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更新日:2021年8月31日

個人年金保険にかかる税金

老後資金を備えられる個人年金保険は、受け取るときには税金がかかります。所得税、贈与税、相続税など、保険金の受け取り方や受取人によってかかる税金は変わります。
そこで、個人年金保険に関わる税金について詳しく解説します。


この記事の要点
  • 個人年金の受取時は、契約者と受取人が同じ場合は所得税、違う場合は贈与税と所得税がかかる
  • 個人年金の受け取りは「契約者=受取人」が賢明! 税金や保険金を比べて、一括と年金でよりお得な受け取り方を選ぼう
  • 多くの場面で関わりがある税金の理解を深めて個人年金保険を選ぼう

この記事の執筆者

張替 愛(はりかえ あい)

ファイナンシャル・プランナー(AFP®)

張替 愛

大学で心理学を学んだ後、国内損害保険会社に就職。夫の海外赴任を機に独立。教育費・老後資金・女性の働き方・資産運用・海外赴任など、ひとつひとつの家庭の状況とその想いを大切にした家計相談を行う。同時に、マネー講座や執筆など、幅広く活動する。(株)プラチナ・コンシェルジュ所属

大学で心理学を学んだ後、国内損害保険会社に就職。夫の海外赴任を機に独立。教育費・老後資金・女性の働き方・資産運用・海外赴任など、ひとつひとつの家庭の状況とその想いを大切にした家計相談を行う。同時に、マネー講座や執筆など、幅広く活動する。(株)プラチナ・コンシェルジュ所属


個人年金保険を受け取るとかかる税金とは?

個人年金保険とは、保険料を支払うことで契約時に決めた時期から一時金または年金で保険金を受け取れる保険です。受け取る保険金は、金額や受け取り方次第で税金の支払いが必要になることがあります。

個人年金を毎年「年金形式」で受け取る場合、かかる税金は「所得税(雑所得)」と「贈与税」のどちらかです。契約者(=保険料を負担する人)と受取人が同一かどうかによって、以下のとおり変わります。

<個人年金保険を受け取るときにかかる税金の例>

ケース 契約者 被保険者 受取人 かかる税金
1 本人 本人または配偶者 本人 所得税(雑所得)
2 本人 本人または配偶者 配偶者 1年目のみ贈与税
+2年目から所得税(雑所得)
年金形式で受け取る場合は、「所得税(雑所得)」か「贈与税」です

ケース1:契約者と受取人が同じ

個人年金保険に加入することで増えた資産は収入とみなされるため、公的年金など以外の雑所得として所得税の課税対象となります。年金ではなく「一括」で受け取る場合は、所得税(一時所得)の対象となります。

ケース2:契約者と受取人が違う

年金受給権(年金を受け取る権利のこと)が契約者から受取人に贈与されたものとみなされるため、年金の受け取りが始まった1年目に、受取人に対して贈与税がかかります。
加えて、贈与された後に増えた資産は受取人本人の収入とみなされるため、2年目からは所得税(雑所得)がかかります。ただし、贈与税を支払った部分は課税対象にならないように計算するため、雑所得の金額はケース1に比べると通常は低くなります。

  • 所得税の課税対象になる場合には、住民税の課税対象にもなります

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個人年金保険にかかる税金を計算してみよう

年金を受け取るときに、いくら税金がかかるのかを計算してみましょう。

ケース1:契約者と受取人が同じ

毎年受け取る年金は、雑所得として所得税の対象になります。公的年金など以外の雑所得の基本計算式は「雑所得=総収入金額−必要経費」です。

個人年金保険に当てはめると、総収入金額はその年の年金受取額(基本年金+増額年金+年金受け取り開始後の配当金による増加年金)、必要経費はその金額に対応する払込保険料を指します。
まとめると以下のとおりです。

<個人年金の雑所得の計算式>

個人年金の雑所得の計算式

2つの事例で具体的に計算してみましょう。

【事例1 確定年金の受け取り(雑所得)】

<保険内容>

  • 1年間の年金額:50万円(受取期間10年間)
  • 払込保険料:1年間で12万円(払込期間30年間)

<計算>

  • 払込保険料の総額:12万円(払込保険料)×30年間(払込期間)=360万円
  • 年金の総支給見込み額(※):50万円(1年間の年金額)×10年間(受取期間)=500万円
  • 必要経費:50万円(その年の年金受取額)×360万円(払込保険料の総額)÷500万円(年金の総支給見込み額)=36万円
  • 確定年金の場合、「年金年額×支給期間」で計算する

