ループス腎炎、間質性腎炎、急速進行性腎炎、嚢胞(のうほう)腎、腎梗塞、遊走腎、特発性腎出血などが疑われます。

白血球がみられる場合

腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎などの腎臓、尿路系の感染症が疑われます。

上皮細胞がみられる場合

上皮細胞には扁平上皮細胞、尿細管上皮細胞、尿路上皮細胞、円柱上皮細胞、卵円形脂肪体、核内封入体細胞、異型細胞などがあります。

円柱がみられる場合

尿が尿細管で停滞し、濃縮されて鋳型となったものが硝子円柱です。腎臓・尿路疾患の病態や重症度の把握が可能となります。

尿が尿細管で停滞し、少量のアルブミンなどが結合し濃縮され、遠位尿細管から集合管で鋳型となったものが硝子円柱です。

硝子円柱が形成される過程で、その上流から流れてくる赤血球や尿細管上皮などが取り込まれ、さらに崩壊や変性が加わり、上皮円柱、白血球円柱、顆粒円柱、赤血球円柱、ろう様円柱などが形成されます。

円柱の種類や性状により、腎臓・尿路疾患の病態や重症度の把握が可能となります。

細菌、真菌、原虫がみられる場合
細菌

尿中に細菌がみられ、尿路感染症が疑われます。同時に白血球増加がなければ問題はありません。

真菌

カビの一種で特別な治療を行わなくても消失します。

原虫

性感染症の原因となるトリコモナスなどの原虫が存在している状態です。原虫の駆除治療が必要となります。

病気の改善方法は?

尿沈査で疑われる病気は多くあります。早めに内科で原因疾患を特定してもらい、それぞれの病気に応じた治療を行いましょう。

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