70歳以上の方もインターネットで海外旅行保険に加入できますが、注意すべきポイントがあります。この記事では、ネットで契約できる海外旅行保険を紹介するほか、年齢や保険期間による加入制限、補償額が低く設定されている場合などの注意点を解説します。

この記事の監修者

株式会社カカクコム・インシュアランス/保険コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー
山田 卓弥
CFP®資格、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
CFP®資格、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
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70歳以上の方でも、インターネットで海外旅行保険に加入できますが、ネットで加入する場合は、年齢や旅行日数の制限などに注意が必要です。
また、保険会社の窓口や保険代理店、出発当日の空港カウンターなどネット以外でも加入できるため、必要に応じて、加入方法も検討してみるとよいでしょう。
70歳以上の方が海外旅行保険に加入する際、以下のような点に注意が必要です。
70歳以上の方が加入するときの注意点
商品によっては、被保険者(旅行する方)の加入年齢に、制限が設けられている場合があります。
海外旅行保険は、加入時の年齢ではなく、出発時の年齢が基準になるため、検討している商品の加入年齢条件を満たしているかどうか、必ず確認してください。
また、保険期間は多くの商品で31日、最長でも3カ月までといったように、日数制限が設けられています。
旅行日数がこの日数を超える場合は、ネットで申し込めないため注意が必要です。
そのほか、持病や既往症がある場合は加入できない、もしくは、持病や既往症による場合は補償されないこともあります。
なお、保険会社によって基準は異なりますが、風邪やアレルギー疾患、市販薬の服用や軽い外傷など、医師による定期的な治療を必要としない症状は、持病や既往症に該当しません。
70歳以上の方が海外旅行保険に加入する場合、商品によっては、69歳以下の方に比べて補償額が少ない場合があります。
たとえば、傷害死亡や傷害後遺障害の補償額は、69歳以下が3,000万円であるのに対し、70歳以上では1,000万円に抑えられているケースがあります。
そのほか、疾病死亡や治療費用の補償額が抑えられているもの、69歳以下と補償額は同じで保険料が割高に設定されているものなど、商品によって内容は異なります。
このように、補償額が制限されているため、手厚い補償を受けられるプランを選べない点にも注意しましょう。
補償内容やプランについては、以下の記事もご確認ください。
海外では、医療費が高額になる場合があるため、病気やケガをした場合の費用に備える治療費用や救援費用の補償額は、慎重に検討する必要があります。
特に、ジェイアイ傷害火災が実施した調査によると、シニア層(65歳以上)の高額医療費用事故の発生率は、65歳未満の約8倍にのぼっています。
高額医療費用事故とは、治療・救援費用の保険金支払額が300万円以上の事故を指します。
具体的には、心疾患や脳血管疾患、転倒による骨折などが多く、入院などを伴う可能性を踏まえると治療費用や救援費用は高額になることが考えられます。
以下の表1は、シニア層の高額医療費用事故(治療・救援費用保険金支払300万円以上)の一例です。
表1 シニア層の高額医療費用事故の一例
| 国(地域) | 内容 | 支払保険金 |
|---|---|---|
| アメリカ | 嘔吐後に倒れ意識不明となり救急車で搬送。くも膜下出血と診断され25日間入院・手術。家族が駆けつける。看護師が付き添いチャーター機で医療搬送。 | 4,661万円 |
| グアム | コーヒーショップで倒れ救急車で搬送。心筋梗塞と診断され19日間入院・手術。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 | 2,100万円 |
このように、海外での高額医療事故事例を踏まえて、治療・救援費用の補償額は、よく検討しましょう。
補償内容の詳細は、以下の記事も参考にしてください。
以上のことから、70歳以上でもネットで海外旅行保険に加入できますが、年齢や保険期間、補償額などの制限があることに注意して、海外旅行保険を選びましょう。
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