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更新日:2024年8月21日

犬の骨折

犬の骨折とは、どのような傷病なのでしょうか?
症状や原因、治療法について見てみましょう。


この記事の要点
  • 室内での小さな事故も犬の骨折原因になりうる
  • 治療にはギプス固定や手術があり、治療期間も状況によって異なる
  • 予防策としては、床材の見直しやハーネスの利用、「マテ」を覚えさせることが有効

この記事の監修者

三宅 亜希

獣医師

三宅 亜希

TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員

TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員


犬の骨折ってどんな病気?

骨折とは、骨が損傷することです。完全に折れてしまったもの以外でも、ヒビが入ったり、骨が欠けてしまったりするものも骨折です。
通常は、骨に強い力が加わって骨折しますが、骨自体が弱っていたり、弱い力が慢性的に加わったりすることによって骨折することもあります。

犬が比較的よく骨折するのは、前肢ぜんし(前足のこと)の骨です。前肢の骨は「橈骨とうこつ」と「尺骨」という二つの骨で構成されており、多くはどちらも同時に骨折しますが、まれに橈骨か尺骨の一方のみが骨折することもあります。とくに、小型犬や四肢の細い犬では注意が必要です。

大きな事故でなくても、抱いていたら飛び降りてしまった、ソファやベッドから落ちた、フローリングで滑った、ドアに肢をはさんだなど、室内で普通に生活しているなかで起きるようなちょっとしたアクシデントで骨折をしてしまうことがあります。

犬の骨折

どんな症状なの?

  • 痛めた肢を地面に着かないように挙上きょじょうして歩く
  • ぶつけたり挟んでしまったりした箇所が熱を帯びて熱くなる
  • 患部が腫れる など

食欲や元気は変わらないように見えたり、反対に明らかに元気がなくなったり、個体差が大きい傷病です。
また、交通事故などにより、骨盤骨折や脊椎せきつい骨折などをした場合は、立ち上がること、排せつなどもできないことが多く、命に関わることも多いです。

原因はなに?

小型犬などでは、抱いているところから飛び降りる、滑って転倒する、あやまって踏んでしまう、あやまってドアやケージに挟んでしまうといったことで骨折することがあります。また、散歩中に逃走して交通事故にあったり、ベランダから落下したりするなどの事故もあります。

かかりやすい犬種はいるの?

骨折しやすい犬種はとくにありませんが、小型犬や四肢の細い犬では、少しの力でも骨折してしまうことがあるので十分に注意しましょう。

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犬の骨折の治療法には、どんなものがあるの?

外科治療

ギプスなどで外から固定するケースもあれば、骨にピンを入れたり、プレートやボルトで留めたりするケースもあります。

治療法は骨折部位、骨折の状態、年齢、骨の太さ、などにより異なります。また、治療期間も、骨折部位や状態、選択した治療法などにより大きく異なります。
さらに、自宅でどれだけ安静にできるかによって入院日数も異なってきます。

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犬の骨折の治療費例

骨折してしまった場合、どのくらいの治療費がかかるのでしょうか?
保険会社の保険金請求データをもとにした治療費の例を見てみましょう。

犬種:トイ・プードル(0歳)
内容:手術1回、入院5日

診療明細例
診療項目(内容) 金額(円)
診察 800円
入院(4泊5日) 10,000円
検査 20,500円
全身麻酔 32,500円
手術 237,000円
処置 3,400円
注射 4,500円
合計 308,700円
  • アイペット損害保険会社からのデータ提供です
  • 上記の診療内容・診療費は参考であり、実際のお支払い例や一般的な平均・水準を示すものではありません
  • 診療費は動物病院によって異なります

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骨折しないための予防法はあるの?

床材の見直し

とくに小型犬では、ちょっとした事故から骨折が起こることもあるため、犬の行動を注意深く見ることや、室内のフローリングをクッション性のあるものに変更することが有効でしょう。

ハーネスの利用

散歩中に首輪が抜けてしまい交通事故にあうこともあるため、ハーネスを利用することもおすすめです。

「マテ」を覚えさせる

「マテ」を覚えさせておくと、逃走を防げます。
どんな状況下でも犬が走って車道に飛び出すようなことがないよう、訓練しておくことも犬を骨折から守る助けになります。

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