<結果>

  • 雑所得の課税価格:50万円(総収入金額)−36万円(必要経費)=14万円

【事例2 終身年金の受け取り(雑所得)】

<保険内容>

  • 1年間の年金額:50万円(平均余命20年)
  • 払込保険料:1年間で24万円(払込期間30年間)

<計算>

  • 払込保険料の総額:24万円(払込保険料)×30年間(払込期間)=720万円
  • 年金の総支給見込み額(※):50万円(1年間の年金額)×20年(平均余命)=1000万円
  • 必要経費:50万円(その年の年金受取額)×720万円(払込保険料の総額)÷1000万円(年金の総支給見込み額)=36万円
  • 終身年金の場合、「年金年額×余命年数」で計算する

<結果>

  • 雑所得の課税価格:50万円(総収入金額)−36万円(必要経費)=14万円

上記の事例の場合、雑所得の課税価格はともに14万円となりました。実際に支払う税額は、給与所得などのほかの所得金額と合計して総所得金額を求めた後に計算します。所得税は48万円の基礎控除(合計所得金額2400万円以下の場合)があるため、個人年金とそのほかの所得を合わせた金額が基礎控除額よりも低ければ、所得税は発生しません。

なお、個人年金保険における雑所得が25万円以上だと、保険会社から受け取る時点で雑所得の10.21%が所得税・復興特別所得税として源泉徴収されることがあります。その場合には確定申告の必要がありませんが、年金以外の所得状況によっては確定申告で税金が還付されることもあります。

ケース2:契約者と受取人が違う

年金の受け取りを開始した1年目に贈与税の対象になることに加えて、2年目からは所得税(雑所得)の対象となります。

贈与税の課税価格は、「年金受給権の評価額−110万円(基礎控除)」で計算します。年金受給権の評価額は、「解約返戻金」「一括受給するときの金額」「予定利率に基づき算出された金額」のいずれかのうち最も大きい金額となります。

年金受給権の評価額が500万円の確定年金だと、贈与税は次のとおりになります。

【事例3 確定年金の贈与(贈与税)】

<保険内容>

  • 年金受給権の評価額:500万円

<計算>

  • 贈与税の課税価格:500万円(年金受給権の評価額)−110万円(基礎控除)=390万円
  • 贈与税(※):390万円(課税価格)×20%(税率)−25万円(控除額)=53万円
  • 贈与税の税率は課税対象額によって以下のとおりとなっている

<贈与税の速算表(一般税率)>

基礎控除後の課税価格 200万
円以下
300万
円以下
400万
円以下
600万
円以下
1000万
円以下
1500万
円以下
3000万
円以下
3000万
円超
税率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 - 10万円 25万円 65万円 125万円 175万円 250万円 400万円
  • 出典:国税庁ホームページ「贈与税の計算と税率(暦年課税)」

上記の事例では、贈与税として53万円の納税が必要となりました。110万円の基礎控除を超える贈与は、税率10〜55%と贈与額が上がるにつれて高くなるので、年金受給権の評価額が高くなりそうなときは、注意が必要です。

加えて、2年目以降は雑所得として所得税も発生する可能性があります。ただし贈与された年金の場合は、すでに税金を支払っている部分においては課税対象とならないため負担は少ないと想定されます。
個人年金とそのほかの所得を合わせた金額が基礎控除額(合計所得金額2400万円以下なら48万円)よりも低ければ、所得税は発生しません。

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どのように個人年金を受け取ると一番おトクなの?

契約者と年金受取人の関係によってかかる税金が異なる個人年金は、加入方法や受け取り方を工夫して、税金の負担を抑えることが大切です。

ポイント1:契約者と受取人は同じにする

契約者と受取人が違うと贈与税の対象となります。長期契約である個人年金保険は、年金受給権の評価額が贈与税の基礎控除である110万円を超えやすく、贈与税が発生しやすくなります。そのため、個人年金に加入するときは、契約者と受取人を同じにすることで、贈与税がかからないようにするのがおすすめです。

すでに契約済みの人でも、年金の受け取りが始まる前であれば受取人は変更できます。その場合、変更前の分は贈与税と所得税が、変更後の分は所得税が課税されます。早く変更するほど贈与税は抑えやすくなるので、気になる人はすぐに受取人の変更を検討してみましょう。

