先月のご利用数
対人賠償保険とは?
更新日:2022年5月20日
交通事故で人にケガを負わせてしまったり、死亡させてしまったりすると、加害者には損害賠償責任が発生します。賠償金は数千万円から数億円になるケースも珍しくありません。
対人賠償は交通事故被害者のための保険なのです。
疑問が解消したら、あなたに合った保険会社を見つけましょう
自賠責保険は人への補償、つまり対人賠償保険となります。
本質は任意保険の対人賠償と変わりませんが、その補償額はケガ120万円、後遺障害最高4,000万円、死亡最高3,000万円と保険金額が決まっている点が異なります。
実際の事故ではこれらの金額を上回るケースが多く、時には賠償金額が数億円に達する事故もあります。任意保険の対人賠償はそのような事態に備えるために必要不可欠な保険なのです。そのため任意保険では対人賠償を無制限にするのが常識とされています。
「実際の高額事故判例と保険金支払いの内訳」の表を見てみましょう。
この2つの事例について、被害者側の過失はないものとして解説していきます。
@では被害者の方がお亡くなりになられたため、加害者の自賠責保険から3,000万円が支払われます。これにより認定損害額の一部を補えますが、約5億円が不足しています。
Aでは被害者の方は後遺障害を負われました。仮に後遺障害の等級が第1級の場合、自賠責保険から4,000万円が支払われます。これにより認定損害額の一部を補えますが、約3億6,000万円が不足してしまいます。
実際の事故では被害者の過失割合も勘案され、多少金額に変更は出るものの、高額な賠償金を個人でまかなうのは不可能でしょう。
任意保険の対人賠償でしっかりカバーしておきましょう。
自動車の運転者は加害者として損害賠償責任を負担する立場にありますが、加害者と被害者が密接な関係がある家族の中では、損害賠償請求は行わないのが一般的です。従って、対人賠償で補償されるのは「他人」に限られるのです。
被保険者(保険の対象になる人)、またはその配偶者・父母・子が死傷した場合、それによって加害者である被保険者が負う損害には保険金が支払われません(父母・子は、被保険者またはその配偶者と同居している場合に限るとしている保険会社もあります)。
被保険者の兄弟姉妹は「他人」扱いとなり、補償を受けられます。
例えば、自分が運転し、自分の子供、自分の弟、弟の子供の計4人でドライブ中に単独事故を起こした場合。弟とその子供は対人賠償で補償されますが、自分と自分の子供は補償を受けることができません。
車と歩行者が事故を起こせば、車の過失割合が大きくなるのが一般的です。
しかし、たとえ歩行者でも「信号を無視した」「横断禁止の道路を渡った」といった場合、相応の過失が認められ賠償金額が減額されます。
過去に男性が車にはねられ約3億5,000万円の賠償金額が認められた事故事例があります。
しかし、事故の原因が、被害男性が泥酔し、横断禁止の道路の中央分離帯付近でしゃがみこんでいた点にあると判明。
被害男性に40%の過失が認められ、遺族は賠償金額から40%分の1億4,000万円を差し引いた2億1,000万円しか受け取ることができませんでした。
このように例え歩行者ともいえども、過失割合が大きければ賠償額に差が生じます。
車を運転する際も、歩行する際も交通ルールには十分に注意しておきたいものです。
まとめ
記事の監修者
事故で相手の財物に与えた損害を補償する対物賠償保険。自賠責保険との違いや加入することによるメリットなどについて詳しく解説します。
運転手や同乗者が事故で死傷したときの損害を補償する搭乗者傷害保険。その補償内容や人身傷害保険との違いなどについて解説します。
運転手や同乗者が事故で死傷したときに過失割合に関係なく損害を補償する人身傷害保険。搭乗者傷害保険との違いなどについて解説します。
© Kakaku.com, Inc. All Rights Reserved. 無断転載禁止