火災保険の保険期間は1年契約から最長5年契約まで可能です。それぞれの特徴を確認してみましょう。

この記事の監修者

ファイナンシャル・プランナー、株式会社プラチナ・コンシェルジュ所属、CFP®資格
中山 弘恵
国内損害保険会社での代理店支援業務、都市銀行での資産運用アドバイス・住宅ローン審査業務を経て独立。1人でも多くの人が心豊かで幸せな人生を送れるサポート役として、講演活動、執筆業務、個別相談を通して、生活に欠かせないお金についての正しい情報と知識を発信している。
国内損害保険会社での代理店支援業務、都市銀行での資産運用アドバイス・住宅ローン審査業務を経て独立。1人でも多くの人が心豊かで幸せな人生を送れるサポート役として、講演活動、執筆業務、個別相談を通して、生活に欠かせないお金についての正しい情報と知識を発信している。
目次を開く
火災保険の1年契約と長期契約はどちらがお得なのでしょうか? 一般的に、火災保険料は長期契約の一括払いをするほど割安になります。最長の5年契約の一括払いでは、1年契約の約4年5か月の保険料で契約が可能です。割引率はすべての保険会社で同一とは限りませんが、表1に1年契約と比べた場合の長期契約の割引率の目安を記載します。
表1−火災保険における長期契約(一括払い)の保険料割引率※1
| 契約年数 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 |
|---|---|---|---|---|
| 割引率 | 約5.08% | 約7.06% | 約9.30% | 約10.64% |
たとえば、1年契約で火災保険料が32,600円の契約の場合、長期契約をすると保険料がいくらになるかを表2に示します。5年契約の場合、1年契約と比べると5年間で 171,540円 - 153,280円 = 18,260円 の差が出ます。1年あたりでは、 34,308円 - 30,656円 = 3,652円 ほど保険料が安くなり、保険料を約10%節約することができます。
1年契約の場合における5年間分の保険料には、2年目から築年数も考慮に入れて計算しているため、1年目の保険料と1年あたりの保険料は異なります。
表2−火災保険における長期契約(一括払い)の保険料例
| 契約期間 | 5年間分の保険料※2 ※3 | 1年あたりの保険料※3 |
|---|---|---|
| 1年契約の場合 | 171,540円 | 34,308円 |
| 5年契約の場合 | 153,280円 | 30,656円 |
これらをみる限り、1年契約より長期契約のほうが経済的であることがわかります。火災保険に効率よく加入したいということであれば、契約当初は費用がかかりますが、長期契約をおすすめいたします。
長期契約をした後、引っ越しや売却などで家を手放す際には火災保険はどうなるのでしょうか? 基本的には火災保険は解約しなくてはいけません。解約をすると損をするのでは? という話をよく聞きますが、解約した場合は経過期間に応じた所定の解約返戻金(かいやくへんれいきん)があります。表3は、所定の返戻率(未経過料率)となりますので、ご確認ください。
表3−年間保険料3万円(5年一括で15万円)の火災保険に加入した場合の解約についての一例
| 解約条件 | 保険料の返戻率※4 | 返ってくる保険料※5 |
|---|---|---|
| 5年契約をして1年で解約した場合 | 78% | 117,000円 |
| 5年契約をして2年で解約した場合 | 59% | 88,500円 |
| 5年契約をして3年で解約した場合 | 39% | 58,500円 |
| 5年契約をして4年で解約した場合 | 20% | 30,000円 |
このように解約をした場合でも期間に応じた解約返戻金が戻ってきます。上記金額を考慮すると、解約時のリスクは低いといえます。
火災保険の長期契約をした場合の割引率や、途中で解約した場合の解約率を考慮すると、火災保険の保険料を節約するコツは長期契約にあるといえます。
ただし、一括して保険料を支払うため当初の経済的負担が大きいです。そういった場合は割引率は低くなりますが、「長期年払」という方法も存在します。「長期年払」は保険会社によって契約できる期間が異なります。詳しくはカカクコム・インシュアランスまたは保険会社にご確認ください。
この記事の関連コンテンツ