個人年金保険の契約者と受取人は同じにしたほうが、税金の負担を抑えることができます。すでに契約済みの人でも、受取人の変更を検討してみましょう。

ポイント2:一括と年金のどちらで受け取ると有利かを比べる

個人年金保険は、商品によっては年金ではなく一括で受け取ることもできます。契約者と受取人が同じであればどちらも所得税の対象となりますが、一括で受け取る場合は一時所得、年金で受け取ると雑所得となります。一時所得と雑所得とではかかる税金が変わるので、比較して有利なほうを選びましょう。

一時所得の計算式は「(総収入金額−収入を得るために支出した金額−特別控除額50万円)×2分の1」です。【事例1】の個人年金を一時金で受け取る場合、保険金額が480万円になると仮定して、計算してみます。

【事例4 確定年金の一括受け取り(一時所得)】

<保険内容>

  • 一時金で受け取る場合の保険金額:480万円
  • 払込保険料:1年間で12万円(払込期間30年間)

<計算>

  • 払込保険料の総額:12万円(払込保険料)×30年間(払込期間)=360万円
  • 総収入額:480万円(一時金で受け取る場合の保険金額)

<結果>

  • 一時所得の課税価格:
    [480万円(総収入金額)−360万円(収入を得るために支出した金額)−50万円(特別控除額)]×2分の1=35万円

【事例1 確定年金の受け取り(雑所得)】

<保険内容>

  • 1年間の年金額:50万円(受取期間10年間)
  • 払込保険料:1年間で12万円(払込期間30年間)

雑所得の課税価格:14万円

  • 計算過程は前述のため省略

所得額に対して、所得税が5%かかると仮定すると、それぞれの税額は以下のとおりになります。

  • 一括受け取り…合計1.75万円(一時所得35万円×5%×1年間)
  • 年金受け取り…合計7万円(雑所得14万円×5%×10年間)
  • 所得税はほかの所得と合算して計算するため、実際にかかる税額はほかの所得状況により異なります

税金の支払いが発生する場合は、一時所得として受け取ったほうが、特別控除額などがあるため税金の負担は小さくなりやすいです。ただしどちらも所得税なので、ほかの所得状況により実際に支払う税額は大きく変わります。

たとえば、ほかの所得と合わせた合計所得金額が基礎控除額(合計所得金額2400万円以下なら48万円)以下であれば、非課税になります。年金で受け取るほうが所得額は低く抑えやすいので、一括で受け取ると税金がかかる人は、年金で受け取ることも検討しましょう。

また、受け取れる保険金の総額を比べると、一括で受け取るよりも年金で受け取るほうが通常は多くなります。この事例の場合だと、税金の合計額は一括で受け取るほうが5.25万円低くなりますが、保険金の総額は年金で受け取ったほうが20万円多いので、トータルでは年金で受け取ったほうが有利であると予想できます。

このように、一括と年金のどちらがいいかは、商品内容や受取人の所得状況により異なります。受け取る前にしっかりシミュレーションをして、どちらで受け取るかを決めましょう。

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個人年金保険の受け取り開始後に死亡した場合の税金は?

年金を受け取り始めた後に被保険者が死亡した場合は、代わりに保険金を受け取る人に税金がかかります。どのような税金がかかるのかは、契約者と被保険者、死亡後の受取人の関係によって異なり、次のとおりとなります。

<個人年金保険の受け取り開始後に死亡したときにかかる税金の例>

ケース 契約者 被保険者 受取人 死亡後の受取人 かかる税金
1 本人 本人 本人 配偶者 一括受け取り:相続税
年金受け取り:1年目のみ相続税+2年目から所得税(雑所得)
2 本人 本人 配偶者 配偶者 一括受け取り:所得税(一時所得)
年金受け取り:所得税(雑所得)
3 本人 配偶者 本人 本人 一括受け取り:所得税(一時所得)
年金受け取り:所得税(雑所得)
4 本人 配偶者 配偶者 本人 【契約者が受け取る場合】
一括受け取り:所得税(一時所得)
年金受け取り:所得税(雑所得)
子など 【契約者以外が受け取る場合】
一括受け取り:贈与税
年金受け取り:1年目のみ贈与税+2年目から所得税(雑所得)

