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海外旅行保険を学ぶ
海外旅行保険の救援者費用とは、旅行中の遭難による捜索費や病気やケガなどで入院したときに家族が駆けつける渡航費などを補償するものです。救援者費用の補償はいくらぐらい必要なのか、海外旅行保険の救援者費用について詳しく見ていきましょう。
海外旅行保険の救援者費用とは、旅行中の遭難による捜索費や病気やケガなどで入院したときに家族が駆けつける渡航費などを補償するものです。救援者費用の補償対象となる要件は大きく分けて「入院」「死亡」「生死不明」の3つがあります。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
病気については、旅行中に発症し治療も受けた場合に限ります。つまり、既往症は補償対象外なので、なにかしらの持病を抱えていて心配な人は応急治療・救援費用という持病にも対応する補償があるので、そちらに加入しておきましょう。また、妊娠(初期異常をのぞく)、出産、早産、流産が原因の病気、歯科疾病での入院は対象外です。
入院では対象外でも、死亡の場合は補償の対象になるものもあります。
この場合、緊急な捜索、救助活動をしている間は補償されますが、捜索活動が終わったり、無事生存が確認できた後に現地へ向かったりする場合は、救援者費用にはなりません。また、生死不明の捜索の場合、救援者費用に上限を決めている保険会社もあります。
基本的に払われる費用は契約者、被保険者、被保険者の親族が実際に払ったもので、社会通念上妥当であるものと定義づけられています。一般的な費用を見ていきましょう。
具合が悪くなった家族に付き添うためツアーから外れたけれど、病状が落ち着いたのでツアーを追いかけて合流する場合や、具合が悪くなった家族に付き添って帰国する際の費用も対象になります。
払われる保険金は1回につき保険金額が限度になりますが、救援者が現地までいくための往復航空運賃は3名分まで、ホテルの客室料は14日間までなど限度がある場合や、費用の上限が決められているものもあります。どの費用に上限があるのか、費用を請求するには何が必要なのか、実際に病人などを救援に向かうことになった場合は保険会社に確認しましょう。
救援者は親族になりますが、その代理人まで認められているので、残っている家族が高齢だったり、事情があって迎えにいけなかったりする場合は代理人を立てることができます。
保険会社によって、補償される要件が異なるので、内容をしっかり確認しよう!
反対に補償の対象にならない場合とはどのような場合でしょうか?前述したものもありますが、まとめて確認してみましょう。
基本的に損害保険は、「急激」かつ「偶然」で「外来」の事故のときに対象になるので、海外旅行保険のように病気も補償する保険でも、保険期間中にかかった病気でなければ補償の対象にならないと思っておくとよいでしょう。
病気やケガと結びつきにくいかもしれませんが、偶然吸ってしまった有毒ガスや有毒物質で急性中毒になった場合、「急激」「偶然」「外来」に当てはまれば補償の対象になります。
被害にあっても、補償されないこともあります。内容をしっかり確認しましょう!
損害保険料率算出機構の救援者費用として支払ったデータを見てみると以下のようになっています。単純に割ることができれば一人につき70万円から80万円強の補償を用意すればよいことになりますが、病状や地域などにより、必要金額は大きく違うことが考えられます。
治療費用等 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
被害者数(人) | 保険金(千円) | |||||
2015年度 | 救援者費用 | 106 | 77,569 | |||
2016年度 | 救援者費用 | 92 | 63,689 | |||
2017年度 | 救援者費用 | 82 | 80,048 |
治療費用と救援者費用が合算されているので、内訳はわかりませんが、ジェイアイ傷害火災が毎年発表しているトラブルデータによると、治療と救援者費用を合わせて1000万円を超える支払い事例も出ています。
国(地域) | 内容 | 支払保険金 |
---|---|---|
アメリカ | ツアー中、バス社内で発作を起こし救急車で搬送。心不全と診断され15日間入院。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添いチャーター機で医療搬送。 | 3588万円 |
アメリカ | ハイキング中に滑落し救急車で搬送。腰椎骨折と診断され10日間入院。 | 2890万円 |
イギリス | ホテルで体調不良を訴え倒れ救急車で搬送。硬膜下血腫と診断され32日間入院・手術。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 | 1242万円 |
ハンガリー | バスから降りた際に突然倒れ救急車で搬送。くも膜下出血・硬膜下出血・眼窩骨折・上顎骨骨折・頬骨骨折と診断され17日間入院、現地病院からチャーター機でドイツまで医療搬送し13日間入院。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 | 2120万円 |
イタリア | ツアーの自由行動中に胸が苦しくなり受診。心筋梗塞と診断され16日間入院・手術。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 | 1011万円 |
シンガポール | ナイトサファリ中に転倒して頭部を強打し救急車で搬送。脳挫傷と診断され52日間入院・手術。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添いチャーター機で医療搬送。 | 2060万円 |
ハワイ | クルーズで食事中に倒れる。脳内出血と診断され12日間入院。家族が駆けつける。 | 1585万円 |
ハワイ | ホテルでシャワーを浴びている際、滑って転倒し受診。大腿骨頚部骨折と診断され10日間入院・手術。看護師が付き添い医療搬送。 | 1163万円 |
かなり高額になることもあるようです。こんな場合でも対応できるように補償金額を設定しましょう!
高額な費用となる場合もあるため、救援者費用は非常に重要な補償といえるでしょう。
ほとんどの保険会社は、治療と救援者費用がセットになっていて、3000万円、5000万円と上限を定めるものから、無制限が選べるところもあります。無制限にすると、保険期間によっては数千円の保険料差が出てくることもありますが、選べるのであれば無制限にしておくほうが安心でしょう。
旅先でどうしても困ったときには、大使館や総領事館に頼ることも覚えておきましょう。お金を立て替えたり、捜索活動などはできませんが、日本語ができる医師や日本人が利用しやすい病院を紹介してくれたり、本人が連絡できないときは本人に代わり医師から病状を聞いて家族へ連絡してくれたり、助けになってくれます。