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搭乗者傷害保険とは?
更新日:2022年5月20日
搭乗者傷害保険とは、車に乗っている人(運転手を含む)が交通事故でケガをしてしまったときの損害を補償する保険です。この保険を使っても翌年の等級には影響が出ません。
なお、人身傷害保険と補償内容が重複しているため、搭乗者傷害保険をを取り扱っていない保険会社もあります。
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対人賠償や対物賠償で補償されるのは他人の身体と持ち物に限定されていました。
しかし、搭乗者傷害保険では、搭乗しているすべての人の死傷が補償の対象になります。
他人はもちろん、契約者本人、その配偶者や同居の家族、ドライバーまで補償を受けられます。
しかも、自賠責保険や相手側からの損害賠償金が支払われていても補償されます。
また、契約者の過失割合100%の事故でも、単独事故でも補償されます。さらに、搭乗者傷害保険を使っても等級に影響が出ません。
よって「翌年の保険料が値上がりするから保険は使わないでおこう」という心配は不要です。
メリット1 | 自賠責保険や相手側から損害賠償金が支払われていても補償される。 |
---|---|
メリット2 | 自分の過失割合が100%の事故や単独事故でも補償される。 |
メリット3 | 搭乗者傷害保険を使っても次年度の等級が上がらない。 |
加入者にとってメリットの多い搭乗者傷害保険ですが、実際の事故では支払われないケースもあります。
酒気帯びや無免許運転の場合は当然として、契約者の故意による事故、重大な過失の事故がこれに該当します。
保険金が支払われるケース、支払われないケース、また保険会社により判断が異なるケースは以下の通りです。
保険料が支払われるケースは、正しく座っていた際の交通事故によるケガ。
もちろん、シートベルトやチャイルドシートの使用が前提です。台風や洪水、高潮などの被害に遭った場合も搭乗者傷害保険を使うことができます。
一方で、支払われないケースは搭乗者が危ない乗り方や違法な乗り方をしていた場合です。例えば、定員オーバーで乗車していたり、サンルーフや窓から車両の外に身を乗り出していてケガをしたりした場合です。荷台に乗車していてケガをした場合もNGです。
なお、地震や噴火、津波などの場合も搭乗者傷害保険は支払われません。
また、保険会社によって搭乗者傷害保険が支払われるか支払われないかの判断が異なるケースも存在します。例えば、車の乗降時にドアを閉めたことによってケガをしたり、車両内の通路を歩いてケガをしたりした場合です。
保険会社によって判断が異なるので詳しくは保険会社に問い合わせるのがよいでしょう。
保険金額は「部位・症状別」により細かく分類されています。
具体的には下表のようにケガの場所や症状によって保険金額が決定されるのです。
通常治療が4日以内なら「治療給付金」の名目で1回治療を受けたら1万円。
治療が5日以上になると「入通院給付金」の名目で下表の保険金が受け取れます。
部位 | 打撲・捻挫など | 骨折・脱臼 | 欠損・切断 |
---|---|---|---|
頭部 | 5万円 | 60万円 | - |
眼、歯牙以外の顔面部 | 5万円 | 35万円 | 15万円 |
胸・腹・背・腰・臀部 | 5万円 | 30万円 | - |
手指以外の上肢 | 5万円 | 35万円 | 60万円 |
手指 | 5万円 | 20万円 | 25万円 |
メリットの多い搭乗者傷害保険ですが、一方で人身傷害保険に加入していれば、あらかじめ設定した保険金額の範囲内で実際にかかった治療費のすべてを受け取れます。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険との大きな違いは、人身傷害保険が治療などにかかったお金が全額支払われるのに対して、搭乗者傷害損害保険は部位や症状別に支払額が決められている点です。
頭部骨折で入通院費がかかった場合を例に考えてみましょう。
頭部骨折で 入院費が100万円かかった場合 |
頭部骨折で 入院費が30万円かかった場合 |
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---|---|---|
人身傷害補償保険 | 100万円全額支払い | 30万円全額支払い |
搭乗者傷害保険 | 部位・症状別に60万円支払い | 部位・症状別に60万円支払い |
人身傷害保険では、100万円かかった場合も30万円かかった場合も入通院費が全額支払われますが、搭乗者傷害保険では100万円かかった場合でも部位・症状別に60万円の支払いになることがあります。
このケースは、人身傷害保険に加入しておいた方がよいケースといえるでしょう。
ただし、頭部骨折で30万円かかった場合は、人身傷害保険では30万円しか支払われないのに対して、搭乗者傷害保険では部位・症状別に支払われるので60万円支払われることもあります。
このケースは、搭乗者傷害保険に加入しておいた方がよいケースといえるでしょう。
このように、搭乗者傷害保険と人身傷害補償保険は、契約の対象となる自動車(被保険自動車)に搭乗中の自分や同乗者が死傷したときなどの損害が補償される保険ですが、その補償される金額の計算方法や補償の範囲が異なります。
最も安心なのは両方に加入し、両方の保険金を受け取ることですが、その分保険料は高くなってしまいます。実際の損害額が支払われる人身傷害保険を優先して加入し、定額払いで保険金の支払いが早い傾向がある搭乗者傷害保険は、手元の貯蓄が充分でない人などは検討するとよいでしょう。
最近では、搭乗者傷害保険部分を取り扱っていない保険会社もありますので、コストと補償のバランスを考えてどちらに加入するか選択しましょう。
まとめ
記事の監修者
事故で相手を死傷させたときの損害を補償する対人賠償保険。自賠責保険の補償との違いや加入するメリットなどについて詳しく解説します。
運転手や同乗者が事故で死傷したときに過失割合に関係なく損害を補償する人身傷害保険。搭乗者傷害保険との違いなどについて解説します。
事故の相手が自動車保険に未加入の場合も不足分の補償を受けられる無保険車傷害保険。その目的や使われるケースなどついて詳しく解説します。
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