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尿タンパク・尿潜血 | 尿検査
尿タンパク・尿潜血の結果が陽性だとどんな病気が疑われるのでしょうか?
検査値の見方、疑われる疾病、そしてその改善方法について医師が解説します。
2021年12月14日更新

尿タンパクは腎臓、尿潜血は尿管、膀胱などの病気の発見に有用です
尿検査は最も体に負担のない形で検査用検体として得られる検査です。しかもその尿から多くの病気が発見することができます。
尿検査の結果は、出現量に応じて、陰性(―)、疑陽性(±)、陽性(+)、(2+)、(3+)などで表記されます。
腎臓では1日に約150リットルもの大量の原尿を作ります。その後、尿細管を通過する間に約99%が再吸収され、約1.5Lが尿として排せつされます。尿細管障害のときにはタンパクが大量に尿中に排せつされタンパク尿となります。
また尿のろ過を行う糸球体が障害されると、アルブミンなどの低分子タンパクが尿中へ排せつされ、アルブミン尿として認識されます。
アルブミン尿は糖尿病腎症の早期発見に役立ちます。糸球体腎炎、糖尿病、高血圧などで糸球体の破壊が強くなると、大きなタンパクも排せつされます。
血液検査によるeGFR値が60ml/分/1.73m²未満、あるいは尿タンパク(+)以上が3か月以上続く場合、慢性腎臓病と診断されます。
慢性腎臓病(CKD)では尿タンパクが多いほど心臓、脳血管障害が発症しやすくなり、死亡リスクは高まる傾向が確認されています。
主な死亡原因は、尿タンパク陰性の群ではがんですが、腎機能が減少するか尿タンパクが増加するほど腫瘍の割合は減少し、心臓・脳血管障害が増加してきます。
尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱、尿道のいずれかの部位の出血で血尿状態となります。
血尿には肉眼的血尿と顕微鏡学的血尿があります。
| 肉眼的血尿 | 多量の赤血球の出現。尿を見ただけで赤ワイン色となっている状態 |
|---|---|
| 顕微鏡学的血尿 | 少量の赤血球の出現。顕微鏡で赤血球の存在を調べて判明 |
顕微鏡学的血尿では顕微鏡で観察しなくても、尿に試験紙を浸すだけで判定できる尿潜血反応で検査されます。
ただし、試験紙法では筋肉組織の融解によるミオグロビン尿でも尿潜血反応陽性となるため、必要に応じて顕微鏡で赤血球の存在を確認します。
原因は次の6種類に分類されます。
①②はそのまま病気がよくなる可能性が高いですが、③④はこれから悪くなる可能性が高いため、どの病態に属するかを調べることが大切です。
①起立性タンパク尿
若年者にみられ年齢とともに消失します。仰臥位(ぎょうがい:あおむけで寝ている姿勢のこと)では尿タンパクを認めず、立った状態で尿タンパク排泄が増える病態です。腎臓の老廃物をろ過する糸球体の損傷や腰椎が前に反って腎臓に負荷をかけるためと考えられています。
負荷により腎静脈の血液循環不良が生じるのが原因と考えられます。起床直後での尿検査では、尿タンパクが見られない場合に診断がつきます。
②一過性タンパク尿
若年者の約20%にみられます。運動や発熱とも関連します。日を変えて尿を複数回再検査して異常なしがでることで診断されます。
③オーバーフロー型タンパク尿
低分子量タンパクは糸球体を通過し、腎臓内で再度ほとんどが再吸収されますが、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫、単球性白血病などで過剰に産生されたタンパクや、横紋筋融解症(脂質異常改善薬の副作用)や血管内溶血などで、再吸収の極量を超えたときに出現します。
低分子量タンパクのために通常に行われる試験紙法検査では尿タンパク陰性となる場合もあり、定量検査法と合わせて評価します。
④糸球体性タンパク尿
腎臓の老廃物をろ過する糸球体が損傷することで、糸球体を通過するタンパクが増えることが原因です。糸球体腎炎、糖尿病腎症、ループス腎炎(全身性エリテマトーデス(SLE)に起因する糸球体腎炎)などが主な疾患です。
⑤尿細管性タンパク尿
腎臓内でのタンパク吸収障害があると低分子タンパクが吸収されず、尿タンパクとなります。尿細管間質性腎炎や重金属中毒で生じます。低分子タンパクのため、試験紙法では尿タンパク陰性となる場合もあります。
⑥腎後性タンパク尿
尿路感染症や尿路での炎症、結石、腫瘍で生じることがあります。
糸球体腎炎、間質性腎炎、尿路結石、尿路感染症、尿路腫瘍などの存在により陽性になります。
尿タンパクが陽性になる疾患は多数あるので、内科で原因疾患を特定してもらい、治療を行います。
尿潜血陽性の場合は、まずは内科で腎臓に起因する内科的疾患か尿路に起因する泌尿器科的疾患を区別してもらいます。泌尿器科疾患であれば泌尿器科で、それぞれの病気に応じた治療を行ってもらいます。肉眼的血尿の場合も泌尿器科を受診します。
慢性腎臓病では、悪化させる要因として、高血圧、糖尿病などがあります。高血圧では塩分を控える、糖尿病では食事エネルギーの制限や運動といった生活改善がポイントです。
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2023年4月12日時点の情報となります。
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