更新日:2026年7月23日
30代は、結婚や出産などで環境が変わるほか、病気・ケガのリスクも20代より高まるため、もしもに備えておくことが大切です。
ここでは、30代に生命保険が必要な理由や月額保険料の平均、リスクに応じた保険の種類・選び方を、保険のプロが解説します。

この記事の監修者

株式会社カカクコム・インシュアランス
CFP®資格、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、社会保険労務士
森谷 智彦
30代は、結婚や出産といったライフステージの変化や、病気・ケガのリスクが高まり始める時期です。それぞれの状況に合わせて、生命保険で備えておくことが大切です。
結婚や出産、住宅購入など、30代は生活環境が変化しやすい年代です。特に扶養家族がいる場合は、万が一の場合に遺された家族が生活を維持できるよう、生活費や教育費を備えておく必要があります。
遺族年金などの公的保障もありますが、それだけでは生活費や教育費が不足するケースも少なくありません。そのため、公的保障でまかなえない部分を補う手段として、生命保険を検討しましょう。
30代は、20代と比べて病気やケガのリスクが高まる傾向にあります。
入院や手術が必要となった場合、高額療養費制度などの公的保障があっても、自己負担費用がゼロになるわけではありません。
また、治療のために働けなくなると、収入は減少しても生活費はこれまでどおりかかります。病気・ケガの治療費に収入減少が重なることで、家計への負担が一層大きくなります。
収入減少に対しては傷病手当金などの公的保障がありますが、減少した分の給与をすべてカバーできるわけではありません。この不足分を補うために、生命保険での備えを検討することが大切です。
生命保険を検討するときに保険料の相場を知ることは、保障内容と保険料のバランスを確かめる方法の一つでもあります。
生命保険文化センターの「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」によると、30代の年間払込保険料の平均は、男性が16万円、女性が15.7万円です。月額に換算すると、男性女性ともに平均1.3万円となります。
保険料は一般的に年齢とともに上がり、50代でピークを迎える傾向があります。加入中の保険があり、自身の保険料が平均より大きく上回る場合は、保障内容の見直しを検討してみるのもよいでしょう。
30代は、家族構成や経済状況によって「何に備えるか」「どのリスクを優先するか」が異なります。
ここでは、30代で備えたい死亡保険、医療保険、がん保険、就業不能保険の特長や、備えるときのポイントを見ていきましょう。
死亡保険は、万が一の際に遺された家族の生活費や教育費などに備えるための保険です。
持ち家で団体信用生命保険(団信)に加入していれば、住宅ローンの残債は団信で保障されるため、住宅費のうちローン返済分の備えは基本的に不要です。
死亡保険は、家族構成によって備えるポイントが異なります。
独身の場合、自身の葬儀関連費用や死後整理費用など、最低限の保障を終身保険で備えましょう。
配偶者のみの場合は、自身の葬儀関連費用などに加えて、配偶者が生活を立て直すまでの生活費を定期保険で備えるとよいです。
子どもがいる場合は、子どもの独立までの期間に合わせて、教育費を含めた手厚い保障を準備するのがポイントです。保険金を一括で受け取る定期保険と、毎月受け取る収入保障保険があり、経済状況などに合わせて選ぶとよいでしょう。
医療保険は、病気やケガで入院した場合や、手術を受けた場合の費用に備える保険です。
公的保障の高額療養費制度によって、医療費が高額になった場合の出費は抑えられますが、それでも自己負担は避けられません。たとえば、入院中の食事代や個室などを希望した場合の差額ベッド代は、全額自己負担のため、費用がかさみます。こうした公的保障でカバーできない自己負担分を、医療保険で補いましょう。
医療保険は死亡保険と異なり、家族構成によって備え方は大きく変わりません。病気・ケガのリスクは生きているかぎりあるため、保障が一生涯続く終身型が適しています。そのうえで、保障内容と保険料のバランスを考慮し、必要に応じて保障を手厚くするとよいでしょう。
がん保険は、がんの診断・再発・転移に伴う治療費や、治療の長期化でかさむ医療費に備える保険で、医療保険よりも手厚い保障が特長です。
