更新日:2024年1月31日
犬の脱水症状の原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
また、脱水症状の原因として考えられる病気や対処法について見てみましょう。
この記事の監修者
獣医師
三宅 亜希
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
TRIPECT lab.代表、東京都獣医師会広報委員
脱水は体液が少なくなっている状態です。
下痢や嘔吐などによりたくさん水を失ったときや、食事や水分の摂取が制限されると起こります。
また、尿から必要な水分がたくさん失われることも原因になりえます。
脱水は、単純に水分だけでなく電解質のバランスを失うため、身体にさまざまな不調を起こしやすく注意が必要です。
病気以外で起こる下痢や嘔吐
子犬などでは、食事の内容や量の変更などにより、下痢や嘔吐をして脱水症状を起こします。
下痢や嘔吐後に食事をしっかり食べられているか、下痢や嘔吐が続くことがないかを確認しましょう。
下痢や嘔吐による脱水の場合、水分だけでなく、必要な電解質も一緒に摂取できる犬用の経口補水液などを飲ませると有効な場合があります。
水分を受けつけるようであれば与えてみてもいいでしょう。
利尿剤の使用
治療で利尿剤を使用している場合、尿量が増えることで脱水を起こすことがあります。
かかりつけの医師の指示どおりに使用している場合は問題ありません。
食事や水分を十分に与えられていない
以下の病気などにより、口臭が生じることがあります。
下痢や嘔吐を引き起こす病気
感染性腸疾患、炎症性腸疾患、消化管腫瘍、中毒、食物アレルギー、膵炎、腸閉塞などがあげられます。
とくに繰り返し何度も起こる嘔吐や、水様性の下痢がみられる場合、脱水の危険性は高くなります。
腎臓病
食べ物のたんぱく質に対してアレルギー反応を起こす食物アレルギーや、ノミの唾液に対してアレルギー反応を起こすノミアレルギー性皮膚炎があります。
腎臓病
腎臓は尿を作る臓器です。血液から尿を作り排せつする過程で老廃物を身体から排出してくれます。
腎臓病になると、腎機能が低下し、必要な水分も尿と一緒に排せつするため、脱水を起こします。
糖尿病
糖尿病は、インスリンが足りない、または正常に働かないことにより血中の糖が増える病気です。
犬の糖尿病は、人の1型糖尿病よく似ており、インスリンを作り出す膵臓が働かなくなり、インスリンを作れなくなることが多く、注射によるインスリン投与が必要になります。尿中の糖分に引っ張られ、多量の水分が尿と一緒に排せつするため、脱水を起こします。
副腎皮質機能低下症(アジソン病)
副腎皮質が生成、分泌しているステロイドホルモンが不十分になると、多くの臓器に障害が現れ、命に関わる場合があります。
ナトリウムが欠乏することにより脱水が起こります。
身体から水分や電解質が失われる主な経路としては、下痢、嘔吐、尿があげられます。
電解質が入っている飲み物を与える
体から水分や電解質が失われる主な原因として、下痢、嘔吐などが挙げられます。病気以外の下痢や嘔吐の場合、犬用の経口補水液などを飲ませると、よい結果を生むことがあります。犬が飲まない、飲めないような状態の場合は、スポイトなどを使って、少しずつ与えてあげるようにしましょう。
あくまで応急処置なので、水分を与えた後は、早めに受診するようにしましょう。腎疾患など病気で脱水を起こしている場合は摂取する水分に注意が必要です。
早急な受診
腎臓病や糖尿病などで脱水を起こしている場合は、水や経口補水液を飲ませるだけでは治療にはなりません。また、消化器疾患の場合も原因に対しての治療が必要となります。
激しい下痢や嘔吐がみられる、慢性的な下痢や嘔吐がみられる、尿量がいつもより多い、尿の色が薄い、尿の匂いがあまりしない、などの場合は、早めに受診することをおすすめします。