必要な補償は3つ
スキー、スノーボードをするときに保険で備えたいのは、
- ・自分自身がケガをしたときの通院費・入院費
- ・他人にケガを負わせたときなどの賠償
- ・用具の盗難・破損
の3つです。これらをカバーするには、
- ・スキー・スノーボード専用の「スキー保険」に加入する
- ・スキー以外のスポーツも対象となる「レジャー保険」に加入する
- ・「国内旅行傷害保険」に加入する
- ・今加入している保険を利用する
のいずれかが考えられます。
1年契約か1回のみかで選択
「スキー保険」は、自分のケガ、相手への賠償、用具の盗難・破損に対する3つの補償がセットされた保険です。スキー保険の例を見てみると、対象は「スキーのみ」「スキーとスノーボードの両方」のどちらで、補償限度額はいくつかの選択肢から選べるようになっています。
スキーなどウインタースポーツだけでなく、サッカーやゴルフ、山登りなど、ほかのスポーツをする場合にも備えられる「レジャー保険」もあります。この保険では、用具の破損・盗難は「携行品損害補償」の補償対象となります。それに加えて、病気やケガの入院でホテルへのキャンセル料支払いが発生したときのための「キャンセル費用」の補償や、山で遭難したときなどに家族が現場へ駆けるつける費用を補償する「救援者費用等補償特約」、さらに「死亡・後遺障害」の補償がセットされたものもあります。
スキー保険やレジャー保険は1年契約なので、1シーズンに何度もスキー・スノーボードに出かける人や、スキー、スノーボード以外のスポーツもする人に向いています。
(表)スキー保険の契約例
補償対象 | 支払い限度額 | 保険料(年額) | ||
---|---|---|---|---|
賠償責任 | 被保険者自身のケガ | 用具の破損・盗難 | ||
スキー | 5,000万円 | 444万円 | 25万円 | 4,000円 |
3,000万円 | 264万円 | 15万円 | 3,000円 | |
スキー スノーボード |
3,000万円 | 132万円 | 10万円 | 4,000円 |
(表)レジャー保険の契約例
入院日額 | 通院日額 | 携行品 損害補償 |
キャンセル 費用 |
個人賠償 責任保険 |
救援者 費用等 |
保険料 |
---|---|---|---|---|---|---|
3,000円 | 500円 | 10万円 | 10万円 | 2,000万円 | 100万円 | 5,340円(一時払い) 490円(月払い) |
- ※携行品損害補償は1事故につき免責額3,000円
「年に1度しかスキーに行かないから1年契約の保険は必要ない」という人は、国内旅行傷害保険を使う方法もあります。この保険の保険料は旅行期間ごとに設定されており、比較的手厚い補償を安い保険料で確保できます。
(表)国内旅行傷害保険の契約例(4日(3拍4日)までの場合)
死亡・ 後遺障害 |
入院日額 | 通院日額 | 携行品 損害補償 |
個人賠償 責任保険 |
救援者費用等 | 保険料 |
---|---|---|---|---|---|---|
2,556万円 | 4,500円 | 3,000円 | 10万円 | 3,000万円 | 150万円 | 1,000円 |
- ※携行品損害補償は1事故につき免責額3,000円
他の保険でカバーできることも
これらの保険で注意したいのは、用具の破損・盗難については、新品価格ではなく、使って消耗した分が差し引かれるという点です。つまり、保険金で新しいものを買うことはできないというわけです。また、スキー保険の補償の対象はスキー板のみで、ストックについてはスキー板と同時に盗まれた場合以外、保険金は受け取れません。レジャー保険や国内旅行傷害保険では、携行品損害補償に免責額、つまり自己負担額が設定されていて、保険に入っていても一定額は自腹を切らなくてはなりません。
こうした点から、用具に関する補償はなくてもいいと割り切ることもできるでしょう。
そうすると、必要なのは自分のケガと相手への賠償への備えですが、この2つは、すでに加入している保険ですでにカバーされていることがよくあります。
傷害保険に入っていれば、自分自身のケガは補償されるし、入院した場合、医療保険に加入していれば入院給付金が受け取れます。
他人への賠償は、個人賠償責任保険でカバーされます。この保険は火災保険や自動車保険などにセットされていることが多く、気づかないうちに加入しているかもしれません。
万一のときの備えがあれば、安心してスキー・スノーボードが楽しめます。レジャー保険や国内旅行傷害保険の中には、インターネットや携帯電話で手軽に申し込めるものもあるので、出かける前にぜひ加入しておきましょう。