30代は、20代と比べてがんの罹患リスクが高く、30代女性では乳がんの罹患率が20代と比べて約11倍など、女性特有のがんの罹患率が急激に高まります。男性は全部位で見ると、20代より30代のほうが約2.4倍罹患率が高くなっています(※)。
がん保険も医療保険と同様に、家族構成によって備えるポイントは大きく変わりません。
一方で、部位によっては、30代など若い年代でもがんの罹患リスクが高いため、終身型で一生涯の保障を、少しでも早めに確保しましょう。そのうえで、治療の長期化や、がんの治療で用いられることの多い先進医療の高額な費用に備えて、診断時や治療ごとに給付金を受け取れる保障があると安心です。
就業不能保険は、病気やケガで長期間働けなくなったときの収入減少に備えるための保険です。
所定の状態になった場合、回復するまで、または保険期間終了まで、給付金を毎月受け取れます。
就業不能保険は、死亡保険や医療保険・がん保険と異なり、就業形態によって備え方が異なります。
会社員や公務員には、傷病手当金などの公的保障や、企業の有給休暇制度がありますが、元の収入が満額保障されるわけではありません。生活費や教育費などの支出が公的保障などを上回る場合は、不足分を就業不能保険で補うとよいでしょう。
一方で、自営業者やフリーランスには、こうした公的保障や企業の保障は原則ないため、貯蓄を切り崩さないためにも、就業不能保険で収入減少に備える必要が高くなります。
生命保険を選ぶときは、備えたいリスクと公的保障を確認したうえで、必要な保障だけを無理のない保険料で備えることが大切です。
ここでは、30代が生命保険を選ぶ際に押さえたい4つのポイントを紹介します。
死亡、医療、がん、収入減少のうち、自身が優先して備えたいリスクを明確にしましょう。そのうえで、どれだけの期間備えたいかを決めることで、生命保険の種類や保険期間を選びやすくなります。
たとえば、子どもの独立や義務教育の終了までなど、一定期間だけ手厚く備えたい場合は定期型を、一生涯の保障をもちたい場合は終身型を検討するとよいでしょう。
死亡保障は遺族年金、医療保障は高額療養費制度、収入減少への備えは傷病手当金など、まずは公的保障などで受けられる保障の内容を確認しましょう。公的保障でカバーできない費用や、不足する生活費を生命保険で補うことがポイントです。
特に、収入減少に対する備えでは、会社員・公務員か、自営業者・フリーランスかによって公的保障の有無が異なるため、就業形態を踏まえて生命保険で補うべき金額を確認しましょう。
保障を手厚くすることでより安心できますが、その分、保険料も高くなります。
保険料が家計の負担になると、保険を継続することが難しくなるため、支払い続けられる保険料の範囲で、保障内容を決めることも大切です。
すでに生命保険に加入しており、保険料の負担を感じている場合は、不要な特約や保障の重複がないかを一度、確認してみてください。
同じ保障内容であれば、年齢が低いほど保険料を抑えやすい傾向があります。
また、持病や既往症があると、新たな保険に加入できない場合や、加入できた場合でも、持病などに関連する部位が保障されない(特定部位不担保)ケースや、保険料割増などの条件がつくこともあります。
そのため、健康で少しでも若いうちに加入を検討することで、商品や保障内容の選択肢が広がるでしょう。女性は、妊娠中は加入に制限がかかることがあるため、妊娠を予定している場合は、妊娠前の加入を検討するとよいです。
家族構成や就業形態、公的保障の受け取り額は、一人ひとり異なります。
保障内容を決めるには専門的な知識も必要なため、一人で判断するより、保険のプロに相談するほうが安心でしょう。
「子どもの独立まで死亡保障を厚くしたい」「医療保障は一生涯続けたい」「保険料は毎月いくら以内に抑えたい」といった希望の条件に合わせて、生命保険の種類や保障内容を提案してもらえます。
加えて、複数商品を比較しながら保障内容の説明を受けられるため、インターネットでは判断しづらいことも、納得いくまで確認できます。
必要書類の準備など、加入手続きのサポートがあるほか、加入中の保険の見直しについても相談できます。生命保険を見直す場合は、保障のない期間を作らないために、新規加入後に既存の保険を解約しますが、この解約のタイミングなどもアドバイスを受けられます。
加入後も、家族構成や経済状況の変化に合わせて、保障内容について継続的に相談できる点も、プロに相談するメリットです。
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