ケース1 (契約者 本人、被保険者 本人、受取人 本人、死亡後の受取人 配偶者)

契約者と被保険者が同一だった場合は、未払い分の年金は相続財産となるため相続税が発生します。死亡給付金を一括で受け取った場合は、受け取った金額に応じて相続税がかかります。年金継続受取人が年金として受け取る場合は、1年目に年金受給権の評価額が相続税の対象となり、2年目以降は税金が課税されていない部分に対して所得税(雑所得)がかかります。

ケース2 (契約者 本人、被保険者 本人、受取人 配偶者、死亡後の受取人 配偶者)

契約者と被保険者が同一でもすでにほかの受取人が年金を受け取っている場合は、年金の受け取り開始時点で贈与税の対象となっています。そのため、一括で残りの保険金を受け取ると所得税(一時所得)がかかります。年金で受け取る場合には、毎年受け取る年金額に応じて所得税(雑所得)がかかります。これは、贈与税の対象とならなかった部分に対して所得税(雑所得)がかかることになります。

ケース3 (契約者 本人、被保険者 配偶者、受取人 本人、死亡後の受取人 本人)

契約者自身が死亡後の受取人になる場合には、自分が支払った保険料に対する保険金を受け取ることになるため、所得税の対象となります。残りの年金を一括で受け取ると一時所得、年金で受け取ると雑所得になります。

ケース4 (契約者 本人、被保険者 配偶者、受取人 配偶者、死亡後の受取人 本人・子など)

被保険者が亡くなった後、受取人が誰になるかで税金が異なります。契約者が受取人になるのであれば、ケース3と同様に所得税(一括受け取りだと一時所得、年金受け取りだと雑所得)の対象になります。
契約者以外の人が継続受取人となる場合には、贈与税や所得税がかかります。一括で受け取ると受け取った保険金に応じた贈与税が発生します。年金で受け取る場合には、1年目に年金受給権の評価額が贈与税の対象となり、2年目からは税金が課税されていない部分に対して所得税(雑所得)がかかります。

なお、被保険者が亡くなった後も年金が受け取れるのは、確定年金や保証期間付終身年金の保証期間内であった場合です(商品によっては受け取れないこともあります)。終身年金の場合は、被保険者が死亡した時点で年金の受け取りは終了します。

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個人年金保険に関するほかの税金

ほかにも、個人年金保険では以下のような税金が関係します。

保険料を支払ったときに受けられる「生命保険料控除」

個人年金で支払った保険料は、生命保険料控除として一定金額の所得控除を受けることができるため、所得税と住民税を軽減できます。

2012年(平成24年)以降に加入した個人年金保険なら、所得税から最大40,000円(その年の払込保険料が80,000円超のときに40,000円)、住民税から最大28,000円(その年の払込保険料が56,000円超のときに28,000円)の控除が受けられます。

解約したときにかかる税金

個人年金保険を解約すると解約返戻金が受け取れるのが一般的です。解約返戻金の金額によっては、所得税(一時所得)や贈与税がかかります。

契約者と受取人が同じ場合は、一時所得として所得税の課税対象となります。一方、契約者と受取人が違う場合は贈与税の対象となります。なお、確定年金を5年以内に解約した場合には源泉分離課税が適用され、源泉徴収だけで課税が完了します。

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まとめ

個人年金保険の保険金を受け取るときは税金がかかります。契約者と受取人が同じなら所得税の対象ですが、必要経費として払込保険料などを差し引けるため、税額は抑えやすくなっています。一方、契約者と受取人が違う場合は、贈与税と所得税(雑所得)がかかります。贈与税は負担が大きくなりやすいので、できれば契約者と受取人は同一にして、税金の負担を抑えるようにしましょう。

個人年金保険では、一括で受け取るとき、年金の受給開始後に亡くなったとき、解約したとき、保険料を支払うときなど、多くの場面で税金が関係しています。個人年金保険を選ぶときは税金のことも頭に入れておき、お得に活用できるようにしましょう。



[募集代理店] 株式会社カカクコム・インシュアランス
各種保険商品の募集代理店は、株式会社カカクコム・インシュアランスであり、株式会社カカクコムは各種保険商品の勧誘・募集を行っておりません。なお、共済に関しましては、株式会社カカクコムおよび株式会社カカクコム・インシュアランスのいずれも、勧誘・募集を行っておりません。
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