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更新日:2025年11月11日

海外旅行に保険証や保険証券は必要?保険証券を忘れた場合の対応も解説

海外旅行でも、保険証や保険証券は持参すべきですが、保険証券を忘れた場合でも海外旅行保険の補償を受けられる場合があります。この記事では、保険証や保険証券を忘れた場合の対応に加えて、海外旅行に持っていくとよい必要書類についても紹介します。


この記事の要点
  • 海外で保険証は利用できないが、国内移動中に発生する病気やケガに備えて持参する
  • 海外旅行保険の保険証券は、原本もしくは複写、電子証券を持参し、事前に証券番号や緊急連絡先も確認しておく
  • パスポート紛失のトラブルなどに備えて、運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書も持参するとよい

この記事の監修者

山田 卓弥(やまだ たくや)

株式会社カカクコム・インシュアランス/保険コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー、CFP®資格、1級ファイナンシャル・プランニング技能士

山田 卓弥


海外旅行に保険証や保険証券は持っていくべき

海外旅行の際、保険証と海外旅行保険の保険証券は必ず持参しましょう。
なぜなら、病気やケガなどの予期せぬトラブルが発生した際に、保険証や保険証券を持っていることで、医療費の自己負担を軽減できるためです。

ここからは、海外旅行に保険証や保険証券を持っていくべき理由を詳しく説明します。

保険証は海外で使えないが、国内の移動に備えて持参する

保険証は、日本の医療制度に基づいているため、海外の医療機関で提示しても、医療費の自己負担は軽減されません。

ですが、自宅から空港、空港から自宅までの移動中に病気やケガをした場合、保険証があることで医療費は原則3割負担で済みます。
保険証を持っていない場合、医療費を全額自己負担することになるため、海外旅行に出かける際も保険証は持参しましょう。

なお、保険証は海外で使用できませんが、公的医療保険制度の一つである海外療養費制度によって、海外で支払った医療費の一部が払い戻される場合があります。

海外療養費制度とは

海外療養費制度とは、急な病気やケガでやむを得ず現地の医療機関で診療を受けた場合、帰国後に申請することで、医療費の一部の払い戻しを受けられる仕組みです。

ただし、払い戻しの対象は、公的医療保険が適用される治療費用のみです。
移植や美容整形などを目的に渡航した場合の医療費や先進医療にかかる費用などは、払い戻しの対象外となります。

また、払い戻される金額は、以下の図1にあるように、原則、日本で同じ治療を受けた場合の医療費を基準に算定されます。

具体的に、日本での算定額が海外で支払った金額より少ない場合は、日本での算定額から自己負担分(原則3割)を差し引いた金額が払い戻されます。

反対に、日本での算定額が海外で支払った金額より多い場合は、海外で支払った金額から自己負担分(原則3割)を引いた金額が払い戻されます。

払い戻しは支給決定日を基準に外貨で換算され、円で支払われます。

図1 海外療養費制度の仕組み

海外療養費制度の仕組み
  • ※自己負担分を3割とした場合

なお、医療費の払い戻しを受けるためには、帰国後、必要書類をそろえて、加入している健康保険に申請します。
申請の際、治療内容の証明書(診療内容明細書)や医療費の明細書(領収明細書)が必要なため、渡航先の医療機関で、これらの書類を必ず受け取ってください。

保険証券は原本、もしくは電子証券を持っていく

海外旅行保険の保険証券を持っていく際は、原本もしくは複写、電子証券の場合は事前にスマートフォンなどにダウンロードして持参しましょう。

保険証の原本や複写、電子証券がない場合でも、証券番号や緊急連絡先がわかれば、原則、補償を受けられます。
ただし、トラブルが起きたときの手続きを円滑に進めるために、原本や複写、電子証券は携帯してください

また、現地の医療機関や保険会社から保険契約の証明を求められる場合に備えて、付保証明書(ふほしょうめいしょ)も用意しておくと安心です。

付保証明書とは

付保証明書は、保険契約の存在や補償内容を証明する書類です
保険証券と異なり、医療機関や滞在先などの第三者に提出するためのもので、場合によっては保険証券の代わりに発行されることもあります。

インターネットで加入できる商品の多くでは、専用ページから付保証明書を取得でき、多言語での発行にも対応しています。

なお、保険証券と付保証明書のいずれを持参したらよいか迷った場合は、保険証券を持っていきましょう。

運転免許証などの身分証明書も忘れずに持っていく

海外旅行の際には、保険証や保険証券に加えて、もしものときなどに備えて持っていくとよい身分証明書や書類があります。

渡航先に持っていくとよい身分証明書や書類

  • 運転免許証や戸籍謄本
  • マイナンバーカード
  • パスポートのコピー
  • 海外旅行保険のハンドブック

パスポートを紛失し、再発行ではなく帰国のための渡航書を申請する場合は、運転免許証や戸籍謄本など、日本国籍を証明できる書類が必要になります。
同様に、マイナンバーカードも顔付きの公的身分証明書として利用できます

また、渡航先で運転を予定している場合は、国際運転免許証に加えて日本の運転免許証も必要なため、忘れずに持参しましょう。

パスポートのコピーは、パスポートの紛失時に代用として認められるケースもあることから、複写や電子データで持っていると安心です。
加えて、海外旅行保険のハンドブックには、日本の緊急連絡先やキャッシュレス対応医療機関などの情報が記載されているため、トラブル時に役立ちます。

このように、海外や国内移動時のトラブルに備えて、保険証や保険証券に加えて、身分証明書なども忘れずに持っていくとよいでしょう。



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