ご自身のご家庭にあった資金準備になっているでしょうか?
学資保険の満期時期について解説します。
子供が生まれると、その子に将来必要となる教育資金を準備するために、学資保険への加入を検討する親が多いでしょう。毎月決まった保険料を積み立て、満期に「満期保険金」を教育資金として受け取れる“貯蓄機能”を持つことが学資保険の最大の特徴です。
商品によって満期の時期はさまざまですが、受け取る時期によって資金の使いみちは異なります。子供の教育方針を踏まえ、子供が何歳のときに、どのくらい資金が必要かをしっかり考慮して満期時期を検討しましょう。
学資保険の満期時期を選ぼう
学資保険は子供の教育費を準備するための保険です。親を契約者、子供を被保険者にして毎月保険料を積み立て、満期が来ると契約時に決めた「満期保険金」を教育資金として受け取ることができます。つまり”貯蓄”と似た機能を持っています。
ただし”保険”の機能もあります。それは親が死亡・高度障害となった場合にその後の保険料の支払いが免除され、しかも保険金が予定通り受け取れる点などです。(関連ページ:解約返戻金と満期保険金)
満期時に保険金がまとめて支払われることから、一時的に必要な教育資金を準備することが学資保険の主な目的になります。つまり、小・中・高校在学中の給食費や教材費、塾・お稽古ごとなどのように毎月・毎年支払う費用の準備ではなく、主に受験・進学時期など一時的に必要なまとまった資金の準備や、大学在籍中に必要な資金準備を目的として加入する保険です。
満期の時期は、商品によって異なっており、選択できるようにもなっています。基本的には「17歳満期」、「18歳満期」、「21歳満期」、「22歳満期」などが多いでしょう。
「17歳満期」や「18歳満期」の最も一般的な保険金の使いみちは、大学の進学時期の費用です。具体的には受験費用、入学金、初年度授業料、新生活準備金などです。
「21歳満期」や「22歳満期」の場合は、大学進学時期の費用に加え、卒業するまで各年に必要な授業料などの費用をまかなうために使うことになります。(関連ページ:子供の学費・教育費)
学資保険のイメージ図

満期時期の選択は、実際にお金が必要になる前に満期保険金を受け取れるように設定することがポイントです。したがって、遅くとも子供の進学時期の前までには受け取れるようにしたいものです。
学資保険の満期日とはいつのこと?
「満期日」とは、最終的に保険期間が満了する日のことで、契約時に決めた満期年齢の誕生日以後、最初に到来した契約応当日の前日です。たとえば、「18歳満期」の学資保険に加入し、子供の誕生日が6月10日、契約日が11月1日の場合、満期日は、子供が満18歳になった年の10月31日ということになります。満期保険金は、満期日以降に受け取ることができます。
「17歳満期」と「18歳満期」の違いは?
満期保険金を受け取れるようになる「満期日」は、子供の誕生日と学資保険の契約日によって決まります。「17歳満期」か「18歳満期」かは、子供の誕生日と保険の契約日、および資金が必要な時期によって、契約するときに選択することになります。
「18歳満期」を例にとって、満期日を考えてみましょう。
【「18歳満期」の例】
子供の誕生日 | 契約日 | 満期日 | 満期日の学年 | |
---|---|---|---|---|
@ | 5月1日 | 7月1日 | 6月30日 | 高校3年 |
A | 10月1日 | 6月1日 | 5月31日 | 大学1年 |
@は18歳の誕生日が5月で、その2ヶ月後の6月末が満期日です。この時の学年は高校3年生で、大学進学資金はこの後から本格的に必要になるため満期保険金の受け取り時期としては適切です。
一方、Aは18歳の誕生日が10月で、満期日は翌年の5月末です。現役入学であればすでに大学1年生になっています。受験費用も入学金、授業料も支払ったあとになって満期保険金を受け取ることになり、本当に必要な時期に受け取ることができません。
子供の誕生日と契約日の関係がAのようになる場合は、「17歳満期」を選択したほうがよいでしょう。
「17歳満期」を選ぶと、下のように、18歳の誕生日の約4ヶ月前の高校3年生の5月末が満期日になり、満期保険金を受け取る時期としては適切です。
【「17歳満期」の例】
子供の誕生日 | 契約日 | 満期日 | 満期日の学年 | |
---|---|---|---|---|
A | 10月1日 | 6月1日 | 5月31日 | 高校3年 |
「祝金」付き学資保険のメリット
学資保険の中には、「祝金」が受け取れるものもあります。「祝金」とは、主に満期の前の節目の時期などに受け取れる給付金のことで、会社によって呼び方は異なっており、「学資金」、「学資祝金」、「教育資金」などとも呼ばれます。
受け取れる時期は、小学校入学時、中学校入学時、高校入学時、大学入学時、成人を迎える20歳時などがあります。その時の家計の状況によっては、学資保険の「祝金」を子供のために有効に活用することができます。
なお、「祝金」はその時に受け取らず、そのまま据え置いても構いません。小中高校の入学時に必要な資金などは、金額によっては学資保険に頼らず、貯蓄を活用してもいいでしょう。「祝金」は、長く据え置くほど利息がついて将来の受取額が増えます。また、受取時期以降であれば必要に応じていつでも受け取ることもできます。
「祝金」付き学資保険のイメージ

「戻り率」もチェックしよう!
学資保険を検討する際には、「戻り率(※)」もチェックしたいものです。
「戻り率」とは、「祝金」や「満期保険金」など受け取る保険金の総額を、「支払保険料総額」で除した数値です。(戻り率=返戻率ともいいます。)

「戻り率」が100%よりも大きければ大きいほど、貯蓄機能が大きいことになり、効率的に教育資金を貯めることができます。
「戻り率」は商品によって異なるだけでなく、満期時期の違い、保険料の支払方法や払込期間、祝金の受け取り方などによっても変わります。
満期までの期間が長いほど、保険会社が保険料を運用する期間が長くなるため「戻り率」は高くなります。また保険料の支払い方法を毎月払から、半年払や年払などまとめて支払う方法に変更したり、保険料の払込期間を子供が「10歳まで」、「12歳まで」、「15歳まで」のように短くして契約することができれば「戻り率」は高まります。「祝金」を据え置いても「戻り率」は高くなり、“貯蓄機能”が大きくなります。
- ※ 戻り率・返戻率について詳しくは「返戻率の考え方」ページをご覧ください
学資保険は将来の子供の教育資金を着実に準備できる商品です。必要な時期に必要な額を受け取れるように考慮することは、子供の教育を具体的に考えるキッカケにもなるでしょう。また、子供を被保険者にするため、目的も明確になります。しかし保険の性格上、保険料の負担が大きくなって途中で解約するような場合には、払い込んだ保険料の総額よりも少ない金額しか戻ってこない「元本割れ」になってしまいます。そのため、必要な教育資金の全部を学資保険で準備しようとするのではなく、一部は貯蓄でもカバーできるように配慮したほうがいいでしょう。